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一歩ずつ
「まず英語、have toってわかる?」
「わからん」
「しなければならない。じゃあmustは」
「わからん」
「しなければならない」
「なんだそれ!同じじゃないか!」
「じゃあdon't have toは」
「するな?」
「しなくてもいい」
「否定文になってなくね?」
「must notは?」
「しなくてもいい?」
「するな」
「なんだそれ」
やっぱり英語は難しい
…でも
「ほら、これ例文。訳してみて」
中野はそれを感じさせないほどすらすらと書く
もちろんリーディングもリスニングも完璧である
「中野はなんでそんな英語ができんの?」
「うーん?才能があったのかな?」
やっぱり英語って才能も必要なんだな
「なーんて。私も昔は英語できなくて悩んでたんだよ。今も英語得意だとは思ってないんだけど」
「嘘つけ!いまペラペラじゃねえか」
「花火大会でも、水族館でも単語帳持ってきてたでしょ」
「……たしかに」
「そう言う隙間時間でやってるから伸びたと思ってる」
「……そうか」
勉強しっかりしてる。そう思ってたけど
「そりゃ追いつけないわ」
「なんか言った?」
「なんも言ってないぞ。それより次行かないのか?」
「はいはい。説明するよー」
遠くて高いあのタワーも
…でも一歩ずつなら




