↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
42/66

あの空の向こうへ

10月中旬、コンクールのホールのあたりは、ようやく秋らしくなり、秋風が肌を心地よく撫でていた。

「合唱コンクール!ぜってぇ金賞取ってやる!!」

「体育祭で一位取れなかったからって興奮するな」

「お前は金賞取れなくてもいいのかよ。」

「金賞ってのは取りたい奴が取るんじゃない。クラスで団結して、親とかに一番心に響く声を届けた奴が勝つんだよ。」

「つまりなんだよ?」

「練習するぞ」「……わかった。」

そうして、本番前最後。そして、中学校生活最後の練習が始まった。

「飽きるほど聴いたこの曲もこれで最後かー。」

「三浦さん?誰が飽きたって?」

「鷹宮!違う違う!!そうじゃなくて、飽きたわけじゃなくて、そうなってもおかしくないくらいたくさん聴いたよねって」

「こんなに聴いたら飽きると?」

「いやそうじゃなくて、たくさん聴いたよねって言うのをわかりやすく……待って!髪引っ張んないで!」

「ほらほら、二人とも喧嘩しない。」

そう言って鷹宮の矛をおさめる

「じゃあ、円陣しようか。三浦。お願い。」

そういうと全員がいつもの隊形に並んだ。

「みんなで!最高の歌届けるぞー!」

『おー!』


そして、合唱コンクールが始まる。

「美咲?最後だけど、大丈夫か?緊張してない?」

「大丈夫。だって今までついてきてくれて、一緒に話し合ってきた四十人だから。」

「そうか。」

2組の周りの奴らの様子を見回してみる

3年2組は15番目。3年生の中でそして、このコンクールの中で最後である。

それなのに、クラスの誰も浮かべる顔は緊張ではなく、自信に満ちていた。

「最後は、3年2組の『あの空の向こうへ』です。」

指揮の手が振り上がる。

大空は羽ばたくような期待感のあるイントロ。

そして、最初のブレス。

「スッ」

完璧に揃った。声が聞こえるほど。

あれだけ苦戦していた入りも、4パート全て揃っていた。

サビ。男声パートが元気よく。そして、女性パートが綺麗に歌い上げる。

よく三浦がでかい声で音を外して、全員つられて外していたところも。鷹宮が一生懸命教えたところも、全部綺麗に歌い上げる

俺は

(歌ってて気持ちいい。)

そう思った。

そうして合唱が終わる。1・2年のどのクラスより、3年のどのクラスさえも超えるほどの大きい拍手が巻き起こった。その拍手がホールを包む。

退場する時。指揮者の顔は今まで見たどんな時よりも安らかだった。

結果発表までの間。2組は誰かが示し合わせたでもなく、中野を中心に集まっていた。

「みんな。すごく良かった!!まじで!!お客さん感動して涙流してる人いた。ちゃんと2組の歌が届いてるんだよ!すごい!だから、どんな結果だったとしても他クラスがびっくりするほど喜ぼう。盛大に!喜ぼう。」

『はい!!』

「じゃあもうそろそろ結果発表だから席戻ろう」

『はい!!』

もう、この『はい!』の時点で1・2年がびっくりするほどのでかい返事だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。