異世界パパ、(と言うよりソル)風呂を完成させる
「……ソル……
これ……
何したの……?」
ソルは胸を張る。
「パパのふろ〜!!
ソル、つくった〜!!」
にこぉぉぉぉぉ……
(……はははは……
この子……
本当に世界を救うわ……)
ここまで来れば、完成まであと少し。
「ソル、もう一回さっきの穴開ける魔法使える?」
「どうしたの~?」
「いや。この窯の底の部分に一個だけ穴を開けて欲しいんだ。こっちのさっき掘った穴の方向に。」
「うん!良いよ~!」
———ちょん。
ポコッ。
穴あいた。
よし、あとは、この竹をこの穴の大きさに‥‥
オレは、竹で風呂の栓を作る。
「‥‥パパ、はじめて自分でやったねぇ~!!」
「‥‥初めてやったね~じゃないっ!ちゃんと現場監督してたでしょうに!」
「よし。これで完成‥‥っと。」
オレは、それを穴にハメる。
「これで大丈夫だ!あとは、水を一回入れて漏れないかを確認しなきゃな。」
水は‥‥
‥‥しまった。完全に水の存在を忘れていた。この世界は、井戸から汲んだ水を各家庭の甕に入れて使っている。
つまり、この風呂を使うのに井戸を何往復もしなければならない‥‥
「‥‥何てこった‥‥風呂入る前に重労働が待ってる‥‥」
「パパ、どうしたの~?」
「‥‥ここには水道が無いから、水を溜めるのが大変な事に今更気付いてしまったんだよ‥‥」
「‥‥ソル、火はぽわーって出せるけど、水はぽわーって出せないよ‥‥」
(‥‥そうだよねぇ。火と水って真逆の性質だから、どっちかだよな。普通に。)
「‥‥でも、ここまで来て諦める訳にはいかないっ!!」
汗だくになっても、風呂に入ってやる!!!!
そう決心した時だった。
それまで、手をパタパタさせてニコニコ笑っていたルナが突然、手をにぎにぎしだす。
———その時。
大きな水の玉が釜の上に出現する。
水の玉はそのまま釜の中へイン。満水となる。
「‥‥は?」
「‥‥ルナちゃん、すごーーーい!!」
ソルが、ルナをなでなでする。
ルナは、にっこぉぉぉ~と満面の笑みを浮かべる。
「‥‥い‥‥今の、ルナが‥‥やった‥‥の!?」
「‥‥そうみたいだねぇ!!パパ、ルナすごいね~!!」
ソルはまるで、当然かのように話す。
(‥‥いや。普通じゃないよね!?まだ乳飲み子だよ。
この世界は、これが普通なのか?
それとも、救世主だからなのか?
オレの常識がバグってるのか?
一体、世界に何が起こるっての?
規格外すぎるよね?この姉妹‥‥)
「ソルも、赤ちゃんの時に火を付けたってパパが言ってたよ。」
(‥‥オレの前の親父は、腰抜かすほど驚いたに違いない。)
「‥‥ほ‥‥ほぉ~ん。すごいね~!ルナちゃんは!!」
そう言いながらルナを高い高いする。
ルナはご満悦で、きゃっきゃと笑う。
(‥‥何にせよ、これで五右衛門風呂が完成だ!!!底板は、オレが速攻で作る!!!!)
それからは早かった。
オレはアッと言う間に底板を完成させ、
薪を持ってきて、
ソルに点火を依頼。
竹でつくった火吹き竹で、火加減を調整する。
ルナは初めて魔法を使ったからなのか、スヤスヤと眠っている。
ソルは、着替えを取りに家の中に戻って行った。
すると‥‥
その時だった。




