第79話 ご褒美
「決まった~。なんとなんと、大方の予想を覆して大穴のミコト選手の勝利です!あの斬撃を止め、相手の心をへし折ってからの完全勝利!いや~実に見応えのある試合でした。ベットの清算は速やかに行われます。リソースを失った方も得た方も、次回のマッチメイクをお楽しみに~♪」
私はコロナから奪った色々な玉を握りながらコロナの亡骸を見下ろしていたが、一瞬光に包まれたと思ったら、また創造主ルーナの目の前にいた。
「ミコトちゃ~ん!素晴らしいわ!感動したわ!お陰でがっぽりとリソースを手に入れたからキータは一気に発展出来るわ。ミコトちゃんにはご褒美としてキータの中でなら何でも望みを叶えてあげられるわよ。何がいい?」
興奮して一気にまくしたてるルーナ。
喜色満面と言った表情に心がざわつく。
たった今一つの世界を滅ぼしてきたというのに、この明るさは何だろう?
色々背負っていたに違いないコロナを殺し、彼のいた世界の存在すらも消滅させてしまったんだろうと思うと心が重くなる。
でも、その時ふと思いついたことを口に出した。
「あの、今戦ったコロナの世界を私達の世界にそのまま移すことはできますか?」
「え?どういうこと?」
ルーナさんがきょとんとした顔をした。
創造主でも驚くことはあるんだなということが意外だった。
「コロナに勝ったってことは、コロナの世界のリソースがルーナさんのものになるってことですよね?ってことは世界そのものをくっつけちゃったらどうでしょうか?」
「そんなことして何の得があるの?」
「だって、ルーナさん達は私達が生み出す生命エネルギーを吸収して力をつけるんですよね?世界が2倍になれば産み出されるエネルギーも2倍になってルーナさんはどんどん強くなれるんじゃないかしら?」
最初に会った時に聞かされていた事情からすると、そう悪くはないアイディアだと思う。
もちろん、私がそんなことを望んでいる訳じゃない。
私はただ、命を賭けて戦ったコロナの守りたかったものをせめて守りたかっただけだ。
コロナから奪った時に体を通った彼の想いや記憶は今手の中で玉になっているけど、その切実な思いは一瞬でも私の身を焼くには十分だった。
「う~ん、なるほどね。そんなことをしたって話は聞いたことないけど、確かにそれは面白そうだわ。」
ニヤリと笑ったルーナさんの顔は私の背筋を震わせるほど恐ろしかった。
でも、取り敢えず希望が叶ったから良しとしよう。
後のことは後のことだ。
「じゃあ、後はこっちでやっとくからもう戻って良いわよ。また次の試合も頑張ってね。何時になるかは分からないけどね。」
次の瞬間、私は王宮の扉の前に戻っていた。
長く間を空けてしまって済みません。
コロナ以外にもプライベートがゴタゴタして参っていますが、何とか気力を貯めて続けていこうと思います。




