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星の海、君の背中
ハイキングから戻り、夜は星空観察をするようだ
「住んでるところじゃ星なんて見えないし楽しみ〜!」
中野がるんるんで通路を歩く
山小屋を出ると一面に星空が広がっていた
「あれがデネブ、アルタイルもあった!ベガで夏の大三角制覇!」
「なんでそんなすぐ見つかるんだ…」
中野の知識量の多さにはいつも驚かされる
「中学受験でやってたからね」
「中野って中学受験してたのか」
「あんた知らなかったの!?小6の2月くらいに休んでたじゃん」
「結果は?」
訊いた瞬間に後悔が押し寄せる。
「……失敗したからここなんでしょ」
すごく失礼なことを訊いてしまった
っていうか中野が受験失敗してたなんて知らなかった
「…む〜」
中野が頬を膨らませる
…今はこんな感じで話せてるけど
……落ちたって知った時は相当辛かったんだろうな
「すみませんでした」
「そんな謝らなくてもいいよ。それに高校受験で挽回するし!」
中野は俺が思っていたよりも、ずっと強かった
「そんなこと言ってないで、もっと星空見なきゃ!」
中野が俺の腕を引く
「そんな引っ張るな!転ぶ!」
少し開けた場所に座る
「星空、綺麗だね」
中野の横顔が、いつもと違って見える




