第57話 抽選と開幕
比試の朝。空はまだ明けきっていなかった。
林瓶は清らかな青の外門用の勁装をまとっていた。袖口の擦り切れた毛羽を整え、襟元の銀灰の雲紋が朝の光の中でくっきりと浮かぶ。左肩を軽く動かす。数日前よりはずっと良い。だが力を込めると、まだ鈍い痛みが走る。まるで一本の細い糸がそこに繋がっていて、引けばすぐに張り詰めるようだった。
張遠はすでに起きていた。寝台の縁に腰を下ろし、林瓶の身支度を見ながら問う。
「肩、もつか?」
「もつ。」
それ以上、何も言わなかった。林瓶が戸口に向かうと、背後から声が飛ぶ。
「第一戦で倒れるなよ。」
振り返らず、扉を押して外へ出た。
演武場は外門と山門のあいだの平地に設けられていた。着いた時には、すでに場の周囲に多くの人が立っていた。比試に使われる擂台は条石を積んで仮設されたもので、四方を太い縄で囲い、台面はおよそ二丈四方。広くはない。擂台の傍らには三つの幡が立つ。中央に太乙宗の深色地に山峰を描いた幡。左に蒼雲宗の鉄灰の臥狼幡。右に霊台宗の月白の半開蓮幡。朝風は弱く、三つの幡はそれぞれ垂れ、時おり風に煽られて一角がめくれ、紋様がちらりと覗くが、すぐに布に覆われて隠れた。
太乙宗の弟子が最も多く集まっていた。演武場の外周には幾重にも人垣ができ、木の枝や石段の上にまで人が登っている。外門弟子の多くは灰布や藍褐の短褐を着ており、濃淡の異なる古布のような群れを成していた。その中に、内門弟子の深青の法袍がいくつか混じり、腰に骨製の身分牌を下げ、外門弟子より前に立っていた。
蘇晴は人垣の前方に立ち、両腕を胸の前で組み、周囲と口を交わすことはなかった。
林瓶は探しに行かず、場の端に立って擂台を見やった。
三宗の旗が主客を示していた。だが、場内を本当に静めたのは、次々と到着する人々の姿だった。
蒼雲宗の一行が最初に現れた。八人。ほとんどが蒼青の勁装を着ており、襟と袖口には深藍の縁取りが整然と施されている。歩調は乱れず、言葉も交わさず、擂台の左手に一列に並んだ。最後尾から一人が前に出る。白い錦袍をまとい、一列の濃色の中で際立っていた。背後の者たちより半頭ほど高く、肩幅が広く、顎の線は鋭い。腰には普通の短刃ではなく、暗銀の鞘に収められた長剣を吊していた。鞘の先端には淡青の霊石が嵌め込まれ、朝光の中で幽かな光を放っていた。立ち姿は自然で、顎をわずかに上げ、太乙宗の弟子たちの顔を順に見渡す。その目つきは、まるで格下の場所を値踏みするようだった。
林瓶はその男を知っていた。以前、蒼雲宗の長老が宗主を訪ねた際、まさにこの白錦袍を着て、この剣を帯びていた。立ち姿は作為のないもの。重心はやや後ろに、両足はわずかに開き、内から外まで「ここには真剣に向き合う価値はない」と言わんばかりの緩みを帯びていた。
続いて霊台宗の一行が到着した。五人。先頭の者は月白の長衫をまとい、その布地は朝光の下で柔らかな光沢を放っていた。背後の四人は灰青の従者服を着て整然と並んでいたが、蒼雲宗の者ほど視線は集中していない。先頭の若者は腰に墨玉の牌を下げ、歩みは速からず遅からず。擂台の右手に立つと、振り返って背後の者に静かに何事かを告げた。姿勢は落ち着き払っていた。
――義明。林瓶は心の中で名を結びつけた。以前、遠くから見かけた霊台宗の少主。あの時は距離があり、衣の半開蓮の暗繍までは見えなかった。
太乙宗の側は三人だった。
林瓶、青の勁装を着て、三人のうち最も左に立つ。中央には内門の深青の法袍を着た若者――宋思遠。見たことはなかったが、一目でそれと分かった。その法袍は普通の内門弟子のものより上質で、襟元の山峰紋は標準よりも密に刺繍され、袖口はきっちりと締まり、腰には浅色の玉牌――骨牌ではない――を下げていた。前方をまっすぐ見据え、林瓶にも、もう一人の太乙宗弟子にも視線を向けなかった。第三の弟子は灰藍の外門勁装を着た若者で、年は若く、宋思遠の隣に立ちながら、手の置き場に困る木杭のようだった。
三人――左から順に、雑役出身の外門弟子、伝功長老の直弟子、そして数合わせの一人。
数百の視線が三人に注がれた。うつむいて囁く者、笑みを浮かべてすぐに引っ込める者。林瓶はそれらの視線を見ようとせず、頭を垂れ、左手を返して掌を見た。見るべきものは何もない。ただ顔を上げたくなかっただけだ。
抽選の方法は単純だった。内務長老の側の者が木盆を運び出し、その上には十六本の竹籤が置かれていた。それぞれに番号が刻まれている。三宗から一人ずつ前に出て籤を引き、その番号が第一回戦の対戦順を決める。結果はその場で発表された。
陸驚鴻が引き、義明が引き、宋思遠が引いた。
番号が読み上げられると、人垣の中に低いざわめきが走った。
林瓶の第一戦の相手――霊台宗の弟子の一人。序列は後ろの方。強くはないが、弱くもない。
陸驚鴻の相手は太乙宗の第三の者――あの数合わせの弟子だった。
人々は籤の配置について小声で議論していたが、林瓶は耳を傾けなかった。心の中で自分の相手の名を反芻する。霊台宗の者、名は知られていない。だが油断はしなかった。擂台の外側の空地に出て、肩と手首を軽く動かす。肩の鈍痛が告げていた――「お前が全力で戦えるのは一戦分だけだ。無駄にするな」と。
第一回戦は一号、二号、三号の擂台で同時に行われた。林瓶は二号擂台に割り当てられた。擂台に上がり、条石の台面に足を置く。粗い石の感触が薄い靴底を通して伝わってきた。
対手は霊台宗の列から歩み出た。灰青の従者服を着て、腰に玉牌はなく、普通の弟子。年は林瓶と同じくらい。背は高くないが、足取りは確か。擂台に上がると無言で構えを取った。
林瓶は一瞥して判断した。基礎はあるが、天才ではない。
擂鼓が鳴る。
相手が先に動いた。霊台宗の定型の起手――虚歩からの推掌。まずは反応を探る。林瓶は身をひねって避け、受けずにかわした。相手は一歩詰め、再び掌を繰り出す。掌風が肋を狙って切り込む。林瓶は一歩退き、間合いを取った。
二合交えたところで、相手は林瓶が攻めてこないと見て、攻勢を強めた。
三度目の交手では、相手の拳法が開いた。連続する推掌と短拳の組み合わせ。一招ごとの繋ぎが密で、相手に息をつかせぬ。林瓶は回避しながら霊目術で観察した。相手の霊力の流れは滑らかで堅実。明確な弱点はない。驚くほどの才ではないが、鍛錬は確かで、一つ一つの動作が何度も練られている。
林瓶はさらに一掌を避けた。待っていた。切り込める隙を。
霊力の護体はない。ゆえに正面からはぶつかれない。唯一の利は柔術と霊目術。だが柔術は接近してこそ生きる。そのためには、相手がわずかでも隙を見せねばならない。だから待った。かわし、退き、またかわす。
台下の観客が苛立ち始めた。「戦え! 逃げるな!」と叫ぶ声も上がる。
林瓶は気に留めなかった。次の合で、相手の歩がわずかに速くなり、着地の瞬間、重心が半寸ずれた。小さな隙だが、十分だった。
動いた。
迎え撃つのではなく、左前方へ一歩ずらす。そこは相手の重心が崩れた側。相手の掌はすでに放たれており、引く暇はない。林瓶はその腕をかすめるように身を滑らせ、擦れ違う瞬間に肘を曲げて相手の肘裏を挟み込み、同時に一歩踏み込み、自らの重心を相手の前脚に乗せた。
相手の体は引かれ、さらに不安定になる。立て直そうと後ろへ退こうとしたが、林瓶は隙を与えなかった。動きに合わせて体を密着させ、左腕を腋下に通して肩甲骨を押さえ、右脚で後退の道を封じた。相手の体は力を出せぬ角度に封じられた。上体は押さえられ、下半身は退路を断たれ、背を弓なりに折られたような姿勢に固定された。
その瞬間、林瓶は相手の肩関節が異常な位置に押し上げられるのを感じた。すでに可動域を超えており、あと半分力を加えれば脱臼する。相手の表情が変わる。抵抗から確信へ――この男は本当に捻り折るつもりだと悟ったのだ。
相手は一度、二度と力任せに抗った。だが柔術の締めは力では解けぬ。もがけばもがくほど関節への圧が増す。二度の抵抗の後、動きを止めた。均衡を失い、力の角度を失い、勝敗は締め上げた瞬間に決していた。
林瓶は相手を放し、一歩退いた。
台下は一瞬静まり返った。先ほど「戦え」と叫んでいた者たちは、何が起こったのか理解できなかった。彼らの目に映ったのは、霊台宗の弟子が終始攻め続け、追い詰めていたはずが、突然動きを止め、倒れたという光景だけだった。
しばしの沈黙の後、誰かが手を二度叩いた。続いて、ぱらぱらとまばらな拍手が起こった。
林瓶は観客の反応を見なかった。擂台の上で二度息を整えた。左肩は先ほどの一撃で再び痛み出していた。
擂台を降り、人垣の中で次の対戦表を確認した。勝った以上、第二戦を戦わねばならない。相手が誰かは、他の擂台の結果が出るまで分からない。
人垣を抜け、擂台外の壁際に行き、半ば壁にもたれて左肩を緩めた。その時、一号擂台の方から大きなざわめきが起こり、「陸驚鴻が勝ったぞ!」という声が響いた。
予想通りだった。
同時に三号擂台でも結果が出た。宋思遠が鮮やかに勝利を収めた。
さらに群衆の中から「義明も勝った!」という声が上がる。
第一回戦はすべて終了した。十六人のうち半数が脱落。第二回戦の抽選が再び始まっていた。
林瓶は壁にもたれ、擂台の周りで人々が行き交い、語り合い、再び集まっていく様子を見つめた。伝功長老は擂台脇の高台に立ち、朱砂色の法袍をまとい、手を背に組んで隣の者と話していた。話す間、林瓶の方を見ることはなかった。
視線を戻し、左手の指を動かす。指先は冷たく、肩の痛みは鎖骨の下まで広がっていた。左手を握り、開き、次の抽選の結果を待つ。次の相手は、先ほどよりも手強いことを知っていた。そして、使える肩は一つしかない。左肩の鈍痛はすでに深く染み込み、静かに息を吐いた。




