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ある日、何か降って来て  作者: 黒ザクロ
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初遭遇

唐突に地面の感覚が無くなった。


「うわぁぁぁぁぁぁ」


いきなり空中に放り出されたトムは情けなく悲鳴をあげた。


「ぁぁぁぁぁ。ってクゥがいるじゃんか。クゥ頼む」

「はい」


声をかけると直ぐに巨鳥形態になって背中に乗せてくれた。


「クゥ、それじゃあ魔王城に戻るぞ」

「はい、では小さくなったほうがいいですか」

「いや、一旦門の前を経由するからそれからで良い。じゃあ跳ぶぞ」

「はい、主殿」

「んじゃ、転移」


目の前の景色が一瞬にして変わった。そういえば目を開けたまま長距離の転移をするのは初めてような気がする。別に転移と言う必要は無いが、いきなり目の前の景色が変化したら結構怖かった。これからは気を付けよう。


「さて、宇宙を作るかもう一人を助けに行くか」

「とりあえずですがそのもう一人の方が何処にいるか調べてみてはどうですか。確か眼の中に位置情報を詰め込んだとか言ってましたし」

「そうだな、今は……。地図がないと分からん。ノアさんに見せてもらおう。じゃあ跳ぶぞ」


直ぐに景色が変わりノアさんの部屋の前に着いた。ノックをし声をかけた。


「ノアさん今大丈夫ですか」

「はい、大丈夫です。入ってきてください」


直ぐに返事が返ってきた。


「トム、どうしたんですか」

「もう一人の転移者が元の世界に帰りたいかどうか確かめに行きたいんだ」

「何故トムが」

「神のお使い」

「ああ、紙を送ってくる人に命じられたか頼まれたんですね」

「俺に巻き込まれたらしいから罪悪感とか感じてるかもしれないとでも思ったんじゃないのかな。個人的な意見としては不注意な神が悪いと思うけど」

「その神かなり過保護なところがあるみたいですね。恐らくもう一人の人のことも心配なのでしょう」

「確かにそんなところはあるな。それでさ、もう一人の位置情報はもらったんだけど地図がないとよく分からなくて」

「この大陸の地図でいいですか」

「ああ、とりあえず大丈夫だと思う」


ノアさんは後ろにある傘立てみたいな箱の中の何本かのうち、長さが1.5mぐらいある円筒状にまとめられた地図を取り出して右奥にある大の字になって寝れそうなほど大きな机に広げた。

ノアさんは地図を指差しながら説明してくれた。


「この右上が魔王城のある荒野や人間からは危険地帯と呼ばれていますね。そして左下のほうにもう一人の方が召喚された国があります」

「たぶん今はここらへんだな」


トムは危険地帯の左下よりいくらか左にずれたところにある危険地帯から3番目にある街を指差した。


「本当にそこですか」

「大体だけどこの危険地帯から二つ目か三つ目位のところだな。俺が着てからまだ7日たってないよな」

「異常な移動速度です。急いで接触を試みたほうがよさそうですね」

「それじゃ今から行ってくる」

「あまり目立たないようにしてくださいよ」

「分かった。頑張ってみる」


いきなり現れたらパニックになるな。

「クゥ行くぞ。小鳥形態で頼む」

「はい、主殿」

「それとできる限り喋るな。行くぞ」


そしてトムは転移した。周りは綺麗な青。下には街が見える。つまり人が多いところに転移するとパニックになるから上空に転移してから眼で大通りに近くて人がいない路地裏を探すことにしたのだった。

直ぐにトムはよさげな場所を探し再度転移した。


「よし無事着いたな」

「はい、主殿」


使い魔にしたときのパスで頭の中でクゥが返事を返してきた。


「そうかこれで喋れば問題ないな」

「そうですね、主殿」

「さてどうしよう」

「どうしましょうか」


暫く二人で悩んでいると、誰かがこっちに向かって腰の剣にてをかけながら走ってきた。


「お前何者だ。さっきこの街の上空から落ちてきただろ」


そいつは黒髪だった。


「あ、見っけ」

「ふざけてるのか」

「嫌、そうじゃないんだけど。えーと。ん?」


良くみると相手の目は魔眼だった。


「俺がここにいるのが分かったのは魔眼の能力か」

「それがどうした」

「めんどくさいからとりあえず……」


トムは急に転移して相手の背後にまわり肩に手を置いてもう一度転移した。

直ぐに転移でもう一人から距離をとる。


「ここは何処だ」

「さっきの街の20キロか30キロぐらい離れたとこ」

「どうしてこんなとこに連れてきた」

「思ったより存在強度が高かったから必殺の一撃でもあるのかと」

「それはどう言う意味だ」

「いや、まだ7日もたってないのに存在強度が500越えてるって言えばそういうことなんだと思ったんだよ」

「何故そんなことを知ってる」

「魔王に聞いたから」

「つまり魔王の手下か」


訂正する間も無く相手はやばそうな魔法を撃ってきた。とっさのことで転移を使わず避けようとしたが避けたところで追尾してきて直撃した。今回は熱線みたいに蒸発するのではなくからだがぼろぼろになって崩れていった。すぐに直ったが。


「クゥ今の防げるか」

「余裕です。あれは崩属性の魔法です。ですが滅属性の最強の魔法である黒焔を自由に扱えるので軽く打ち破れます」

「いや相殺しろ」

「そういえば目的は保護でしたね」

「ああ、気を付けろよ」


もう一度魔法を撃ってきたのでクゥが適当に相殺する。


「とりあえず落ち着け」


一応言ってみたが相手は剣を抜いて切りかかってきた。

転移で適当に避けているが転移後直ぐその場所を察知して切りかかってくる。暫く避けていると相手が切りかかるのを止め何か言ってきた。


「何故剣を抜かない」

「ああ、これは魔物とあれにしか使わないことに決めてるんだよ」


因みに今決めた。あれとはもちろん魔王である。

もう一人のはそれを聞いて剣を収めた。


「いったい何が目的できたんだ」

「保護」

「どういう事だ」

「お前は本来召喚できない魔法陣で召喚されたんだ」

「それで」

「俺は神から直接こっちの世界に送られたんだが、お前の召喚に使われた魔法陣では本来召喚できないんだが、俺が連れ去られたときにあいた穴が閉じる前に通ってお前も召喚されたって事だ」

「巻き込まれただけなのか俺」

「しいて言うならタイミングと巻き込んだのを気付かなかった神が悪い」

「そうか……。保護って言ったってどうするんだ」

「神のところへ連れて行く」

「分かったじゃあ連れてってくれ」

「じゃあじっとしとけよ」


俺はもう一人のの肩に手を置いて転移した。

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