< 20 この世界に就任した神 十三柱目 05end >
ダンジョンから出て来てしまった魔物たちへの対処が終わった。
応援に来てくれた神、ありがとう。
これ、天界の議会に提出する書類ね。
ちゃんと良い評価にしておいたから。
彼を天界に送って、私は、ほっと一息吐いた。
この世界の住人たちを見守る仕事に戻った。
私が作り出して放った牛は、半数以下に数を減らしていた。
獲物として狩られてしまった様だ。
家畜として扱い易い様に大人しい性格にしたのが悪かったか。
失敗したな。
馬はあまり数を減らしていないな。
牛と何が違うのかな?
馬の様子を観察する。
どうやら、逃げ足が速くて狩られずに済んでいる様だ。
少ない神力をちょっとだけ使って、牛や馬の為に川沿いに草を生やしつつ見守った。
馬の逃げ足に目を付け、乗りこなし、移動の足にする者が現れた。
これをきっかけに、牛と馬を飼育し利用する者が少しずつ増えることとなった。
荷馬車が作り出され、荷馬車を使うことによって人と物の移動が増えた。
他にも、牛と馬を畑を耕すことに使うようになり、畑が増え、作物の生産量が増え、人口も少しずつ増えることとなった。
作物の生産量が増えたことと、荷馬車による物流により、作物のやり取りが多くなり、人と物の移動がさらに活発になった。
これらの活動によって、神力が少し回復した。
回復した神力を使って、川沿いの草地を広げた。
牛と馬がもっと増える様にと思って。
ドラゴンの餌として作り出して放った羊たち。
徐々に数を増やし、放した野原を離れて森に入るものが増えた。
そいつらを餌に、熊が増えることになった。
この星の住人たちのことを心配したが、熊に遅れを取る事はなかった。
むしろ、戦闘技術や魔法を上達させることになった。
『ダンジョン要らなかったんじゃないの?』と、少しだけ思わないでもなかったが、これらによっても、神力が少し回復したので、『まぁいいか。』と思う事にした。
失敗から始まった、この世界の神の仕事だったが、なんとか勤め上げることが出来そうだ。
前任者の要望だった馬を作り出したことで事態が好転した。
勝手に前任者に振り回されてしまった感が有るが、気にしたら負けだ。
最後に20階層のダンジョンを設置した。
ダンジョンマスターが制御できるタイプで、最終的に50階層まで成長させられる、かなり使い勝手の良いヤツだ。
20階層のボスにはアイアンゴーレムを配置した。
倒せば、色々な金属をドロップする。
ドロップした金属は、この星の住人たちの役に立つだろう。
もともと設置を頼まれていた20階層のダンジョンを設置し終えた。
随分と回り道をしてしまった感が有る。
次からは慎重に行動することにしよう。
最後の最後に、廃棄したダンジョンを森で囲んで、ダンジョンの痕跡を隠した。
100階層のダンジョンなんて無かったのだ。
うむ。
私は次の任地に向かうべく、天界に向かった。




