やっぱり勇者は…
二人と一匹は何の考えもなく適当に歩いていったが30分か40分ほど歩いた頃トムが眼に複数の何かの動きを感じた。
「右のほうに真っ直ぐ言ったところで何体かの小さな物体が動いてるぞ。どうする」
「んじゃそれを狩りに行こうぜ。小型の魔物数匹なんて見本にもならねぇ」
「しかし、アーロンさんこの荒野には殆ど生命体が存在しないんですから少々物足りなくてもしょうがないのでは」
「んだな、トム跳べるか」
「合点承知」
そう答えながらトムはこの最上位レベルの魔物しか存在しない荒野で小型の魔物が生き残ってることに疑問を感じたが面倒くさかったのでそのまま跳ぼうとしたが、アーロンにどのぐらいの距離のところに跳ぶのか聞くのを忘れていたので聞くことにした。
「なあアーロン、敵からどのぐらいの距離に跳べばいい」
「20mぐらいで頼む」
「じゃあ、今度こそ行くぞ」
そう言って、今度こそその生物の近くに転移した。
転移が完了し、眼を開けるとそこには4人の人間が居た。
バコンという激しい音を鳴らしながらトムはアーロンに頭を叩かれ地面に赤い花を咲かしながらも何もなかったかのように立ち上がり地面に赤い花を咲かせた痕跡を地面の血痕以外に一切残さずその人間のほうへ向いて何事もなかったかのように話しかけた。
「やあ、奇遇だねこんなところでどうしたんだい」
前言撤回、トムは少し焦っているようだ。相手は、僧侶っぽいのと魔法使いっぽいのと全身鎧を着たごついのと前見た勇者みたいなさわやかな青年の4人組だった。
「旅の曲芸師か何かかい。しかしこんなところでうろうろしていると危ないよ」
さわやかな青年はやや天然気味のようだ。そもそもここは一般人が迷い込めるようなところではない。
「__様ここは魔王の死平原の約半分の行程を進んだところです。もしかしたらこいつらは魔王の手下かもしれませんぞ」
全身鎧の人は助言役みたいだ。
「ねえ、君たち、君たちは魔王の手下なのか」
さわやかな青年は完全に天然なようだ。
「そうだぜ、俺は特攻魔将アーロンだ」
「………な、なんだって」
「何で素直に答えたの」
そういうルールだ、と言うとアーロンは一歩前に出た。
「じゃあ、隣に居るのは何者なんだ」
しかし、アーロンはスルーされた。
困った本当に困った。今の俺って改めて考えると魔王城の居候なのか……。よし、あえて尊大に言おう。
「ふっふっふ、我は強力な魔眼使いにして魔王城の居候のトムである。はっはっはっはっは」
「なっなに。って居候かよ」
「ふっ、悪いかよそれどもそこのアーロンに勝てる自信があるぞ」
「当たり前だ。魔眼を使われたらそこで何も抵抗できずにおしまいだ」
「と言うわけで、俺はただの一般人だ」
「何処がただの一般人だ」
さわやかな青年が突っ込んだ。
と、そこで鎧のおっさんが1つ咳払いをして場を整えた。
「こ、これが伝説のスキル《咳払い》。場を整えるのはもちろん、死霊系のモンスターすら払えるという」
「すみませんがもうそろそろどうするか決めませんか勇者様」
「僕たちの方向へ来たってことはもしかして町を攻めにいく途中なのでは」
「ただの散歩だ」
「そっ、そんなの信じられないわ。勇者様、こんな奴らめっちょめっちょにしてやりましょう」
「なら、アーロン頼んだ」
「分かった。そういう約束だったしな」
「勝手に話を進めるな」
トムは魔眼で10mほどクゥと一緒に下がり観戦モードに入った。
向こうではトムがいきなり消えたことに驚いているようだ。ただ、相手も勇者一行、直ぐに戦闘態勢を整え攻撃しようと各々の武器を構えた。
そこでアーロンが全方位半径30mに雷の無差別攻撃を放った。
雷が消えると。勇者一行は全員倒れていた。終わったのでアーロンの元に直ぐに行った。
しかし、全員倒れていると思ったが、勇者はまだ意識があるようだ。
「僕のことはいい。だから仲間のことだけは」
と、自己犠牲発言をしたがそもそも勇者たちを殺してもあんまり意味がないので普通に街まで送っていくつもりだったのだが。
「ふっ、そんな甘いことが通じると思ってるのか」
と言ってアーロンは勇者を殴って気絶させた。
「さあ、トム。こいつら町の近くまで送るか」
「ああ、そうだな」
転移で500mずつ進んでいって町の門の近くに勇者たちを投棄してまほうの修業場に戻った。
「勇者って弱いんだな」
「いや、トム俺たちが異常なのさ」
「主殿気になさらないでください。人間基準で考えるからいけないんですよ」
「俺人間だけどな」
トムは少し落ち込みながらも歩いて魔王城に帰り始めた。




