第46話 帰還とドラゴンのスキル
ちょっと更新が遅くなってきて申し訳ございません。
少しずつでもちゃんと頑張りますので、最後までお読み頂ければ幸いです。
お互いに『死んだふり作戦』を展開した私とクリムゾンの一騎打ちは私の勝利で幕を閉じた。
と言っても勝敗を分けたのは私の生殺与奪のスキルによる圧倒的な回復力だったけどね。
勝利した私はしきたりに則ってクリムゾンを食べなくてはいけないのだが、一体何tあるのか分からないほどの肉を一体どうやって食べきれば良いのか?
取り敢えず僅かばかり(と言っても2kgはあった)切り出した肉を塩焼きにして食べたら物凄い美味しかった。
身体能力が強化されて沢山食べる方の私だけど、流石に満腹になった。
ゆっくりと食べさせてもらうと約束して収納し、パフに別れを告げた。
そろそろ岸壁の外で待つ仲間たちのもとに帰らないといけない。
チルチルとブルブルとも合流して一緒に帰ることにしたけど、岸壁の上から帰る手段はゆっくり降りるか瞬間移動を活用するかのどちらかだ。
流石のブルブルでもほぼ直角の岩壁を足で降りるのは無理だからね。
クリムゾンとの戦闘で思わぬ時間を食ってしまったので早く帰らないといけないのでブルブルには悪いが一緒に飛び降りてもらった。
落下寸前で何度か転移を使って勢いを殺して無事に着地、皆との合流を果たした。
ブルブルがどのような状態で帰還を果たしたかについてはブルブルの名誉のため伏せておく。
仲間たちにドラゴンを20頭ほど確認したということを伝えたら偵察任務は終了だ。
しかし、王子が来たとしてもこの岸壁を登ることに加えてクリムゾンよりも更に強いというパフとの戦い・・・果たして生き残れるのだろうか?
どうにも無謀に思えてならないけど、私には関係ないので早く帰りた。
ゴドリエル隊長に全てを報告し、全員揃って帰路についた。
幸い特にトラブルもなく船にたどり着き、風が良かったのか予定よりも早くポートガスの町に帰り着くことが出来た。
紹介所に行き、詳しい報告はゴドリエル隊長に任せて、私は査定に出していたエランの町の商品の買取を終える。
金貨50枚で仕入れた商品を買い取ってもらったところ、金貨100枚になった。
単純に倍、しかも持って来て運ぶだけというこの気楽さ。
大量に収納出来てコストが殆どかかっていないことを考えると凄まじいまでの利益だ。
時空干渉のスキル最高!
だけど、私にはお金よりも大事なことがある。
王子の護衛兼治療の依頼が始まる前にレッドドラゴンのクリムゾンから奪い取ったスキルの習得をすることだ。
もちろん、クリムゾンの肉を食べ終えるというミッションもあるが、それはきっと年単位で時間がかかるので地道に進めていく。
文字通り私の血肉にするのだが、それ以上にクリムゾンにはスキルを頂いて私の一部になってもらおう。
これまでは本当に悪い奴というか罪悪感の湧かない相手から奪ってばっかりだったから、今回のクリムゾンについては少し気が引ける。
でも、向こうから仕掛けてきた勝負だし、私だって生命の玉がなかったら死んでたからお互いさまかな。
さて、頂いたスキルは次の5つ。『鑑定』、『飛行』、『ブレス』、『念話』、『吸精』。
『鑑定』は私が嘘をついていたかどうかを見破るのに使われたと思う。
クリムゾンもこれを使ってれば私が死んだふりしているの気付いたはずなのにね。
何かと役に立ちそうなので吸収しておく。
『飛行』は文字通り空を飛べるようになるのだろう。
ただ、私には翼がないからうまくいくか不安だ。
ブレスはあの高熱を吐き出すスキルだろう。
『念話』は既に持っているので要らないけど、『吸精』ってなんだろう?
取り敢えず分かりやすい『鑑定』の玉を吸収してみた。
そして発動。
特に視界が変わった様子はない。
そこで、手に持ったスキルの玉を見てみると。
『飛行』・・・風の力を操って空を自由に飛べる
『ブレス』・・・炎と風の力を集めて前方に高熱を発する。大量のエネルギーを使用するので『吸精』と併用がお勧め
『吸精』・・・大気と大地のエネルギーを全身で吸収して自分のものにする。常時発動すると食事が不要になる。
なるほど、今までは何となくで吸収してきたけど、これなら見るだけでどんなスキルなのかも分かるから安心して吸収できるのは嬉しいわね。
嘘も見破れるはずだし、役に立つ場面は多いはずだ。
でも、クリムゾンが私の死んだふりを見破れなかったってことは勝手に教えてはくれないみたいだから注意しなくちゃね。
ブレスと吸精はセットだし、強力な攻撃力になりそうだから問題ないとして、一番楽しみなの何といっても飛行だ。
瞬間移動で空中を移動するだけでも楽しかったけど、あれはあくまでも『飛ぶ』というより『上がって落ちる』という感覚なので全然違うと思うんだよね。
早速吸収して発動してみる。
ふわりと体が浮く。
感覚としては全身をエネルギーの玉が覆っていて、その玉からエネルギーが下に向かって放出されているという感じだろうか。
その放出の向きと強弱を調整してあげると自由自在に空を飛ぶことが出来た。
風に乗ったりする訳ではないので動きの自由度は鳥よりも高いだろう。
ちょっとエネルギーの消費が激しいのでお腹が空くのが難点だが、それも吸精と組み合わせれば何の問題もない。
でも、食事が要らなくなるなんて人生の楽しみが大きく減るので絶対にこのスキルに頼って食事抜きとかは勘弁だ。
チルチルとブルブルが見学しているところに戻ると、何となく2人の様子がおかしかった。
『どうだった?凄いでしょう?』
『ええ、確かに凄いですけど、私たち鳥以上に見事に飛ばれては鳥の立つ瀬がないというか・・・』
『私なんてもうミコト様をお乗せする必要がないというか、むしろ足手まといというか・・・』
あ~ちょっとこの短期間で色々スキル習得し過ぎてしまったからなぁ。
正直、もう自分が人間じゃないって言われても反論できない・・・
『そ、そんなことないわよ。ブルブルだって私が抱えれば一緒に飛べるし、普段はそんなに飛んだりしないと思うからブルブルには乗せてもらえると嬉しいし、何より私に初めてできたお友達じゃない。』
『そう言って下さってるのは嬉しいんですけど、私のブルブルも命を救って頂いた身、お友達なんておこがましくて言えません。』
『ん~困ったわね。あんまり落ち込まれても私が落ち着かなくなるから困るのよね。もっと気楽に楽しくいきたいんだけど・・・』
『ミコト様を困らせる訳にはいきませんから、楽しんで頂けるようにしますが、厚かましいのを承知で言えばミコト様のお役に立てるように他にもスキルを覚えさせて頂いたり一層強化させて頂けると嬉しいです。』
『うん、それはお安い御用だよ。ちょうど強大なレッドドラゴンの生命の玉が手に入ったから、残ってた生命の玉は半分くらい強化に使ってもいいかなって思っていたんだよね。』
それで早速チルチルとブルブルに生命の玉の強化を施して、チルチルとは私の飛行の練習を兼ねて空中追いかけっこ(瞬間移動は禁止)を、ブルブルとは地上での追いかけっこをして遊んだ。
お陰で凄い楽しかったし、いい訓練になったと思う。
さあ、次はいよいよ依頼の本番だ。




