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始まりの放課後
次の日の放課後、中野に自習室に呼び出された
「17も偏差値を上げるとなると質も量もないといけないよ」
「だから私が鍛え上げてあげる」
途端に中野の表情が引き締まる。
咄嗟に中野から目を逸らす
日光に照らされるタワーが目に入る
「それでほんとに合格できるの?」
苦笑いになる
分かってはいる。そんな簡単じゃないことくらい
「まずはその意識を変えないと偏差値は上がんないよ」
「どう変えればいいんだよ?」
中野が黙る。
「自分で考えなさい」
「結局こっちに投げるかよ」
「どうしたらやる気になるかなんて人それぞれだから」
考えを巡らせる。けど、何も出てこない。
「わからん」
「じゃあまず勉強を習慣化しよう。別に好きでもないけど歯磨きはするでしょ。」
「確かに」
「ってことで勉強しますよ」
「はーい」
1日目は大苦手科目の英語をやった。
「中野先生〜!is going to って何ですか?」
「未来形であることを示すやつ。だいたいwillと同じだと思ってくれればいい。」
「でも微妙にニュアンスが違って…」
「中野先生それは入試に出ますか?」
「でない」
「ならいらなくない」
「あんたが聞いたんでしょ」
「そうでした」
「あと私教員免許持ってないよ」
「…今更?」
そんなこんなで1日が終わった。
今日はタワーがちょっと近くなった気がした。




