使い魔を創ろう
しばらくして修練場に着いた。道中何人かとすれ違ったが皆友人に軽く声をかけるようにノアさんに挨拶していっていた。
「とりあえず修練場に着きましたが何か質問はありますか」
「使い魔っていったいどんなことができるんだ」
「できた使い魔の種類にもよりますが、全てに共通するのは最低でもこちらの指示を理解して覚えておくぐらいのことはできますよ」
「ノアさんは使い魔を飼ってるのか」
「いいえ、飼っていませんよ。私の使い魔にして最低限役に立つ位の大きさの綺麗な核がないんですよ。人間の所ではそもそも、それを倒せるかすら怪しいですし」
「んじゃあさ、この核いるか」
「それはトムが抉り取ったものですからね、トムが使うべきです」
「どうやったらできるんだ」
「核に魔力を込めてください」
「どうやって込めるんだ」
「そういえば魔法も教えるんでしたね」
「具体的にどうやってやるんだ」
「使い方は一先ず置いといて、先に魔法を使うための魔力の動かし方です。少し眼をつぶっておいてください」
眼をつぶるとノアさんが右手を掴んだかと思うといきなり衝撃が走って軽くよろめいた。
「もう眼を開けていいですよ。これで体の中にある魔力を感知できるようになっていると思いますよ。魔力量は存在強度によって決まりますけど大丈夫そうですね。適当に動かしてみてください」
「分かった」
ノアさんの指示通り体の中の魔力を動かしてみた。感覚的には存在強度の移動よりよほど楽だった。
「できたようですね。次は魔法の説明に入りますが、そこまで長くなりません」
「どう言うことなんだ」
「魔法の使い方は簡単です。イメージする、以上です。人によっては詠唱でイメージを補完したりしますね。魔法が完成したら勝手に魔力が抜けるので気を付けて下さい」
「全部の魔法をイメージだけではできるとは思わないんだけど」
「もちろん詠唱が必須の魔法もありますけど特殊なものがほとんどなのでまた今度の機会にしましょう」
「分かった。じゃあ、早速使ってみる」
前1mぐらいにバスケットボール大の火の玉が現れて直進することを想像した。
すると想像したとおりの火の玉が現れてゆっくりと直進して行った。
「うおっしゃー」
思わず歓声を上げてしまった。ノアさんは初めて魔法を使って盛り上がってる子供を見るような目でこっちを見ていた。確かに初めて魔法を使うがこれはひどいと思う。
しかし実際今まで魔眼を使ってきたから初めての魔法とは言い辛いかも知れないが。
「やはり一発でできましたね。それでは次は核の使い魔化ですけど」
「じゃあやってみるわ」
そう言ってトムは地面にデスフェニックスの核を置くと両手を当てて魔力を注ぎ始めた。
5分、10分と時間が刻々と過ぎていく。
核を良く見ると、淡く光っていてときたま明るくなったり暗くなったりしている。もしかしたらデスフェニックスはまだ完全には討伐できてないのかもしれない。
更に20分が過ぎると、核の発する光は先ほどより弱まっていた。しかしそれでも核のほうは抵抗を諦めていないようだ。
更に15分ほどが過ぎたとき核の光は完全に消えて、核はさっきとは違う強い輝きを発しながら徐々に形を変えていった。
全ての変形が終わった時核は一際強く輝きあたりに閃光を撒き散らした。
その光で修練場にいたものは皆一瞬目を閉じた。




