罪悪感との勝負
2月14日今日は本当なら創英大学高田高等学校だった。
今日は9時半起きた。昨日は22時に寝たので11時間半寝ていたことになる。
「本当に休んじゃったな」
あのあと親に説明して、それでリフレッシュできるなら。あと男子校2校に受かってる自信がそんなにあるならと承諾してもらった。
しかし、だからと言って罪悪感・無力感が消えるわけじゃない。
「男子校2校で本気出して受験疲れって。馬鹿かよ。俺。」
本当だったら今頃国語が終わったくらいだろうか。俺は家で何もできずにいた。
13時ごろ、家のインターホンが鳴った。
インターホンの相手を見ると中野だった。
「おーい!アキラ!いるでしょ!開けなさい!」
相変わらず俺に対しては強引だ。
「はいはい。今開けますよ」
そう言って家のドアを開ける。
「アキラ。公園行かない?」
「……………は?公園?」
「そう。10分待ってあげるからその間に準備してね」
「待ってなんで行くの?え?」
「はよ準備してこーい!」
そうして半ば強制的に外への引っ張り出された
そうしてやってきたのは小学生の頃、よく遊んでいたなんでもない公園だった。
「受験疲れの特に夏山のやつは脳が疲れてる時に出る。だから脳を一旦リフレッシュさせないと。だから、ここ。」
「あのさ、理由最初に言ってくれたら良かったんじゃない?」
「そしたらそんなの家でいいっていうでしょ?」
やっぱり、反論できなかった。中野にはいつも言い負かされてばっかりな気がする。
そうして公園で遊ぶことになった。
鬼ごっこ。ブランコ。ボール遊び。
どれも小学生の時飽きるほど遊んでいたのに、みんな中学に入る頃にはやめてしまっていた。
「アキラ〜かくれんぼ弱い!すぐ見つかるじゃんもっと本気できて!」
「美咲さん?本気で隠れるからと言って普通に草むらに隠れて衣類汚すのやめな?」
「いや、洗濯するの自分だからいいの」
「じゃあ服汚さない俺と中野で行動範囲違うじゃん」
「いやあんたも服汚してでも隠れなよ。それがかくれんぼでしょ。」
その言葉は一見するとただの大人になれない中学生の戯言のようだった。だけど、何事にも全力でやる、中野の性格を正確に反映した言葉だった。
「……………わかった。じゃあ全力で隠れるわ」
「そう来なくちゃ」
そうして、木の上に登って隠れた。中野も流石そこまですると思ってなかったようでしっかり15分くらい探して見つからなくて降参と言った。
「あのさ、流石に前まで遊具の裏とかに隠れてたやつがいきなり木の上隠れると思わないじゃん」
「でも、全力でやれって言ったの誰だっけ?」
「……………私です」
「じゃあ何も言うことないよね?」
「…………………はい。」
まさかこんなところで言い負かすことになるとは思っていなかった。
そうしてこの日は二人で公園で全力で遊んだ。
16時を回った頃、そろそろ身体に疲れが溜まってきた。
「じゃあ、もうそろそろ終わりにしよっか。アキラもう疲れたでしょ」
「……………まぁ。そう」
「じゃあ……帰りうちの家寄って。」
「………?わかった」
普段から家が近いため中野の家に寄ったり、逆に中野が俺の家まで寄って帰ったりすることはあった。
しかし、ほとんどは気分で寄っているため、寄ってくれと誘われることはほとんどなかった。
中野の家の前まで来る。
「はい、これ」
そう言って渡されたのはチョコレートのカップケーキだった。
「え?どうした?」
「どうした?って今日バレンタインでしょ!!」
「…………………あ」
「あ…じゃない!!」
中野の顔が赤くなる。
「そんな怒らなくても…」
「アキラさぁ………」
そう言った後、二人の間を静寂が流れる。
中野の顔が夕陽に照らされていた。
とても美しくて、神秘的で、思わず顔を見つめてしまった。
「そんなに見ても何もでてこないよ」
「あっ………失礼。」
「じゃあ、早く帰って明日に備えな。」
「わかった。」
そう言われ、ようやく家路についた。
その途中、顔が妙に熱かった。
20時、寝る前にもらったカップケーキを食べる
食べる前にあらためて見てみると、ラッピングが近所のスーパーで売っているものだった。
「……もしかして、手作り?」
そう考えると中野が13時にきたこともカップケーキを作っていたからと説明がつく。
「………そこまでしてくれてたんだ。俺を元気付けるために」
中野に感謝しつつ、カップケーキを食べ切った。
そして、21時には就寝した。
「明日は北中。俺ならできる。」
運動して日光を浴びたからか………はたまた別の要因か……そう思えた。




