< 48 この世界に就任した神 十七柱目 25 冒険者ギルド誕生までのお話 24 二代目クレイトンの奮闘03 >
雇ったダンジョン探索者たちが着実に腕を上げ、より深くダンジョンに潜る様になった。
ダンジョンから帰って来た彼らから話を聞く。
「今回は18階層まで行きました。」
「16階層辺りからゴーレムが出てくる様になりました。攻撃があまり効かないので【バインド】で動きを鈍らせてやり過ごました。少し心許なかったので、より強力な【バインド】の魔道具があれば有り難い。」
「ゴーレムには打撃系の武器が効きそうなのだが打撃系の武器は重い。運ぶ間だけ【軽量化】出来れば助かるのだが、そんな魔道具はないだろうか?」
彼らから魔道具に関する新たな要望を色々と聞ける様にもなったのだった。
「それと、17階層でかなり多くのケイニル王国の兵士を見かけました。彼らはそこに留まって何かをしているみたいでした。」
「一部の兵士がさらに深い階層に潜っていました。でも、彼らは攻略ではなく何かの調査をしているみたいでした。」
彼らからは、ケイニル王国の兵士についての情報も得られたのだった。
幹部を集めてダンジョン探索者たちから得た情報について話し合う。
要望のあった、【バインド】と【軽量化】の魔道具の改良や増産が決定された。
次にケイニル王国の兵士の件だ。
幹部たちが言う。
「国が冒険者をダンジョンに行かせたかったのは、ケイニル王国の動向を探らせたかったからなのではないでしょうか?」
「国に報告した方が良いでしょう。仮に知っていたとしても、何らかの反応が有るでしょうし。」
「国が何の目的で冒険者をダンジョンに行かせたかったのかを知る事は、国に協力する上で重要です。仮にこの件ではなかったとしても、『この件ではなかった』という情報にも相応の価値が有ります。」
「国に報告して、反応を見るべきでしょう。」
幹部たちの意見はもっともだと思い、二代目クレイトンは自分自身で王宮に報告しに行くことにした。
報告の為に王宮を訪れた二代目クレイトン。
冒険者斡旋所を統括している責任者と再び会う事が出来た。
ダンジョン探索者たちから得た情報を伝えて、反応を見る。
責任者は少し不機嫌そうだった。
「その17階層まで行ける冒険者はどのくらい居る?」
やはり、ケイニル王国の兵士たちの動向を冒険者たちに調べさせたい様だった。
「私の把握している範囲では一人も居りません。そこまで深く潜ろうとする冒険者は居りませんので。」
不機嫌そうな責任者にさらに説明する。
「冒険者と探索者の違いでしょう。冒険者は、なるべく深く潜らずにより多くの物を得ようとします。一方、探索者は、より深く、誰も行ったことのない場所を目指します。その為探索者は、”敢えて魔物と戦わない”という選択をする事も多いのです。」
「探索者が冒険者より深く潜れるのは、そういった行動の違いが有るからだと思います。」
『チッ、冒険者は使えんな。”危険を冒す者”とは名ばかりか。』
「探索者の護衛に冒険者を付けて、鍛えさせてみてはどうか?」
意見と言うよりは要求しているかの様に言われた。
「させてみましたが、上手くいきませんでした。冒険者は魔物を見る度に倒そうとするので。より深く潜ろうとする時には冒険者は邪魔にしかならなかったそうです。別々に行動させた方がより良い成果が出るでしょう。」
『本当に冒険者は使えんな。何か上手い方法を考えなければなるまい。』
「冒険者がより深く行く様にせよ。」
「かしこまりました。」
不機嫌さを隠そうともしない責任者に素直にそう答え、二代目クレイトンは王宮を辞したのだった。
やはり国の目的は、ケイニル王国の兵士たちの動向を冒険者たちを使って知る事のようだ。
成果を得て、国の意向に沿う行動を考える。
「それは、グシククに戻って幹部たちと話し合ってからだな。」
そう決めた二代目クレイトンは、本店に出向き、商会長としての仕事を済ませる。
そして翌日には、再びグシククへ向けて出発したのだった。




