生徒会役員選挙
「やっと生徒会も慣れてきたな〜。」
「もう後数日ですけど」
「そうだっけ!?」
「11月16日に役員選挙、翌日には交代ですよ。」
「そっかー。村上さんは何に立候補したの?やっぱ会長?村上さんシゴデキだし」
「そんなに言われると……照れますけど。副会長ですよ?」
「そうなの」
「会長っていうのはみんなを動かせる、人望が厚くてリーダーシップがある人がやるべきですよ。それに、会長に立候補すると生徒会経験者同士が被って最悪全員落ちて未経験のみの生徒会が成立しますよ。」
「それはきっつそれ。って前も言ったな。」
「そうですよ。だから改正して、今回から1年の枠が三人に増やしたんでしょう?」
「そうだわ。じゃあ来年からは生徒会役員経験者同士のバトルが見れるかも?」
「そうですね。まあ、経験者が三人いたとしても私は副会長のつもりでしたけど。」
「え〜絶対似合ってるって会長」
「……ありがとうございます。」
「じゃあ、選挙頑張れよ。応援してる」
「じゃあ、やってくれません?応援責任者」
「へ?(思考停止)」
スッと村上が差し出してくる
「応援責任者。ここのところにサインしてください。応援してくれるんですよね?」
「スゥゥゥゥ(解読)まじで言ってる?」
「はい。先輩以外には頼めません。」
「………仕方ねえな。何するの?」
「朝の挨拶と立会演説会で推薦してもらいます」
「わかった。副会長直々に応援するんだから当選してくれよ〜?」
「わかってますよ。」
筆箱からポールペンを取り、応援責任者の欄に名前を書く。
「先輩って、頼んだら何でも受けてくれますよね。」
「だってせっかく俺を選んでくれてるんだから。
断るわけにはいかないよ。」
「……そうですか//」
なぜか村上の顔が横を向いている。
「そっちになんかあるのか?」
「いや……何もないです」
「ってことで村上の応援責任者になった」
「何で自分から仕事増やしにいくの……」
「中野だって村上の応援者じゃん?」
「責任者は応援者より仕事多いの!!わかる?」
「いや、そうだけど。断れないじゃん……」
「……フフッ。昔からあんたそうだよね。」
「そうだっけ?」
そうして、会長と副会長をどっちも応援につけた村上は三人の中から圧倒的な得票を得て当選した。クラスのやつらに聞きに回ったが9割が村上に投票していた。
「ってことでお礼の焼肉です。って言っても食べ放題ですが。」
「「すげぇ……」」
「え?自分で払う気?」
「そうですが?」
「いやいや、申し訳ない。自分の分は払うよ」
「いやいや、自分から言いましたし、自分から連れてきたんですから。」
「いやでも、後輩に払ってもらうのは」
「いや後輩だからってそれは違うと思いますよ」
「村上さん?」
「何ですか?中野さん」
「これは、生徒会役員選挙の当選祝いだね?」
「そうですね」
「それを村上さんが全て払ったら、私たちが村上さんに買収されてたって推測されるよ?」
「いや、でもそんなの誰も見てないんじゃ……」
「そうともいえないよ。この店に誰かの兄や姉がいるかもしれないし、誰かが来てるかもしれない」
「………まぁ、そうかもしれないですね。」
「そこで、村上さんが奢ってるとこが目撃されたら何も言い逃れができない。」
「………まぁ、そうですね。」
「ってことだから、私たちも自分の分払うよ。」
「……わかりました。」
「っていうか、村上さん?」
「……はい?」
「わかってるとは思うけど、俺たちは村上さんに何か利益を望んで応援したわけじゃない。本当に、村上さんがいいと思ったから応援者・応援責任者になった。だから、そんなことしなくていい。自分から納得してしてるわけだから。」
「……っ…夏山さんって、ほんと優しいですね。」
「えっ?どうした?」
「何でそんなこと言って『どうした?』ですか。」
そして、最初の肉が届く。
「ほれ!今日はいっぱい食べるぞ〜!!」
「はいはい。村上さんも、付き合ってあげて」
「付き合う!?!?…あ、そういうことですね」
「何だと思った!」
「いや、何でもないです」
その夜はたらふく食って結局動けなくなった。




