第38章 残(のこり)
年が明けて最初の配薬。まず丹霞峰へ新しい化霊丹を受け取りに行く。
林瓶が丹房に到着した時、蘇晴は戸棚の前にしゃがみ込んで何かを探していた。足音を聞いて振り返り、彼が立っているのを見ると、布袋を抱えて立ち上がった。彼女は布袋を机の上に置き、手を離さずに、机の縁に寄りかかって先に口を開いた。
「聞いたか——うちの師匠が昨夜も丹房で夜遅くまで過ごしてたんだ。」
林瓶は薬包を受け取りながら、このままでは話が終わりそうにないと察し、いっそ薬包を置いて、立ったまま聞くことにした。
「茶を届けに入ったら、炉の火を見つめたままぼんやりしててさ。」蘇晴は声を少し潜めて、自分でもよくわかっていないことを伝えるように言った。「二度呼んで、ようやく気づいたんだ。」
林瓶は続きを待った。
「それで言ったんだ——昔は誰かと一緒に火加減を試したもんだって、一晩中座ってたって。誰かって聞いたら、答えなかった。しばらくしてから——もう随分前にいなくなった、って。」
蘇晴はここで、意味深に林瓶を一瞥した。
「誰だと思う?」
林瓶は考えた。「お前の師匠が若い頃に——好きだった人?」
蘇晴の目が一瞬輝いた。直接答えなかったが、口元がもう上がっていた。「私もそう思う。」
彼女は振り返って戸棚からもう一つ小さな布袋を取り出し、中に何枚かの乾燥薬材を入れながら、さらに付け加えた。「そうだ、今日もまたあの玉を取り出してたんだ。」
林瓶は眉を上げた。
「あの肌身離さず佩いてるやつだよ。普段は出さないんだ。」蘇晴は布袋の口を縛りながら言った。「午後中、見てた。古い手紙を一枚読んで、またしまってた。」
林瓶は追及しなかった。薬包を整えた。「じゃあ、先に行く。」
「行ってこい。薬が足りなくなったらまた取りに来い。」
――
丹霞峰を出ると、山道に積もっていた雪はほとんど溶けていた。靴の下からは、以前のようなギシギシいう硬い雪の音ではなく、水を含んだ湿った土の音がする。石段の脇の枯れ草の下からは、極淡い若芽が顔を出していた。よく見なければ気づかないほどだ。冬はまだ完全には去っていないが、春はもうそこまで来ていた。
彼は玄女峰へ向かった。
院の入口に着くと、門は半ば開いていた。彼は押して入った。庭には誰もいない。薬包を殿の入口の段に置き、声をかけようとした時、殿内にかすかな物音が聞こえた。
彼は入口に立ち、中を覗いた。
玄霜が殿内の座布団に座っていた。ちょうど功を収めたところだ。頬には極淡い紅潮が差し、額の端が微かに湿っている。汗ではない。練功で体が温まった後の、かすかな湿り気だった、窓からの光に当たってかすかに光っている。呼吸はまだ完全に落ち着いておらず、胸が微かに上下している。
殿内には、かすかに何かの香りが残っていた。花の香りに似ているが、彼の知るどの花とも違う。極めて淡い。深山に雨が降った後、草木の奥から滲み出してくるような香りだった——故意に放たれたものではなく、練功で体が温まったからこそ帯びてきたものだ。
林瓶は入口に立ち、すぐには中に入らなかった。
玄霜は足音を聞いて目を開けた。彼だと分かると、少し驚いたように一瞬止まり、それからうつむいて手の甲で額の端を拭った。動作は少し慌てていた。「来てくれたのね。今、功を終えたところ。」
「うん。」林瓶は中に入り、薬包を机の上に置いた。「年が明けて最初の分だ。確認してくれ。」
玄霜は立ち上がって机のそばに来て、うつむいて薬包を見た。すぐには開けず、指で布袋の紐を二度巻き、それから顔を上げて彼を見た。「外でどのくらい待ってた?」
「今着いたところだ。」
彼女は「うん」と言い、うつむいて布袋の紐を解き、中の薬瓶を一つ一つ取り出して確認し始めた。動作はいつもよりゆっくりで、薬瓶を数えることを借りて何かを先延ばしにしているようだった。林瓶は机のそばでしばらく待ち、一息置いて訊いた。「練功は順調か?」
玄霜の指が薬瓶の上で止まった。顔を上げずに言った。「玄牝功って……すごく難しいの。」
そう言うとき、彼女はわずかに顔を横に向け、林瓶に表情を見せまいとした。指が無意識に袖口の縁を揉んでいた。布地を指でつまんでは離し、つまんでは離す。
「どの辺が難しいんだ?」
彼女はすぐには答えなかった。うつむいたまま、耳の根がゆっくりと赤くなっていった。羞恥の赤ではない。自分でもどう言えばいいのかわからない困ったような赤さだった。数息してから口を開いた。声は極めて低く押さえられていた。
「林お兄ちゃん……訊かないで。」
言い終えると、彼女は薬瓶を置き、足早に茶を淹れに行った。背中には少し慌てた様子があった。答えられない質問から逃げ出すように。
林瓶はその場に立ち、彼女が脇の間の入口に消えるのを見送った。奇妙だと思ったが、追いかけて訊きはしなかった。
――
玄霜が二杯の茶を運んできた時には、顔色はもう正常に戻っていた。一杯を林瓶の前に置き、自分は向かいに座った。両手で杯を包むように持ち、縁を指先でなぞりながら温もりを確かめている。
二人はしばらく静かに茶を飲んだ。窓の外の光が半ば閉まった窓扇の隙間から差し込み、机の上と地面に斜めの光の帯を落としている。浮遊する塵が光の柱の中をゆっくりと漂っていた。
「前に教えてくれたあの詩。」玄霜は茶碗を置いた。「覚えたの。」
彼女は林瓶の返事を待たずに、口を開いて詠んだ。声は大きくないが、とても安定していた。一語一語が自然な調子で口をついて出た。丸暗記の唱え方ではない。本当にその詩を理解し、自分の呼吸と息遣いにしていた。
「緑蟻新醅酒 紅泥小火炉 晩来天欲雪 能飲一杯無」
(緑蟻——新酒の泡——が立つ酒、紅い土の小さな火炉。夕べになって雪が降りそうだ。一盞、飲みて無しや?)
最後の一句を詠み終え、彼女は一瞬息を置き、顔を上げて彼を見た。その目には、彼が今まで見たことのないものがあった。褒められるのを待っているのではない。自分が準備してきたものを、誰かの手にきちんと渡し終えたという、静かな充足感だった。
林瓶は一瞬止まり、それから笑った。「すごいな。」
玄霜はうつむいて茶碗を手に取り、一口含んだ。同時に、林瓶の前の茶碗を彼の方へ押しやった。茶碗が彼女の口元——その、かろうじて隠しきれていない笑みを覆い隠した。おそらく彼には見えていないと思ったのだろう。茶碗を置いた時にはもう口元は元通りに戻っていたが、目の奥の輝きはまだ消えていなかった。
「前に話してくれた時、素敵だと思って、書き写して、覚えたのよ。」
林瓶は何も言わず、ふっと笑って、彼女の気持ちを受け取って、自分の茶碗を手に取って一口含んだ。茶は温かく、微かに苦く、後味に甘みが返ってくる。
その詩を思い出し、林瓶は急に何口も飲み干し、一気に茶を全部飲みきって、むせ返った。
玄霜は思わず笑った。「能飲一杯無って、飲み干せって意味じゃないんだけどな」と言い、自分が笑いすぎるのを恐れて口を押さえ、全身を震わせて笑った。林瓶もつられて笑った。
笑い合いながら、二人の目が合い、また逸らされ、次第に笑いが収まっていった。
しばらくして、林瓶は茶碗を置き、何かを思い出したようだった。
「そうだ——前に秦師兄があの蒼雲宗の者に負けた時、伝功長老が言ったんだと聞いたんだが、宗門の高階功法は全部、残篇なんだって。そうなのか?」
玄霜の茶碗を持つ手が微かに止まった。すぐには答えず、杯の中で揺れる茶葉に視線を落とした。沈黙が数息続いた。
「高階だけじゃないの。」
林瓶は彼女を見た。
「太乙宗のすべての絶学——全部、残篇よ。」
彼女の口調はさっきまでとは違っていた。詩を詠んだ時の軽やかさも、「林お兄ちゃん、訊かないで」と言った時の困りようもなくなっていた。静かな事実の陳述だった。あまりに静かで、このことを何度も考えたことがある人間のそれだった。
「伝功長老の玄山鎮世秘典も残篇。執法長老の鎮岳守心訣も残篇。」彼女は言った。「私の玄牝功——もそう。」
林瓶は何も言わず、彼女の言葉を待った。
「功法の半分以上が失われている。」玄霜の声はごく軽かったが、一語一語がはっきりとしていた。「歴代の宗主は、人を遣わして探させた。偽物を持ち帰った者もいれば——戻ってこなかった者もいる。」
彼女はそこで言葉を止めた。そして顔を上げて林瓶を見た。目は真剣だった。雑談の時のような真剣さではない——「この先は覚えておけ」という種類の真剣さだった。
「この話、外ではしないで。」
声は軽く押さえられていた。その下に何かがあった。
「誰かに聞かれたら——太乙宗の功法はとても優れている、とだけ言って。」
林瓶は彼女と一息、視線を交わし、うなずいた。「わかった。」
彼女はうつむき、それ以上何も言わず、茶を飲み続けた。
林瓶は向かいに座り、頭の中で一つの考えが閃いた。では、玄玉は?もし太乙宗の絶学がすべて残篇なら、前代玄祈使が手にしていたものは、完全なものだったのだろうか?彼は口に出さなかった。残篇で既に十分に敏感だ。さらに前代玄祈使のことを訊けば、どんな線に触れるか分からない。彼は茶碗を手に取り、その疑問ごと茶と一緒に飲み下そうとした。だが、茶碗の中はもう空だった。




