何じゃこりゃ
ある程度近づいたので転移ではなく歩いていくことにした。
眼の感知範囲にはいったので魔物を調べてみた。ぱっと調べた感覚では鳥っぽかった、でも何か他のものを調べたときと違う感覚がした。
違和感を確かめるために少し早歩きで進みだした。
魔物の50mぐらいに近づいたとき魔物の姿がはっきりと確認できた。魔眼を得ると視力が上がるらしい。大きさは高さ5mぐらいっぽい。
その魔物は予想通り鳥型だった。しかしもう死んでいるようだった。でもそれでもまだ感知したときの違和感が拭えなかったので近くまで行くことにした。
魔物から20m位のところでそいつは動き出した。
「うぇっ」
まさか死体が動き出すとは思わなかったので情けない声を出してしまった。
その鳥が立ち上がるとともに羽を広げ空を飛んだかと思うと急降下してこっちに向かってきた。
一瞬あせったが、剣を抜いて少し横に転移してすれ違いざまに鳥の左の翼を切り取った。
鳥が地面に落ちる音がして地面が揺れた。切った翼は右後に落ちている。
そのとき後から鳥の大きな鳴き声が聞こえた。
少し焦って後を向くと黒い炎に包まれたさっきの鳥がいた。
切り取ったはずの翼も一緒に黒い炎に包まれていた。
翼は少しづつ消えて行ったがその分本体の鳥の切った翼の部分が再生していっていた。
翼が再生しきると鳥はまた飛び上がりこっちに急降下してきた。しかも黒い炎を纏ったままである。
もう一度すれ違いざまにさっきとは反対に転移して右の翼を切ろうとした。しかし空振ったような感じで何も切れなかった。
鳥は今は俺の上を旋回している。ギリギリ眼の感知範囲内だったので鳥の現在位置と移動速度を考えて今度は首を落とせるような位置に転移し剣を振った。
しかしさっきと同じで空振った感覚しかしなかった。剣を振り切って直ぐに、転移し地上に戻った。
今切ったとき少し剣の後ろ側で炎が途切れていたところから鳥の中を見たが中も黒い炎になっていた。
でもその中にハンドボールほどの結晶みたいなものがあった。もしかしたらあれがあの鳥の核かもしれない、いや核としておこう。
早速その鳥の核を狙いに転移し鳥とぶつかりそうな瞬間振った。今回は手ごたえがあった。その後、鳥のことを確認せずに自由落下が始まる前に地上に戻った。
体の前面が少し焦げ臭い。どうやら鳥の炎で燃えたようだ。
自分の確認をした後鳥を急いで探した。
鳥は直ぐに見つかった。真後ろにいたからだ。
しかし今の鳥は黒い炎になった状態なのに左の翼と尻尾がなく胴体の左側も不自然にへこんでいて、核が露出していた。
最初見たときは綺麗な球の形をしていたが一部切りとられている。断面は綺麗だったので剣の切れ味に驚いた。
しかも核は少しずつ再生していた。核が再生すると共に少しずつだが炎も増えていっていた。
核を狙って攻撃しようとしたとき鳥が大きく息を吸いブレス(仮)を撃ってきた。とっさに転移で10mほど右に避けたが左腕の肘から先が消し炭になっていた。
ふと一瞬鳥に目を向けた瞬間にはもう左腕は直っていた。
うわっきもっと思ったがそんな事は置いておいて、転移で鳥の核のところまで跳んで剣を振り切った。5mほど後に転移して核を見てみるとちょっとづつくっついていた。
どうやら剣では倒せないらしい。面倒臭くなったのでトムは核をえぐり取ることにした。
転移で核の前まで行って核に手をかけたが硬くて取れない。直ぐに鳥から離れる。今の腕力で無理なら本来の腕力を使えばいいと思いついた。直ぐにスキルを発動し魔眼を解除し、存在強度を元の値にして鳥の核に飛びついて抉りとった。すると目に見て分かるぐらいの速度で鳥の炎の体が崩れていく。
直ぐに目をスキルを使って真眼に変えた。復活すると怖いので左眼の能力で停止させておく。
あたりを見回すと左のほうに何かが光った。気になったので転移して確認してみる。そこには窪みがあって中にはさっき空中で切った核があった。
一応回収して今日はもう城に帰ることにした。
眼の能力がちゃんと使えるかどうかノアさんの部屋の前に転移することにした。
眼を瞑って想像した。眼を開けるとノアさんの部屋の前だった。
扉をノックする。どうぞと声がしたので部屋に入る。
ノアさんは机に座って何かを書いていたようだ。
「ノアさん、ちょっと城の周りで狩してきたら変なのがいたんだけど」
「どんなのでしたか」
「死んだ鳥で、翼切ったら黒い炎を纏って攻撃してきた」
「それは恐らく不死不死鳥と呼ばれるとても特殊な魔物です。またデスフェニックスとかも呼ばれますね」
「やばい奴なのか」
「そうですね、早くシャルロッテを呼んで討伐に向かわないといけません。直ぐに報告してもらえてよかったです」
「ええっと」
「そういえばトムさっきから腕に抱えてるものはなんですか」
「デスフェニックスの核」
「……………」
「この剣じゃ切っても意味なさそうだったから手で抉り取ってきた」
「黒い炎は完全に消えましたか」
「ああでもこの核から復活したら怖いから眼の能力で停止させながら持ってきた」
「トムが倒したデスフェニックスは不死鳥と呼ばれる文字通り世界でトムを除いてもっとも不死な鳥のことなんですよ」
「死んでるぽかったけど」
「そうです。不死鳥がどういう要因かは分かりませんが、不死殺し以外の殺し方を使って殺すとデスフェニックスになるんです。しかもあの黒い炎には全てを燃やし尽くすという効果があって非常に危険なんですよ。しかも燃えるのは私や魔王様も同様です耐性がありますが」
「でも遭遇したのが俺でよかった燃やされても直ぐ再生するからな」
「そうですね。不死種には核があるんですが核を使って使い魔を創ることができるんですよ。だからその核を使って使い魔を作ってみませんか」
「面白そうだからやる」
「それのついでに魔法も教えますので修練場に向かいましょうか」
「何かやってたんじゃないのか」
「その核を放置するのが怖すぎるんですよ」
「確かに」
「それでは行きましょう」
二人は部屋を後にした。




