寒さと緊張
2月の駅のホームは、冷たく湿った風が吹いていた。今日も雪が降る予報だ。
「ほんと新潟はよくこんな豪雪地帯で人住んでるよな。」
「あんたも住人だけどね。」
「そうだった。」
今日、2月10日は受験1発目。宮本大学附属高校である。
「お〜美咲!久しぶりだな」
「普通に1分遅刻」
「それくらいいいじゃん?」
「まったく……」
そういって誰かが中野と親しげで話している。
しかし、少し見たことがあるような気がする。
「……誰?」
「この人がスペシャルゲスト。お兄ちゃんですー」
中野の兄。3年前に絶縁したといっていた。
「どうもー」
「え?中野、兄と連絡とったの!?」
「にいちゃんからかけてきていきなり『宮本大受かったわ』って言ってきた。本当にいつもいきなりなんだから」
「ごめんて、受験終わったら焼肉食べに行く?」
「行く。けと夏山も一緒に連れてって」
「え?」
流石に家族の会話に入るのは気まずい。
「流石にそれは二人で行ったほうがいいんじゃない?」
「いや、もう夏山の方が家族」
「にいちゃんにもうちょっと優しくしてよー」
「あんたは………馬鹿」
「なんだって?馬鹿ちゃうわ!!」
その光景は、6年の頃までたまに見ていた。あの頃の光景と同じだった。
「じゃあ、早く電車乗るよー。誰かさんが遅刻していたせいでもうすぐだし」
「誰だろうなー」
「お前じゃい!!」
そう兄弟が話していると列車が来た。
「今日は美咲と夏山くんは宮本大附属か。じゃあ受かったら俺とおんなじキャンパスじゃん」
「はいはい。じゃあしっかり応援してね」
「頑張ってね」
「合格できるように頑張ります」
183cmの長身が妙に安心感があった。
「夏山は、自信持って。頑張ってね」
「わかった。」
そうして、列車は宮本大学の最寄り、宮本駅に到着する。
「宮本大附属高校受験の方!南口の方へお進みください。」
鉄道会社と学校の運営元が同じ水瀬財閥であるため、駅員や、駅まで来た学校の警備員さんなどが誘導を行っている。と言っても駅の南口をでて3分で着くのだが。
「こんな警備員いるのか」
「1500とか受験するからね」
「ヒェッ」
「だから心配しなくていいから。自信持って!」
歩いてすぐ。青い特徴的な門が見える。宮本大学及び宮本大附属高校の門。水瀬門である。
「門に財閥の名前つけるとかなんか、おかしいね」
「まあ、そうかも」
「じゃあ、宮本周辺で時間潰してるから。また、終わったらな。」
「わかった。行ってきます」
そう中野が言ったのにつられて俺もいう
「行ってきます」
「俺は保護者か!」
「18歳なんだから保護者してよ」
「……ハハッ確かにな。あんた保護者いないもんな」
「誰のせいだと?」
「……ごめんな」
「いや別にいいんだけど。」
「頑張れよ」
「頑張ってくるに決まってんじゃん。じゃ」
中野が走り出した
「待って中野!?」
俺も慌てて走り出す。
受験会場につき、受験票を見せる。
「H10896番ですね。受験教室大学2号棟の3階6番教室です」
そう言われ、通される
「中野はどこ?」
「私もおんなじだわ」
「まじで!!嬉しい!」
「だからと言ってカンニングしないでよ」
「しないわ!」
そう軽口をたたき、一緒に受験教室に向かう。
その会話が妙に安心できた。
教室に入ると座席表が貼られていた。
流石に中野との席は離れていた。
「じゃあ、お互い頑張ろうね。」
「うん。」




