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18.聖獣と聖女と光の竜

◆聖バルゴ学園 生徒会室 リカルド(18歳)視点18


 学園生活もあと三か月程となり、今日はミリア(会計)とヨハン(書記)と三人で引継ぎ用の資料まとめをしている。

 二人は来期も生徒会に残り、おそらくヨハンが生徒会長、ミリアが副会長になるのだろう。俺が居なくなってエステルが生徒会に残り続けるかは未定だ。


「くぅ~ん…」


 カゲローが居ないから寂しいリコスが俺に甘えてくる。2年近く経つのにサイズ感がまったく変わらんな。


「よしよし……ん?」

 真っ白ボールだと思っていたが、汚れ?いや、何か模様っぽくも見えるような…

 わしわし撫でていると、リコスの顎の下に毛色の違うトコロを見つけた。


「ミリア。リコスって真っ白じゃなかったんだな」

「あ~それ?ほら大火傷したでしょ。そのあと毛が生えそろったら、そこだけ色が違ってたの。でも元々なのか火傷のせいなのかは分かんない。でも何だか最近濃くなってきた気もするなぁ」


 毛色が変わってきたって事か?そういえば猫とか、生まれた時は白猫だったのに段々と茶系になった…とかあったな。

 まぁ遺伝なんだろうけど、中にはストレスや食生活が原因てのも…

「リコス。現状に何か不満があるのか?」


「あっ!これ【聖獣印】ですね!すごい初めて見ました!」


 テンション高めのヨハン。首を傾げるリコス。フリーズする俺とミリア……。


「…あれ?という事は……ミリアさん【聖女】なんですか?」

 どうやらとてつもないサイズの爆弾が落とされたようだ。

 


「なるほど~。火傷した子犬らしきものを【光魔法】で半年近く毎日治療した…と」

 確かに、今考えると全治半年は永かったな。


 ヨハンに言わせると、それだけ毎日毎日光魔法浴びせられまくったら、おかしな進化をしても不思議じゃない。

 むしろそのせいで長命種化して、極端に成長が遅くなっているのではないか?との話だった。


 さすが2年生首席、簡潔明瞭わかりみしかない。


「リコス…魔犬じゃなかったんだ。聖獣?になっちゃったの?じゃあ…もしかして…」

 …そう、聖獣の傍にいる者が聖女。つまり…君が…


「新種の生き物って事っ⁉どうしよう~リコスのお嫁さん見つけて、可愛い子ども達をモフモフするのが夢だったのに~~~聖獣犬(雌限定)なんて探せないよ~~~」


「そっち⁉いや違うだろ‼ミリアが!」

「ええ違いますよ。リコスは【おんなのこ】です!探すべきはお婿さんです!」


 そしてまたもヨハンから別の爆弾が落とされる、(が…ちょっと方向性が違っていたりもする)


「「うそっ⁉」」

 リカルドもミリアも(前世含め)犬を飼ったことが無かったのだった。思い込みってコワイ…





[おまけ]~大きくならなかったので~


ミース父「ミース、この犬は雄か雌かどっちなんだい?」(父も飼育経験は皆無)


ミース 「わかんないけど多分オス~。だって食いしん坊だもん!(偏見)」(おやつを取られプンスコ状態)


ミース父「そうなのか?(まぁ大きくなればわかるかな?)」






◆王宮 王の執務室 ステファン(18歳)視点6


 以前にレオンからクロタリアス公爵の不審な動きについて報告を受けて、影を使って色々と調べさせていたのだが、王曰く、

「サーヴラには、はぐらかされてしまったよ。『すべては国の為』だそうだ」


 影の報告では、クロタリアス公爵は私兵を集めているらしく、街の破落戸共を囲い込んでいるらしい。


 公爵曰く『治安を脅かす破落戸共を私兵として積極的に雇用し生活再建させれば、街も平和になり治安維持に繋がりひいては国の為となる』のだそうだ。


 さらに、王立図書館の王族しか入る事の出来ない保管庫に入り浸っているそうで、こちらも曰く『オーフィスが馬鹿な騒ぎを起こしたから再教育しようと思い、私ももう一度この国の為に勉強をしているだけだ』と、のらりくらり…そして、最後に


『そう言えば、今のところどの国も聖女は見つかっていないな。ふふ…何も起こらなければ良いが…なぁ』

 と、含み笑いで王の前から去って行ったそうだ。



「オーフィスはどうしているのですか?」


 あの騒ぎから不気味なくらい音沙汰が無い。宰相が報告書を取り出しめくる…

「謹慎中なのは確かで、おそらく軟禁状態なのでしょう。公爵も彼を野放しにする事に、危機感を持っているのではないのでしょうか」


 …なら安心かな。ディアナに突撃される心配も無いだろう。


 ディアナとはほぼ毎日手紙のやり取りをしている。彼女は勉強家で、内容は主に隣国で習った事やこちらでは体験出来ない事に挑戦している報告などだ。とても楽しそうで、読んでいる私もあちらに行ってみたくなる。


 例えば、隣国には教会が飼育している竜がいて【光竜】と呼ばれる【光属性】の竜らしい。

 聖女や聖獣の出現はいつの世も不確実なものだ。隣国はそれに頼らず【聖】に準ずるモノを作ろうとしているのだとか。作り方は国家機密で、教えて貰えなかったそうで残念がっていた。私も知りたい。


 【光竜】は白い飛竜で、乗り手は第二王子のルシファー殿下。ディアナも一度乗せてもらったらしい。『少し心配だ』と送ったら『わたくしは風魔法使いだから大丈夫』と却ってきた。ふふ…


『私が心配なのは、君がルシファー殿下に惹かれないかという事なのだけどね』

『わたくし無駄に明るい方はタイプでは無いの。少し腹黒い方が好みだわ。誰かさんみたいに』

 との事。ああ、良かった…


 けれどディアナの話では【光竜】は邪なモノに対処できるらしいから、黒いところが消されない様に私は近づかないのが吉かもしれないね。




[おまけ]~光竜(3分)クッキング~


 司祭A 「先ずは飛竜の卵を取り出し、こちらの台の上に設置します」


 司祭B 「そして孵るまで毎日【光魔法】を当て続けたのが、ハイこちら!」


 雛光竜 「ぴいゃ~~~~~~~」

   (製造過程に既視感)




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