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一瞬
いよいよ開始まであと5分となった
「もぐもぐ」
「何食べてんの?」
「フランクフルト」
「花火よりフランクフルトか!」
「だってあと5分あるだろ」
「こう言うのは雰囲気も楽しむものなの!」
「中野にとっては楽しむものでも俺にとってはそうじゃない」
「む〜」
打ち上げ開始でございます!
「始まるよ!」
「はいはい」
「はいは一回でいい!」
ある者はカメラをかざし、ある者は花火が打ち上がるであろう方向を凝視している
パーン
花火が打ち上がった
「今年も始まったね!」
「そうですね」
「反応薄い〜!」
「俺毎年言ってるから」
「自慢ですか〜?」
空に爆ぜる花を見上げる
その花は私の視界に収まりきらないほど大きかった
「打ち上がるのはほんの一瞬だけど」
隣から声がする
「それまでにたくさんの準備があったんだろうね」
「そうだろ」
「私たちも、こんなに準備してるのに、試験はたかが数時間」
……………
「思い切り遊ぶんじゃねえの?」
「だって…そうじゃん」
「でもその数時間で先の数十年が決まるんだろ?」
「…そうだね」
「中野が珍しくネガティブだ〜!」
「ちょっと〜」
一斉に花火が上がる。演目のクライマックスのようだ
花火の写真を撮る
実際に咲いた時間は一瞬
だけど、花火はフォルダの中に残っていた。
消えたはずなのに。




