ジュブナイル
ボツ作品から。せっかく書いたので。
濡れた髪をホテル備え付けのドライヤーで乾かす。もう少し待って、とベッドルームにいる僕に、ユニットバスのドアから顔を覗かせて言う。僕の彼女、遠藤優子。東坂大学附属高校一年S1組。僕は地元の進学校の三年生。
その日、学校帰りに予備校へ直行し。受験対策の英語の講義が終わると、優子にメールを送り、天王寺の駅前で待ち合わせをした。優子は駅の女子トイレで制服から私服に着替える。僕の高校は服装自由なので、優子の着替えるのを待った。駅のコインロッカーに300円入れて二人分のかばんと優子のブレザとスカートを畳んで入れて、キーを回してガチャンとコインが下に落ちる音がするとこれで準備はオッケーだ。
僕は優子の手を握って天王寺の裏手にあるホテル街を歩いた。いわゆるラブホテルと呼ばれるそれは、赤や青のネオンがピカピカと眩しく二人の瞳を跳ね返すほどの如何わしさだ。しばらく通りを歩いて、どこに入るか、決めようとするが、料金はどこも休憩○○円、と大差なかったので、「アムール」とカタカナで書かれたラブホテルのドアの前に立った。ラブホテルに来たのは、大人の想像するそれではなく、高校生にありがちな興味本位のものだった。でも、思春期の僕にとっては、優子の素の姿を見るのを想像するだけで股のあたりが膨らむほどで、ただ、約束が一つあった。優子が、何もしないこと、を前提にラブホテルに入ってもいい、ということだった。僕にはそんな約束が果たして守れるのか不安だったが、ここまで来たらあとは成り行き任せだ。優子の気持ちだってうつろうに違いない。(了)
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