↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
38/66

変わった君と変わらない君

米3合はぶちこんでやると意気込んだはいいものの、なにを買えばいいか全くわからん。

「バランスの良い食事献立?ってやつから鍋に合うやつ適当に買うか。

そう思って買ったら4000円くらいした。食費(特にお肉)高いわ。そう感じた。

中野の家に着く。相変わらず中野はぐっすりである。そりゃそうである。丸3日も勉強してたのだから。

「まったく、2年の5月に息抜きも大事とかほざいてたの誰だか。」

そう言いながら、なぜここまで勉強したのか、その原因を探ってみる。

そうすると勉強部屋に、

「目指せ偏差値75!アキラに顔向けできるように。」

と書かれてあり、下に69.8>75と書かれてあった。

69.8、確かに、俺のより低いが……

[ごめんね、アキラ。私不甲斐なくて。ちゃんと勉強するから]………!!

俺に越されたから…こんなに?

机に置かれた大量の参考書とノートをみる。尋常じゃない量の書き込みがある。

「………バカじゃねぇの………ほんとに。」

母集団のレベルが高い新台模試の結果を見る。

夏山 49.8 中野65.8

「この程度のテストで抜かれたからってなにしてんだよ。お前から教わることまだいっぱいあるのに。」

とりあえず中野が起きるのは10時間以上後だと踏み。その辺の床で雑魚寝することにした。


8時間寝て、起きた頃には深夜2時だった。

起きるのがいつかわからないのでいつ起きても取り押さえられるように中野の横にいる。

いつもは中野の顔を覗くと幸せだった。だけど、今は中野の顔を覗くと悲しくなる。

「美咲。そんな死にそうな顔するなよ。」

それから2時間後

「おはよう。ってなんでアキラが家に?不法侵入!」

「あんたから開けたの忘れたのか。まあ、そっか。」

「今から勉強するからそこどいて。」

「だめ。お前は勉強禁止!」

「なんで!」「鏡を見ろ。」「は?」

中野が洗面台の鏡の前に立つ。

「え?なんでこんなpaleになってるの?」

「勉強のしすぎで英語が混じってるぞ。」

「いや、これは……」

「食事の準備するから、お前は寝てろ。」

「……はい。」

「参考書開いてたらしばくからな。」

「………………」

食事の準備をする。素人ではあったが、鍋は汁入れて食材をぶち込むだけだから簡単にできた。

炊飯も炊飯器があったから研いで入れたらできた。

ヨーグルトとフルーツも用意する。

「できたぞー!」

そう扉を開けたら中野はベッドの上で単語帳を開いていた。

「まじでしばくぞ。ほんとに、勉強から離れろ。」

「でも、それじゃ」

「息抜きも大事とかほざいてたの誰だっけ?」

「………………」

「飯。初めてにしてはそれっぽいのできたはずだから食べろ」

「ありがとう。」

「………おいしい。」「ちゃんと全部食べろよ。」

「ねぇねぇ。」「なんだ」

「飯食べ終わったらいい?」

「なんでいいと思ったんだよ。」

「じゃあどうするの。もう私眠くもないし、腹もいっぱいになるよ。」

「水族館いく」「え?」

「だから、水族館に行くって言ってんだろ!」

「…………………はい。」

「分かればよろしい」

1年ぶりにこの水族館に来た。1年前の5月に、中野に引っ張り出された、水族館に。

「あ、ニシンじゃんニシン科ニシン目で」

そう中野が言った瞬間、口を塞いだ。

「末期じゃねえかよ。水族館で何科とか言わねえよ普通。」

「テッポウウオの射撃コーナーじゃん!」

「去年も行ったな。そっくりな、初心な反応してた。」

「そう?」

去年の忘れてるの結構やばいと思うけど、ようやく手掛かりが見つけ出せた気がする。

「こっち行くぞ」

「どした?アキラ」

そうして連れてきたのは、電気ウナギの発電コーナーだった。

「電気ウナギってそんな発電するんだ!!800Vだって!!」

「すごいな。」

「うわっ802Vだって」

その数字は奇しくも、一年前に連れてこられた時に見た値と同じだった。

水族館の最後。ペンギン広場に出てみる

「ペンギンと写真とろ〜」

去年と全く同じ反応だった。

「俺が撮るよ。」

「いやーだったら二人と一匹で撮らない?」

「……そうだな。」

やっぱり。旅行に行く時の中野はテンションが上がり、浮かれる。それは変わらなかったようだ。

ペンギン広場で、中野の顔をまっすぐ見つめる。

「何?アキラ。」

そして、去年、中野に言われた言葉を言い返す。

「勉強と切り離して遊べた?美咲さん?

「…………そういえば、行ったね。去年」

「そう。あんたが連れ出してきた。ここまで。」

中野も思い出したようだ。

「名残惜しいけど、帰るよ。」

「今度は寝ないから!!」「はいはい。」

「馬鹿にしてる!!」「してない」


アキラの言うままについてきただけだったけど。


今はただ純粋に、この時間が楽しい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。