第45話 邂逅
時折こうして訪れる。曹元ももう慣れており、顔を上げることもなく、林瓶が本をカウンターに置いてから、ようやく気怠げに帳簿をめくるのが常だった。
蔵経楼の一階は外よりわずかに暗い。
入口に差しかかったとき、足が自然と遅くなった。
カウンターの前に人影。
唐執事がその人物の斜め後ろ、半歩の位置に控え、手には木の匣を持っている。
立っていたその人――一瞬、誰なのか分からなかった。
月白の暗紋礼服。
玄女峰で見慣れた日常の便服ではなく、外出や要事のための正式な衣。
蔵経楼の薄闇の中で、その布地は淡い柔光を帯びていた。
月光が水面に落ち、風に揺れて一瞬きらめくような光――
絹のように誇張された反射ではなく、ある角度でのみ捉えられる、控えめな光沢。
襟元はきちんと整えられ、白く滑らかな首筋が少しのぞく。
腰には浅碧の絲绦が軽く結ばれ、佩玉も飾りもない。
まるで匣から取り出されたばかりの玉簪のように清らかで、まだ誰の手にも触れられていないようだった。
髪はすべてまとめ上げ、一本の素簪で留められている。
こぼれる髪は一本もない。
いつも玄女峰で会うときは、ゆるくまとめ、耳のあたりに数筋の髪を垂らしていた。
だが今日は違う――正式な場。
一本の髪も逃さず整え、額の線と耳の後ろの小さな肌の部分をすっきりと見せていた。
古びた木棚と黄ばんだ書背が並ぶ薄暗い空間の中で、
雑物の中に誤って置かれた貴重な器のように、静かに立っていた。
周囲の何ものとも異なる存在として。
ここで会うとは思ってもみなかった。
本を返しに来ただけで、薬包も持たず、心の準備もない。
頭の中は「カウンターに本を置き、曹元が記帳し、数冊選んで持ち帰る」といういつもの手順で満たされていた――
その流れは、入口で止まった。
曹元はカウンターの向こうに立っていた。
いつもと違う。
普段は椅子に腰を下ろし、来客があってもまぶたをわずかに上げるだけ。
帳簿を気怠げにめくり、愛想もない。
だが今は立っている。
背筋は完全に伸びてはいないが、決して曲がってもいない。
身分の高い者を前にしたとき、無意識に姿勢を正す――端正と緊張のあいだの立ち方。
唐執事が一枚の書付をカウンターに置き、低い声で言った。
「三階、《灵引诀》。宗主の批文はここに。」
曹元は両手でそれを受け取り、目を落として一瞥し、余計なことは尋ねずうなずいた。
「……承知しました。少々お待ちを。鍵を取ってまいります。」
背後の棚へ向かい、鍵を探し始める。
動作はいつもより速く、足取りも軽い。
入口からその様子を見ていた――そんな曹元は初めてだった。
普段は顔も上げず、帳簿に筆先で二、三の線を引いて終わり。
だが今は唐執事の前で両手を揃え、丁寧な口調で応じ、小走りで鍵を取りに行く。
特別な感情はなかった。
ただ一つの事実を確かめた。
この宗門の人々は、相手によってまったく異なる態度を取る。
知ってはいたが、目の前で見ると、感じ方が違った。
玄霜はカウンターの前で少し顔を傾け、待っていた。
その視線が入口をかすめ、林瓶を見つける。
すぐには言葉を発さず、認め、確かめ、そして声をかけるかどうかを決める――
その一連の過程は、呼吸ひとつ分ほどの短い時間。
軽くうなずいた。
「林瓶。」
声は大きくない。
静かな蔵経楼の中で、ちょうど届くくらいの音量。
礼儀正しく、自然な調子。
知人に声をかけるときの、いつもの口ぶり。
まるで道で知り合いに出会ったときのように。
林瓶も軽くうなずいた。
「玄祈使。」
それだけで、彼女は再び前を向いた。
余計な言葉はなかった。
「どうしてここに」「最近どうだ」「その手の本は何だ」――
そんな問いかけは一つもない。
ただ挨拶を交わし、待ちの姿勢に戻った。
カウンター前の短い静寂は、廊下ですれ違った二人が互いに名を呼び合い、それぞれの道を進むような、自然で、平常で、何の余韻も残さないものだった。
立ち尽くした。
手には返却する三冊の雑書。
入口の左側、カウンターまで数歩。
いつもなら歩み寄って本を置き、曹元の記帳を待つところ。
だが動かなかった。
曹元はまだ戻らず、玄霜はカウンター前に立っている。
今その場所は彼女の空間であり、入るなら隣に立って待たねばならない。
それを望まなかった。
入口に留まった。
曹元が戻ってきた。
手には木の匣。
カウンターに置き、蓋を開け、中から一冊の書を取り出す――
深い藍の表紙、背には「灵引诀」と三文字。
両手で唐執事に差し出し、先ほどより落ち着いた声で言った。
「三階《灵引诀》。貸出期間は一月。期日前に更新を――代理でも構いません。」
唐執事はそれを受け取り、表紙を開いて書名を確かめ、玄霜に手渡す。
玄霜は受け取り、表紙の「灵引诀」の三文字を一瞥し、開かずに収めた。
唐執事が曹元に向き直る。
「記帳は?」
「済んでおります。」曹元は帳簿を持ち上げ、項目を指さした。
「日付、書名、借り手、すべて記入済みです。一月、期日前に更新を。」
唐執事は一瞥し、うなずいた。
それ以上は言わず、帳簿をカウンターに戻し、玄霜に向かって言った。
「行きましょう。」
玄霜は「うん」と短く応え、身を翻して入口へ向かう。
林瓶はそこに立っていた。
歩調を変えず、普通の速さで歩いてくる。
二歩ほどに縮まったとき、視線が合い、軽くうなずき、そのまま通り過ぎた。
唐執事も後に続き、そばを通るときに軽くうなずいた。
それが挨拶の代わり。
そして二人は外へ出た。
外の光が開かれた扉から流れ込み、輪郭を明るく縁取る。
外に出た玄霜は、唐執事に何か一言を告げた。
距離は近く、聞こうと思えば聞けた。
だが耳を傾けなかった。
ただ、横を向いたとき、口元がわずかに動き、微笑んだのを見た。
その笑みは以前と変わらず美しかった――
軽やかで、自然で、誰に向けるときも同じような笑み。
それは、自分に向けられたものではなかった。
言葉を終え、唐執事と並んで山道を下っていく。
歩調は速くも遅くもなく、陽光が浅い衣に落ち、山道に二つの影を落とす。
一前一後、曲がり角を過ぎ、木陰に隠れて見えなくなった。
入口に立ち、その方向を見つめた。
外の光は足元の少し前まで届き、敷居とのあいだに明暗の境を描いていた。
その線を越えなかった。
数息ののち、視線を戻し、カウンターへ歩く。
曹元はすでに椅子に腰を戻し、いつもの気怠げな姿勢。
近づくと、まぶたを上げて言った。
「返却か?」
「うん。」三冊の本をカウンターに置く。
曹元はそれを手に取り、帳簿の番号を線で消した。
動作はいつも通りの気安さ。
だが、これまで気にも留めなかった細部に目が止まった――
どちらの筆先を使うか、帳簿をどの頁までめくるか、日付を今日にするか昨日のままにするか。
以前は気にしたこともなかった。
だが今日は、なぜかその日常の動作に目が留まり、
この部屋のすべてが階層でできているように思えた。
誰が立ち、誰が座る。
誰が両手で受け、誰が片手で受ける。
誰が入口で待ち、誰が中に入る。
今日、それをはっきりと見た。
曹元は番号を消し終え、顔を上げた。
「また借りるか?」
「借りる。」
書棚へ向かい、数冊の雑書を手に取る。
表紙を確かめもせず、適当に抜き取り、抱えて戻ってカウンターに置いた。
曹元はそれを受け取り、記帳しながら何気なく尋ねた。
「玄祈使と知り合いか?」
「何度か薬を届けた。」
「なるほど。」曹元は番号を書き込みながら、気軽な調子で言った。
「どうりで名前を呼んだわけだ。外門の弟子なんて、普通は覚えてないからな。」
林瓶は何も返さなかった。
曹元は本を押し返した。
「よし。」
本を受け取り、蔵経楼を出た。
外の光は中よりもまぶしく、目を細める。
山道にはもう二つの影はなかった。
風が吹き抜け、春の草木が芽吹く匂い、桃花の香り、
そして土と陽光の混じった、言葉にしがたい匂いを運んできた。
入口に少し立ち止まり、それから山道を戻り始めた。
十数歩進んだところで、手にした本を見下ろす――
『江南草木志』『歳時雑記』『前朝異聞録』。
どれも何度も読んだ類いのもので、新しい内容はない。
さきほど適当に抜き取っただけで、真剣に選んではいなかった。
だが、戻って取り替えることもしなかった。
そのままでいいと思った。
午後、聚霊峰で作業をしていると、あの光景が頭から離れなかった。
呼ばれた声ではない――
あれはどうということもない。
礼儀正しく、自然で、誰に対しても同じ調子の声。
そうではなく、門口で横を向いて笑った、その瞬間。
その笑みの意味を考えようとはしなかった。
自分に向けられたものではないと分かっていた。
ただ、その光景を記憶していた。
新しく届いた薬草の束を数えていた――
乾いた草の束が倉庫の隅に積まれ、乾いた微かな苦味の匂いを放っている。
それを持ち上げ、棚に積み上げながら、胸の奥がふっと詰まるように感じた。
痛みではない、ただの重さ。
手を止め、棚の前に立ち尽くす。
高い窓から差す光が埃を照らし、光の筋の中で塵がゆっくりと漂っていた。
数息ののち、草の束を整え、帳簿に印をつけ、次の作業に移った。
ふと、思い出す。
あの鉢植えの花。
前に行ったとき、葉先が黄ばんでいた。
何も言わなかった。
あの花はまだ窓辺に置かれているだろうか。
今は誰かが水をやっているのだろうか。
行くたびにその花を見ていた――
土を替えたのは自分であり、肥料を買ったのも自分であり、置き場所を決めたのも自分だった。
だが今、その花は彼女の窓辺にあり、もう目には届かない。
今どうなっているのか、黄ばみが進んだのか、それとも誰かが水をやったのか、分からなかった。




