第87話 転機
「ミコトちゃ~ん!凄い激戦だったわね。私ちょっとハラハラしちゃったわよ。」
「お陰様で何とか・・・またいつも通り報酬をお願いします。」
「ええ、任せて。」
言うが速いかエンシェントドラゴンの巨大な体が目の前に出現した。
急いで生命の玉からスキル・知識の玉まで全てを押し込んで復活させる。
「んん?ここはどこじゃ?儂は確かに死んだはず?」
「ここは私の作った空間よ。キータの神界とでも言えばいいかしら?あなたは私のミコトちゃんに負けて、その体はこちらで貰い受けたの。そうしてミコトちゃんがあなたから奪ったものを全て返した結果復活した。まあ、分かり易く言えばミコトちゃんに助けられたってこと。」
「なんと・・・ミコトとは先ほど儂を倒した少女か・・・かたじけない。何と礼を言ったらよいか・・・しかし、儂は儂の世界を守れんかった訳か・・・・」
「大丈夫よ、あなたの世界は私達の世界にくっついただけで無くなっていないわ。私がこれまで倒してきた相手の世界と一緒。だから安心して。」
「なんとなんと・・・そなたは褒美として我ら敗北して消滅するはずの世界を吸収して救っているというのか・・・何千年と生きてきて、何度となく世界を守ってきたが、敵の世界まで守ること等思いもよらなかった。エンシェントドラゴン等と名乗って恥ずかしい限りじゃ。」
「いいのよ。私、どうも決められた路線を走るのが駄目みたいで、ついつい皆の想定外の行動を取っちゃうみたいなのよね。」
「いや、実に素晴らしい。儂の大事な世界を守ってくれた礼と自らの矮小さを気付かせてくれた礼に生涯の忠誠を誓おう。」
「あ~そういうかたっ苦しいのいいからさ。あの凄い防御の技とか教えてくれり、あなたの世界を案内してくれたりしてくれたらいいよ。うん、お友達ってことで。」
「友達か・・・敵わないな。これまでの他の世界の代表ともそうやって友達に?」
「うん、いっぱい友達になったよ。」
「儂が負けたのも納得だな。儂の名はミューティー、ミコト殿、よろしく頼む。」
「うん、これから宜しくね。」
すると、忽然とミューティーは目の前から消えた。
いつも通り吸収された新しい大地に帰されたのだろう。
「さあ、これで今回のご褒美も完了ね。」
すると、ルーナさんはすっと右手を指し伸ばしてきた。
今までにはなかった行動だ。
握手を求めているのだろうということは分かったけど、初めてのことに一瞬驚いてしまった。
「やだ~私だってミコトちゃんのお友達になりたいなって思ってさ。ミコトちゃんの強さとアイディアのお陰で、もう私は始まりの創造主に迫る位の力を得てきているのよ。本当に感謝してるし、これからも楽しませてもらいたいなってね。」
「光栄です。」
そう言って私は両手で差し出された手を包み込むようにして握り、頭を下げた。
「んもぅ、友達だって言ってるのにかたっ苦しいわね。まあいいわ。さあ、そろそろ送るわね。ミコトちゃんのお陰で元は別々だった世界が交流を始めて戦争おっぱじめたり、仲良くやったり色々で最近地上を見ていても飽きないのよね。広くなったから全部は追っかけきれないしね~。んじゃ、またね。」
そう言って手を振る姿を最後に、私はまた王宮の扉に舞い戻った。
んんん?これってもしかするともしかする?




