エール
いよいよ受験が明日になってしまっていた。
「この勉強会も最後だね。」
「そーなんですか?会長続けてくださいよー」
「村上のためのはまた別にやるかもしれないけど、一回夏山のための勉強会は終わり」
「そうだな」
「じゃあ私は帰りますね。最後にこれ、読んでくださいね先輩も会長も」
「わかった」
「はいはい。ってか私もう会長じゃないって何回言ったらわかるの」
「私の中では中野美咲が永遠に会長です!」
「フフッじゃあ、気をつけて帰ってね。」
「また明日!じゃなくて…えー16日ね?」
「6校もあるから一週間後じゃないですか!」
そう言って村上は帰った。
「せっかく手紙もらったから、読もうか。」
「そうだね」
自分宛の村上の手紙を開ける
「夏山先輩!1年間ありがとうございました!」みたいなことを書こうかとも思ったんですけど、それは卒業の時に書くので、とにかく、受験のことだけ書きます。
夏山先輩って意外と気付いてないかもしれないんですけど努力の量がすごいんですよ。普通は偏差値57から73とか74まで上がりませんよ。それに合格目安超えたんですよね。すごいじゃないですか!!なので、自分を信じて、本番臨んでほしいです、本当に。あと、中野先輩への気持ちを込めて受けたら多分受かりますよ。一生懸命頑張ってください。学校から応援してます!!
いつから中野への好意に気づいていたのかめちゃくちゃ問い詰めたいが、そんなことをしても仕方ない。というかそれより。こんなに応援してくれてるのが素直に嬉しい
「どんなの書いてあった?」
「夏山先輩すごいから頑張って!みたいな感じのこと書いてた。そんなにか?」
「いや、あの普通に私結構きつい設定だったのが普通についてきてるからすごいよ?」
「………そうなんだ。」
鷹宮からも、村上からももちろん嬉しかったが。
やっぱり中野に褒めてもらうのが一番嬉しい。それは変わっていなかった。
「逆に中野は村上からなんて書かれてあったんだ?」
「あなたなら心配いらないです。蹂躙してきてくださいって書かれてた」
「蹂躙www」
「私だって受からない可能性あるのにね」
「だから11月模試の時言っただろ。中野は堂々としてろって」
「アキラもかい!!」
「いや、だって中野はもう、ね。できるじゃん」
「実力を認めてもらった上で出る言葉なんだけど、なんかそれは違うでしょ」
「新台模試で一回も抜かしたことないんですけど美咲さん?」
「そっか」
「納得するなよ!!惨めになる」
「だから実力あるから、比較対象が間違ってるだけ」
「それ自分で言うか?」
「だってあんたがそう言うんだから」
「まあ確かにそう言ったが……」
「じゃあ、もうそろそろ夕飯の支度するから大丈夫
「はいはい。帰るねー」
そう言って問題集を片付ける
「明日。8:00に駅集合ね。」
「わかった。」
「スペシャルゲストいるから。覚悟しといてね?」
「ゲストいるからと言って結果は変わらないでしょ」
「それはそうかも」
「じゃあ」
「「また明日」」
そう言って中野の家を出た。
明日はいよいよ受験だ。
自分の全力を出すだけ。
それなのに、足がずっと震えたままだった。




