お風呂で凹む
ランスロットさんについていくと、少し大きめの家に案内された。
中に入ると、マーリンさんが抱きついてきた。
「ライザ~、むさ苦しいのが二人いるけど、楽にしてね~」
「むさ苦しいって……お前、俺たちがいないと生きていけねぇだろ?」
アーサーさんの言葉に、ランスロットさんも頷く。
「私ができないのは、料理と掃除と洗濯と……」
「「何もできねぇ~」」
思わず笑っちゃったら、三人とも笑い出した。
「良かった。ずっと固い顔してるから、心配だったのよ?」
「まぁ、この国のトップ3に囲まれたら、ライザくらいの歳の子は緊張すんだろ?」
「いや、ライザ……ガヴェイン王に喧嘩を売ってたらしいぞ」
その場にいなかったはずなのに、ランスロットさんがそんなことを言う。
「え~と……ギルドで待たされてたときに、いきなり入ってきて威圧してくるから……」
「あ~、あれは親父の悪い癖だな……強そうなヤツに威圧をかけて、喧嘩するって……」
「そうそう、あれにはお父さんも困ってたのよ……」
「母も、いつも仲介に入るのが面倒くさいとか言ってたな……」
「たぶん、明日ライザとやるつもりだな……」
「そうね……今日は私たちにも、ギルドにも、辺境伯様にも気を遣ったみたいね」
「えっ? それって絶対?」
「「「絶対!」」」
絶対なんだ……
明日が面倒くさそうだなぁ~なんて嫌そうな顔をしていると、
「とりあえず、お風呂に入りましょ?」
「お風呂?」
「うん。その間にランスロットとアーサーが晩ご飯を作ってくれるから……一緒に入ろ♪」
えっと……一緒にかぁ~
心がおじさんには、刺激が強すぎる気が……
「ほら、行くわよ♪」
手を引かれ、マーリンさんがズンズン歩き出した。
後ろを見ると、男二人でキッチンに入っていく。
とうとう、脱衣所に……
マーリンさんは、パッパッと服を脱いで下着姿になると、振り向く……
いつもは魔法使い特有の、身体の線が出ないような服なので分からなかったが……
ボンッ、キュッ、ボンッ!
と、音がしそうなくらいの体つき……
リアル不二子ちゃんというより、某有名海賊漫画の考古学者の方かな?
前世と合わせても、こんなに近くで女の人の下着姿とか見たことなかったから……
鼻血が出て、倒れた……
すぐに気が付いたけど……これ以上の刺激は駄目だと……
ウンディーネさんの時は、水で作られた身体だったから現実味がなかったけど……
現実の破壊力には耐えられない……
「だ、大丈夫?」
と、顔を覗き込まれる……
ポヨンと、何かが身体に当たる……
壁まで後ずさる……
追いかけてくる……
目が怖い……
脱がされる。
「あ~れ~ぇ~」
と、時代劇で帯を外される女中さんのような声が出てしまう。
バタバタと足音がして、ランスロットさんの声がドアの外から聞こえた。
「大丈夫か? 何かあったか?」
「ん~、大丈夫。ライザが服を脱がされたのにビックリしたみたい」
もう、顔も真っ赤だし……自分も下着姿だしで、覚悟が決まる。
「だ、大丈夫です!」
「そうか。ゆっくり入ってくれ」
と、気配が遠のいていく。
「ほら、入るわよ♪」
また、パッパッと下着を脱いで放り出す……
マーリンさんの服と下着を拾って畳み、籠に入れる。
自分の服も畳んで角に置き、その上に下着を畳んで置いてから、お風呂場に入る。
湯船がある!
シャワーみたいなのもある!
けど、石鹸が固い!
一生懸命泡立てて、身体と頭を洗う。
隣でマーリンさんも洗ってる。
泡が良い働きをしてくれてるので、なんとか興奮せずに済むなぁ~
……と思ってたら、ティアが入ってきた。
ソファーで寝てたのに、お風呂には入りたかったらしい……
掛け湯をして、ティアを泡泡にして洗う。
隣で美女がシャワーで泡を流し、こっちを向いて仁王立ちする……
め、目の前に初めて見る女性のアレが……
見ないように、顔を反対側へ背ける。
「先に湯船に入ってるね~」
僕も自分とティアの泡を流して、湯船に浸かる。
「ふぃ~♪ 気持ち良い~」
と、思わず声が出ちゃった。
「ルルの湖で水浴びはしてたんでしょ?」
「うん。ウンディーネさんに水を掛けられたりしてた」
「まぁ、お風呂は別よね♪」
「うん♪」
いきなり、マーリンさんの腕が伸びてきて、胸を揉まれる。
ビックリしすぎて、声も出ない!
顔は真っ赤になる。
マーリンさんは、自分のも触って……
「まだ、胸は私の方がおっきいわね♪」
「成長途中なんです! 触らなくても見れば分かりますよね?」
「そうそう、ライザの控えめな胸は、成長の途中ですねぇ~」
ティアが、バカにしたようにニヤケながら言い放つ!
「人の姿になってから言ってくれる?」
とティアに言うと、
「なれますよ? なりましょうか?」
えっ……なれるの?
「何年生きてると思ってるんじゃ?
ヒト形態になると、ライザ様が落ち込むかなと思って、言わなかったのじゃよ」
マーリンさんが、
「見たい!」
「落ち込むって?」
ティアの身体が光る。
なんと言うか……
よくゲームとか辞典とかで見る、女神アルテミスのような姿……
引き締まってるけど、出るところは出ていて……彫刻みたいに綺麗だった……
マーリンさんも、口をあんぐり開けてる……
少しすると、ミニドラに戻る。
「魔力を結構使うのと、今の姿の方がライザ様が面倒を見てくれるので、楽なんじゃ……」
うん、僕が落ち込むって意味が分かったよ……
マーリンさんより大きかった……
ウエストもくびれてたし、お尻もプリンプリンでした……
「必要な時以外は、ミニドラでいてね……」
必死に平静を装いつつ、懇願する。
しばらくしてお風呂から出て、着替えをアイテムボックスから出す。
脱いだ服をそのままアイテムボックスに戻すと……
「そのまま置いといたら、ランスロットが洗ってくれるわよ?」
「いやいやいや……さすがに下着は恥ずかしいですよ~」
「そぉ? なんかギネブ様が、冒険者になるなら全て覚えろって、子供の頃から叩き込まれてたらしいわよ」
「マーリンさんは?」
「私は、ランスロットが覚えるなら良いかなぁ~って……
父もギネブがやってくれてたって言ってたしね♪」
ちょっと、ランスロットさんが可哀想になってきた……
ギネブさんはパーティーで唯一の女性で、そういうことに気が回ったのだろうけど……
着替え終えて、浴室を出た。




