進む道
そういえばここに来て直ぐノアさんに魔王の友達になってくれと言われたのだがそこまで魔王と喋ってないことを思い出した。
だから、時間は少し遅いが一旦行ってみることにした。因みにクゥは部屋でもう寝ている。早寝早起きが信条だとか言っていた。
部屋の前に跳びノックをした。すると一回目のノックで直ぐに返事が来た。
「誰だ」
声は知らなければ魔王とは絶対思わないような穏やかな声だった。
「トムだけど、今大丈夫か」
問題ない、と返事が来て魔王がゆっくりドアのほうへ近付いてきてドアを開けた。
「どうした、今日は荒野へ行って魔法の訓練をしてきて疲れているからもう寝たと思ったのだが」
「ああ、何となく話がしたくなってな」
「そうか、ならお茶でも入れよう。そこに座って待っていてくれ」
返事をし、前に座った位置と同じ位置に座る。
暫くして魔王がお盆でカップとポットを持ってきた。
魔王がカップにお茶を入れると二人は無言で一口お茶を飲んだ。
「何か聞きたいことはあるか」
「特に何か聞きたいことがあって来た訳じゃないんだけど、魔王って独自魔法って持ってるのか」
「あると言えばあるが、これは種族が魔王になってから得たものだから一度も使ってないが大体は予想がつく」
「どんなやつだと思うんだ」
「魔物や魔人の模造人形を大量に召喚する魔法だ。戦闘能力など全てがオリジナルに準拠し、更に人形は影みたいなものでできていて、魔法で一撃で消し飛ばされなければ回復する」
「本当に使ったことないのか」
「無い。これに関してはかなり時間をかけて調査したからな。ただ、この魔法は種族《魔王》としての固有魔法かもしれないから注意しておけ」
「わかった。じゃあ次は、狂化について聞いていいか」
「ああ、問題ない。特にどんなことが聞きたいのだ」
「魔王自身の感覚としては後どれぐらいもちそうなんだ」
「何も無ければ一般的な人間の尺度で言えばお主の一生分ぐらいなら大丈夫だ」
「何かあれば」
「今すぐの可能性もある」
「ならいつでも対応できるように訓練しとかなくちゃな」
「お主は魔眼使いを極めるといいと思うぞ。今は転移と拘束だけしかないようだがそのうち強力な攻撃を使えるようになる。お主は魔眼なら今すぐにでも制御を問題なくこなせるだろうからな」
「それってどういうことだ」
「気づいてないようだから言うが、魔眼持ちは幼少期ほぼ必ずと言っていいほど暴走、暴発する。いくらお主が小さい子供で無いとはいえ条件的には幼少期の魔眼持ちと同じだ」
「何でだ」
「暴走する理由は主に感情の昂りや、魔眼や魔力の操作に慣れてないから起きるのだ。外で練習してきてくれと言われるぐらい魔法の制御ができないのに魔眼では一切の暴走の兆候が無かったどころかとてつもなく安定していた。つまり魔眼の制御に限ってはかなりの才能があると言える」
「つまり魔眼を強化してそれを確実に扱えるようにたなったら良いんだな」
「そういうことだ。さすがに疲れただろ、今日はもう休め」
「分かった、お休み」
魔王からお休みと返事が返ってきたとき俺は自分の部屋に跳んだ。




