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< 47 この世界に就任した神 十七柱目 24 冒険者ギルド誕生までのお話 23 二代目クレイトンの奮闘02 >


二代目クレイトンがダンジョンに光明こうみょう見出みいだし、ダンジョンの在る街グシククに冒険者向けの施設の建設を始めて一年。

二代目クレイトンは再び、ダンジョンの在る街グシククを訪れた。


既に営業を始めている冒険者向けの宿と酒場は、冒険者たちのウケが良く、繁盛はんじょうしていた。

酒場できょうされる酒と料理に良い物を用意した事がこうそうしていた。

そして、当初の目的であったダンジョンの情報を得る事も、予想以上に成果が出ていた。

実際にこの地に酒場を開店させてから気が付いたのだが、ダンジョンでの出来事を自慢したい者と、ダンジョンの情報を言葉(たく)みに聞き出そうとする者が予想以上に多く、実に多種多様なダンジョンの情報を得られていた。

また、今まで手に入れる事が出来てはいたものの、その情報の信用度に疑問が残っていた『信用の出来るダンジョン探索者』と『信用の出来ないダンジョン探索者』の情報についてその裏付けが取れるなど、実に有益な情報が得られていたのだった。

思いのほか、有益な情報が手に入った事と、酒場の収入が予想以上だった事で、新たな酒場の開店を幹部から直訴じきそされるほどであった。


予想以上の収穫が得られている、この街で始めた新規事業であったが、予想を下回っている物もあった。

それは冒険者が求める魔道具の情報だ。

普通に情報を集めること以外にも、冒険者を雇ってダンジョンにもぐらせ、実地じっちでの経験をもとに、有ると良さそうな魔道具の情報を得ようとしていたのだが、ダンジョンの浅い階層までしか行こうとしない者がほとんどであった為、既に得ている情報以外の新たな情報を得る事が出来なかったのだ。

その為、クレイトン商会がおろしている魔道具の製作は、他の商会が先行して販売し、良く売れている魔道具を調べ、高性能化した物を製作するという手法を取っていた。

しかし、これらの魔道具の売れ行きはかんばしいものではなかった。

浅い階層までしか行かない者たちには高価過ぎたのだ。

クレイトン商会の”強み”の魔道具製造なのだが、現状、ダンジョンの在るこの街で、その”強み”を活かせてはいないのだった。

その現状を打破だはする為に、二代目クレイトンがダンジョンの在る街グシククを訪れたのだった。


二代目クレイトンの考えた策はこうだ。

信用の出来るダンジョン探索者と長期契約を結び、ダンジョンのより深い階層を探索させる。

深い階層を探索させ、探索に必要な情報を集めたり、探索に有効な魔道具の情報を得た後、その情報を売ることで、深い階層へ向かう探索者や冒険者を増やし、高価で高機能な魔道具を売れる状況を作ろうと考えたのだ。

言わば、自分たちの商品が売れる市場しじょうを自分たちで作り出す手法だった。


二代目クレイトン自身が、ダンジョン探索者たちと面接を兼ねて交渉した。

クレイトン商会からは、契約金の他、望む魔道具が望むだけ貸与たいよされる。

そして、持ち帰った素材をすべて買い取る事も約束し、さらに情報料も支払われる。

さらに契約金の一部を前金まえきんで支払う事にした。

そうして、クレイトン商会は、信用の出来るダンジョン探索者たちと長期契約を結ぶことが出来たのだった。


ダンジョン探索者たちが、ダンジョンにもぐる準備に取り掛かる。

クレイトン商会も、彼らの細々とした要望を聞きながら、手厚くバックアップした。

そして数日後。

ダンジョンにもぐる彼らを、二代目クレイトン自身が見送った。

この先の新たな展望が開ける事に期待して。



ダンジョン探索者を送り出し、二代目クレイトンは次の案件に取り掛かった。

ず、報告を受ける。

この調査の為に王都から連れて来た者から。

「この街で魔道具を販売しているグレン商会に、あのブレナンが居るという噂の件ですが…。」

そこで区切り、少し躊躇ためらいがちに報告を続ける。

「確かにブレナンが居ました。あのブレナン商会のブレナンです。」

「そうか!」

「他にグレンとベイカーも居ました。顔を確認しました。間違いありません。」

その報告に二代目クレイトンは喜んだ。


二代目クレイトンは、一人になった部屋で喜んでいた。

この街にブレナンが居た事を。

ブレナンは、父から『クレイトン冒険者斡旋所』を奪った仇敵きゅうてきだ。

彼らの商会はこの街で受け入れられ、繁盛している様だが、それはクレイトン商会も同じだ。

しかし、商会の規模が圧倒的に違う。

やれることはいくらでも有った。

彼らに対する報復を上機嫌で考えてから、幹部たちを集めた。


だが、幹部たちの反応は、二代目クレイトンの想像していた様なものではなかった。

幹部の一人が言う。

「先代様自身は特に気にしていませんでした。それに、彼らは『冒険者斡旋所』を失い、商会も潰れました。『既にむくいは受けている。』と言っていいでしょう。我々が彼らに何かをする必要は有りません。時間を浪費するだけで、我々に何の利益ももたらしません。」

別の幹部が言う。

「別に、彼らが儲けても良いではないですか。」

その言い様に、二代目クレイトンはムッとする。

「彼らの拠点はグラム王国内に在ります。彼らが利益を上げれば上げるほど、国王陛下の不興ふきょうを買うことになるでしょう。」

「彼らが儲けようが儲けまいが、我々が何かをする必要は無いと思います。」

二代目クレイトンはモヤモヤした気持ちのまま、他の幹部たちの発言を聞く。

「我々がすべき事は、冒険者たちに協力する事なのではないのですか? 冒険者たちに協力する事が国王陛下を喜ばせる事になるでしょう。」

「冒険者たちに協力しながら、国が冒険者斡旋所を国有化した理由をさぐりましょう。理由が分かれば、国に恩を売る事に利用できる様になるでしょうし。」

「我々は、この街では後発こうはつなのです。いたずらごとを引き起こすべきではありません。ダンジョンに注力ちゅうりょくしましょう。」


幹部たちにそう言われて、二代目クレイトンは引き下がったのだった。


お知らせ

次回以降、更新が不定期になります。

本編の方に注力したいので。

月曜日に更新しますが、何週間後の月曜日になるのかは分かりません。

よろしくお願いいたします。

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