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サディリアル・ドローアウト  作者: ジョーカーX号


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第6話 よっしゃー!同盟かくとくぅーー!


とりあえず話しかけて見るしかない。

そんでもってサイドテールを起こさない様に静かにな。そう結論付けると、俺は歩き出す。


パズル女の机まで近づくと、彼女は俺に気がついたのか、パズルを止めてひょこっと頭を上げた。


彼女は俺と見つめ合ったが、恥ずかしがる様子はない。その長い睫毛と、吸い込まれる様な赤い瞳、熟れた果実のいい匂いがするオレンジ色の髪が俺を強い刺激を与え、少しだけフリーズさせた。


我に返ると、その子は俺の手の持った銀色の鍵を小さく指差して、威勢よく話しかけてきた。


「それ、あたしの鍵じゃない。なんで持ってるの?」


ビンゴー!!

俺は体をビクンと振るわせると、それっぽい言い訳を考える。


「地面で拾ったんだよ。お前のじゃねーかと思って。聞こうとしたんだよ」


よし、やっとこのクソゲーを進められる。


恐らく、こいつは他の子みたいに俺をブッコロにはしない。

なぜそう思ったのか自分でもわからない。


「ふーん」


頭のテッペンからつま先まで値踏みする様にパズル女は一瞥すると、俺から鍵を貰い受ける。


手が触れた瞬間、背中が少しむず痒く感じられた。そのまま俺の手に触れたまま、彼女は興味深そうに俺の顔を見つめて、今度は満足気な意味深な笑みを浮かべる。今は体が動かない。


「ね、あんた、転生者でしょ。あたし、わかるよ。」


なぜだ?!こいつっ、何をした?!!

サイドテールがゆっくりと寝返りを打つ。


パズル女は最後の一ピースをゆっくり掴み、綺麗に填めていく。世紀末の様なビル群が崩れまくって人々が逃げまどうイラストだ。


なんて悪趣味なやつなんだ。

俺の口は発泡スチロールを詰められたみたいに空いたまま、透明な何かを突っ込まれたようで口が利けなくなったみたいだ。


「あたしもだよ。」


机に肘を突きながら頬を支え、彼女は目線を再び上げる。


「あたし東宮虹、あんた本当の名前は?」


虹ちゃんの瞳が面白いおもちゃを見る様な目で俺を見つめる。


途端に口と止まったままだった身体が動き出して、勢いよくズッコケる。


「ごめんごめん、これあたしの能力ね、『金縛り』。10秒しか持たないんだけどね。ww」


滑稽に膝を擦りむいた俺は、この女に強い殺意を抱く。

こいつの憎らしい顔、張り倒してええぇええ!!浮かぶ青スジを我慢して俺は埃を振り払って立ち上がり、片手を差し出す。


「西宮錦だ、西宮て呼んでくれ!、よろしく!」


それがこいつとの腐れ縁の始まりだった。


虹ちゃんは俺の手を振りはらって、続きのパズルを広げる。


どうやら俺の手が汚ないようで普通に無理らしい。


「ちょっと握手は無理だけど、困ってるんでしょ。助けてあげるよ?」


俺は手をひっくめて、もう一度この女を見つめる。俺に構わずパズルを取り出すのに今は忙しいようだ。


「何から聞きたい?生存ルート?うん。いいや。面白くないから。夜まで生き残れたら教えてあげる。」


面白くないから?なんだこいつは。今教えてくれよお!困惑する俺に目もくれず、彼女はマイペースに続ける。


「ここだとまずいから職員室前に来て。午後六時ぴったりね。」


あーなるほど、どうやらあんまり公に話せない話か。そう言うシチュなら良くやり込んでるからわかる。俺はうなづきながら、近くの机に体をぶつける。


「イテテテ」


腰を軽く打った。前回の赤髪に比べればー//…..

「あと、邪魔だからそこ退いて」


やっぱこのアマ信頼できねー!!性格悪っ!!!

純粋な拒絶の意に、俺は心に傷を負いながら自分の席に戻る。特にやるべきこともなく。遠くでグランドの奴らが楽しそうに遊んでいるのを眺める。


グゥウウウウウ。

腹がなった。


そういえばこの世界に来てからまともに飯を食っていないことに気づいた。サンドイッチは例外だ、あれは飯じゃない。


学園なら食堂みたいな所があるのだろう。そう思って。長い廊下を抜けて階段を降りた。


一一一一一一食堂一一一一一一


まるで懐かしい高校時代に戻ったようだ。


ガヤガヤと周りのモブたちがキャキャウフフと騒ぎながら、各々で席を囲っている。


豚骨のいい匂いと、ハヤシライスの香辛料の香ばしい匂いが俺の鼻をさし。あまりにうまそうなせいで自分の唇の先をちょっと舐める。


サンドイッチの件はあったが、周りの全員が普通に飯を食ってるし、俺の腹はこれ以上我慢できず、音を出して俺を促す。


誰も居なくなった購買の受付へ向かい、最後の一つになったホットドッグを指差して、俺は涎が垂れるのを我慢する。


「これください!!」


食堂のおばさんは慌てず、バーコード読み取り機で俺のナンバープレートをスキャンしてから、俺にホットドッグを手渡す。


渡されたホクホクのそれを俺は誰も居ない角に陣取ると、試しに一口噛んでから、数分待ったが何も起きない。


それからはガブガブと、口に送り込んだ。


トマトケチャップと、豚肉の旨みが舌で蕩けて広がる。


「まじでうめえぇ」


感動して、目から汗が出そうになる。

そうだよ。これだよ。やっと食っても死なない物に出会った。ありがとう食堂のババア!


熱いうちに俺はありがたい昼飯をぺろりと平らげた。




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