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サディリアル・ドローアウト  作者: ジョーカーX号


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第17話 安全地帯



おぐっ。


なんか息苦しい。


俺はまるで水中で溺れているような息苦しさを覚える。


呼吸ができない。


やばっ死ぬ。


はっと寝起き上がって目が覚める。


鼻の違和感は、虹が片手で俺の鼻を摘んでいたからだったらしい。


近くに屈んで、エプロン姿の虹は摘んでいた指を放しイタズラがバレたら子供のようにバツが悪そうに笑っていた。


「起きて。ご飯作ったよ。お寝坊助君。」


もう10時らしい。


今日は予定でもあるのかな。虹は。


虹について行き、簡単な卵焼きとベーコンを食べて、朝飯と一緒に能力を抑える薬も飲み込むように言われる。


全て済ますと、俺は虹んちのソファにだらけ様子でゴロンとなる。


「あんた、今日はお留守番してもらうことになりそうだけど。一人で大丈夫だよね。ご飯はスーパーか近くのコンビニとかで買ってね。」


そういうと俺にブラックのクレカを一枚渡す。


虹さん、太っ腹らすぎん?


俺は頭を垂れて、仰々しく虹からのギフトを頂く。


この世界て、ゲーム売ってんのかな。後でどっかで買って帰ろうかな。



「夜には帰るから。遠くには行かないこと。」


虹は俺に念を押す。


「わかった?」


俺は頭を垂れたまま答える。


「勿論であります。虹さま。」


虹から褒め言葉を頂く。


「今日もキッモいね。家で変なことしないでね。」


虹は支度を終えると出ていった。


大きなリュックに登山用のレンジャーみたいな服、あと、前回小メットから奪ったサバイバルナイフも入れていった。


どっか山でも行くんかな。


閉まっていくドアを目で追いかけて俺は慌てて叫ぶ。


「早く帰ってこいよーー!」


どうも虹と一緒にいないと心が落ち着かない。


俺は暇つぶしにテレビをつけてみることにした。


一一一一一一数時間後一一一一一一


番組に飽きた俺は、腹も空いたし外に出ることにした。幸い虹は出かける前に俺にスペアの鍵を渡してくれていた。


前回俺が踏んづけたやつだ。


手で金属の感触を確かめながら俺は赤ジャージのまま外に出た。


昨日、商店街を横切ってる時にビデオゲーム売ってる店があったのを覚えていた俺は、記憶を頼り店に辿り着いていた。


昔ながらの古いけどいい店だ。


このカセットの匂いが堪らなく好きなのだ。


そういえば虹んちにゲーム機置いてあったような気がする。カセット遊べるかな。


まあ俺今金あるし、買っちゃえ買っちゃえ。


俺は中古カセットをカゴに山積みに積んでいった。


ふう。どれから楽しもうかな。何本か、えっちそうなタイトルも忍ばせといた。


帰ってからが実に楽しみだ。ふははは。


心の中で喜んでいると、声を掛けられる。


「えっ、田中君。こんな所に」


行儀がめっちゃいい花柄のワンピースの水色髪の美少女が俺に声をかける。


さっきは集中して選んでいたから気づくのが遅れた。


俺は反射的に目を逸らして、視線があわないようにした。


こいつ、どっかで見たことあるかも知れない。


どこだっけ。


「田中君、怖かったですよね。昨日大丈夫でしたか?沢山の人が亡くなりました。」


彼女は苦しそうな声をしているらしかった。

声が震えていたみたいだった。


俺はノリに合わせて嘯く。


「俺もまじで怖かったし、やばかったわ。虹がいねーと死んでたよ。本当に」


それぽく相槌を打つと人は勝手に納得するらしい。俺が大学で身につけた固有スキルだ。


昼飯何買って帰ろうかな。やっぱ来る途中で見かけた焼き鳥屋のねぎまかな。


ふと右腕に柔らかい感触がする。この弾力のある感じは懐かしいぞ。九里ちゃんのより大きいだと?!


「田中君、一人じゃ心細くて、今日もしよかったら少しお話してもいいですか?」


俺は流石に急にちょっと恐怖を感じた。今日飲んだ薬効いてるよな。目線も合わせてねーし。なんでこいつ。こんな距離近いんだ。


青い髪。優しそうな瞳。


俺の脳内美少女フォルダは検索結果を弾き出す。クラスにいた真面目な顔した美少女か。そういえばこいつもクラスにいた気がする。名前はなんだっけ。


確か、誰かが消し忘れた黒板消してたやつだ。


オッサン先生から副委員長さんて呼ばれていたなこいつ。


俺はチラチラ隙を見て最終確認する


パイパイは……


かなり、うん、大きいな。


ゴクッ。


メロメロ能力抑える薬は飲んでるし、こんな可哀想顔ができるやつが悪い子なわけないよな。


俺は、心の中のパイパイ神の声に従って副委員長と話してみてることにした。


どうやら彼女もゲーム好きで、虹の昔からの友達でもあるらしい。


お財布の中の虹と一緒に撮っている写真を見せられた。


普段のドSな姿から想像できないような天真爛漫で、とびっきり笑顔の中学生ぐらいの赤い瞳の美少女と真面目で不器用に笑う美少女がピースをしてる青臭い写真だった。


虹てそう言う笑顔できんだな。


後で帰ってきたらからってやろう。


俺と同じようにカセット買いに来てて。おすすめのゲームも教えてもらって、虹が中学生の頃にバカやってたのも教えてもらった。


虹はいつ転生してきたんだろう。俺みたいな転生者は特別なのかな。


話はかなり盛り上がって。真面目そうな佇まいからギャップ萌えした。


俺はビデオゲーム屋で買いたいものを買い揃えると副委員長と別れた。


前回のトラウマもあるし、今は虹以外と仲良くするとまずい気がするからな。


俺はヤンデレか確かめるように彼女の様子を見た。


ここで俺と離れなかったらやばい奴だ。


以外にすんなりとさようならを告げられて俺は取り越し苦労だと安心した。


あ、やべ、カギ落としたかも。さっきのビデオショップか。


途中でショップに引き返す俺。店主のオッチャンに案の定落ちてた鍵を渡される。

ついでにさっきの女の子もハンカチ落としたからと一緒に渡された。


ポケットにハンカチを突っ込んだ。


虹の友達なら後で虹に渡して、あいつに渡してもらおう









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