それぞれの道
3学期に入り、教室はいかにも受験直前のムードが漂っていた。
そして今日は新台模試の返却日だ。
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三教科63.1 五教科61.8
宮創附属は三教科受験で、合格の目安は62。つまり、
「……超えた。宮創附属。」
「本当ですか?すごいですね!!」
中野は今日は滑り止めの受験で休みである。必然的に鷹宮が来た
「そうでしょ?まじで超えたのか。実感湧かねぇ」
「宮創附属。最後まで頑張ってください」
最初はライバルからの応援なんて。って効かないふりをしていた。けれども、やはり褒められるのは嬉しい。
「そういや、鷹宮ってどこの高校目指してるの?」
「夏山さんから話しかけてくる。珍しいですね」
「いや、だって気になったんだからいいじゃん」
「長岡城町高校ですね」
長岡市立長岡城町高校。偏差値71の高校だ。
「へぇー公立か、五教科って大変?」
「そこまで大変とは感じないですね。三教科でもレベルが高い宮創附属の方が大変そうです」
「いやいや、5教科も全部あげられないや。いまだに理科は市内模試でも六十五くらいで止まってるもん」
「それでも十分高いですけどね。」
「………なんか、ちょっと嬉しい」
「よかったです。ちゃんと褒めてるんですよ?」
「いや、わかってるよ」
あんなにライバルみたいにいがみあっていたのに、
それぞれの道は別々だった。つまり、卒業したらもうほとんど会わない。
「なんか、不思議だな」
「何がですか?」
「こんなにライバルみたいにいがみあって、仲良くなって。それなのに卒業したら途端に会わなくなるんだよ?」
「夏山さんから一方的に警戒されてたんですけどね」
「いや、あれはお前が悪い。俺も悪いけど。」
「じゃあLINE交換しません?」
「え?交換してなかった?」
「そうですよ?だってそんな機会なかったじゃないですか。」
「確かに」
QRコードを見せて、鷹宮が読み込む。
その光景は夏山と鷹宮の関係。鷹宮が仲良くしようとして、夏山がそれに押される。その変化にそっくりだった。
「お前ら何してんのー?」
「三浦?LINE交換してんの。」
「え?遅くね?俺2年の頃から交換してたけど」
「まじで?」
「そうですよ。たまに二人でカラオケ行ったり」
「そんな中よかったのお前ら!?」
「うん。いつも夏山のバカな話してるよ」
「なんだお前??そのバカな話って?」
「まぁまぁまぁ知らなくていいじゃん。ね?」
「あとで中野塾で指導しながら尋問だな」
「いやだ〜!!」
「そういや、三浦は志望校どこなん?」
「春日山高校」
春日山高校、偏差値61の上越市立の高校である
「……本当に申し訳ないのだが」
「何?」
「三浦、そんな頭良かったんだ。」
「はぁ!俺も偏差値60超えてるぞ」
「普通に40くらいだと思ってた」
「舐めてるよね俺のこと。ってか舐めてる(断定)」
「だっていっつもアホみたいなことしてるじゃん!」
「行動がアホなことと頭が悪いことは別ですー!」
「行動がアホなことは認めるんだ」
「うん。」
「認めるのかよ」
「で、これで三人ともLINE交換しあったのか」
「そうですね」
「そうだな」
「じゃあ、会おうと思ったらまた会えるのか。」
「そりゃそうだろ、何言ってんだアキラ」
「お前がツッコむのは違う」
「なんだそれ!!」
卒業したらそれぞれ進む道は違う。
だけど、それが永遠の別れを意味するわけじゃない。
「また、ここで会えたらいいな」
「明日も会えるだろ」
「少なくとも卒業までは会えますよ」
「そうだわ、まだ卒業式じゃなかったわ」




