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第35章 得(える)


 彼は半月前に、すでに山を下りていた。

 市は太乙宗(たいいつしゅう)の山門から東へ三十里、五と十のつく日に開かれる。その日は臘月(ろうげつ)二十日で、市は人で賑わい、正月用品を売る店が通り口から街の突き当たりまで並んでいた。林瓶は半ば古びた灰色の外袍を着て、人の群れに紛れていた。目立たないように。

 彼は古本の露店の前に半日ほど屈み込んでいた。

 市の古本屋は正規の書店ではない。油布を地面に敷いて、その上に埃を被った古本が何十冊も積まれている。欠頁があるのもあれば、表紙が剥げかけているのもある。客は二三度めくっては戻す。店主は老人で、綿入れの上着を着込んで日向ぼっこしており、声もかけない。客に任せている。

 林瓶は一冊一冊、手に取っては確かめていった。

 彼が求めていたのは内容ではなかった。必要なのは表紙と裏表紙だ。厚さがほどほどで、色は古びているが汚れておらず、紙の質感が太乙宗の蔵経楼の書物とある程度近いもの。新しすぎるのは一発で違和感がある。派手すぎるのも目立つ。

 半刻ほどかけて、ようやく二冊を選び出した——『南荒逸事』と『風物拾遺』。紙は黄ばんで脆く、角は擦り減っている。表紙の色は長く置かれたクリーム色で、太乙宗二階の本棚にある古本と並べても、見分けがつかない。

 彼は十五文を払い、二冊の古本を懐に抱えて、多くは見回らずに立ち去った。

――

 宿舎に戻ったその夜、彼は扉を閉め、その二冊を分解した。

 動作はごく軽く、ゆっくりと。古本は和綴じ——背に四つの穴が開けられ、二本の綿糸が通され、表紙と裏表紙がそれぞれ紙捻で本文に固定されている。彼はまず小刀で紙捻の端を切り、次に綿糸の結び目を解いた。紙捻が切れると、表紙が背から緩み、彼は角を摘んでそっと剥がした——剥がすとき、紙面を破らないように注意した。糸を引き抜くとき、かすかなサラサラという音が、静かな部屋の中でひときわはっきりと聞こえた。

 彼は表紙を裏返して見た。裏側には紙捻が通っていた跡が残っている。小さな穴が二つ。縁がわずかに捲れ上がっている。古本の装丁が残した印だ。これくらいの跡なら、別の本に付けた後で誰も表紙の内側を開いて見ることはない。

 裏表紙も同じように処理した。

 二枚の古い紙。薄く、重ねてもほとんど厚みを感じない。彼は手のひらで押さえ、それから胸の内袋に収めた。胸に当てて置き、その上から灰色の外袍を着れば、まったく分からない。

 内袋には他にも、半ば使われた綿糸の巻き、一本の針、そして小刀が入っている。

 針は彼が厨房の道具置き場から見つけたものだ。誰かが置き去りにした古い針。大きさはほどほどで、綿糸を通すのにちょうどいい。彼は灯の下で糸を通しては外し、外しては通し、何度も練習を繰り返した。指は安定させなければならない。その工程で手間取るわけにはいかない。

 すべての準備が整った。

――

 その後二日間、彼はいつも通りに仕事をした。配薬、物資の確認、聚霊峰への報告。

 彼は待っていた。適切な機会を。

 年末の三日前、機会が訪れた。

 蔵経楼の弟子たちは、ほとんど帰省していた。残っていたのは二人だけ。一階の貸出カウンターに座る曹元(ツァオ・ユエン)という若い弟子。普段あまり話さないが、この数ヶ月、林瓶が雑書を借りるたびに彼が対応しており、顔は覚えられていた。二階にもう一人当番がいることはいるが、林瓶は多くを訊かなかった。

 林瓶は宿舎の入口に数息立ち、確認した。内袋の表紙と裏表紙はある。針と糸、小刀もある。外袍はきちんとしている。顔色は普段通りだ。

 彼は蔵経楼へ歩き出した。

 入口の冷気が顔に当たる。彼は息を吸い、扉を押して中へ入った。

――

 曹元が貸出カウンターの向こうに座り、開いた登録簿を前に呆けていた。扉の音が聞こえて顔を上げる。林瓶だと分かると、口元がわずかに動いた——笑顔とまでは言えないが、無表情でもなかった。

 「また雑書を借りに?」

 「ちょっと見に来た。」林瓶は歩み寄り、前に借りた雑書を台の上に置いた。「返却。」

 曹元は受け取って一通り確かめ、破損がないのを確認してから登録簿に印をつけた。それから顔を上げて林瓶を見て、普段より一言多い。「お前、しょっちゅうここに来るな。そのうち功法の本でも一冊借りてみたらどうだ。」

 「功法なんて、俺に読めるわけがない。」林瓶は笑った。「雑書で見聞を広めるだけで十分だ。」

 曹元はそれ以上言わず、再び登録簿に視線を落とした。

 林瓶は向きを変え、階段口へ歩いた。歩幅は普通。速からず遅からず。木の階段は彼の体重で微かに軋む。鼓動はいつもより速かったが、顔には何も出していなかった。

 二階は一階より静かだった。書棚が一列一列と並び、冬の光が高窓から斜めに差し込み、棚と棚の間に細長い光影を落としている。浮遊する埃が光の柱の中でゆっくりと漂っている。誰の声もしない。

 二階には灰色の袍を着た弟子が一人、窓辺に座って本を読んでいた。視野の端に階段口を捉え、誰かが上がってきたのを見て、またうつむいた。見知らぬ顔だ。

 彼はすぐに苔痕録のある場所へは向かわなかった。二階の書棚の間をゆっくりと一回りし、適当に数冊を手に取ってはぱらぱらとめくり、戻した。動作はまだ自然ではなかったが、焦ってはいけないと自分に言い聞かせた——焦るほど、挙動不審になる。

 二周りして、彼は確認した。窓辺の男は背を向けたままで、動いていない。

 彼は苔痕録のある棚の前に立った。

 書棚の三段目。右寄りの位置。灰青色の表紙が二冊の厚い本の間に挟まれている。表紙には書名がない。角はひどく擦り減っており、彼が初めて見た時とまったく同じだった。

 彼は長く迷わなかった。手を伸ばし、本を抜き取り、腕の間に挟む。そしてもう一方の手で隣の『江南風物考』を抜き取り、一緒に持つ。二冊が重なり、苔痕録は下に隠れる。

 彼は体を横に向け、窓辺の弟子の視線方向を自分の体で遮った。

 小刀が内袋から手の中へ滑り込む。刃は細く、切れ味は鋭い。事前に砥石でしっかり研いである。彼は親指で苔痕録の表紙を押さえ、刃を背の隙間に沿わせて、そっと一文字に差し入れた。

 綿糸が切れた。一本目。音はごく軽く、枯れ葉が風に裂かれるようだった。

 彼は止まらず、二本目を続けた。刃先が背に沿って動き、綿糸が刃の下で弾ける。

 三本目。

 三本の主な綿糸がすべて切れると、表紙が緩み、背から少し浮いた。

 彼は苔痕録の古い表紙を剥がした。

 動作は軽く、指はしっかりと。古い表紙が背から離れていく感触は滑らかだった。引き裂くのではなく、剥がれ落ちる。乾いた樹皮を剥がすように。彼は古い表紙を裏返し、丸めて袖の中に滑り込ませた。

 それから内袋から、二日間押し潰されていた一枚の古い紙を取り出した。『南荒逸事』の表紙だ。クリーム色で、薄く、きれいに折り畳まれている。

 彼は背の位置に合わせた。少しきつい。二冊の本の厚みが完全には一致しない。『南荒逸事』の表紙は、苔痕録の元の表紙よりわずかに幅が狭い。彼は手のひらで押し、角度を調整し、新しい表紙を背に押し付けた。

 そして針に糸を通す。

 針先に綿糸の端を通し、針の尻を摘んで糸を引き寄せ、指先に一回巻きつけて結び目を作った。何度も練習した動作だ。手慣れてはいないが、少なくとも安定はしている。

 一針目を背に通したとき、指先に少し抵抗が伝わった。背の紙板は思ったより硬い。彼は力を込めて押し込み、針先が貫通した。反対側から針を引き抜き、糸を締める。

 その時だった。階下から声がした。

 「林瓶?」

 声は大きくない。だが二階があまりに静かなので、一言一言がはっきりと上がってくる。秦岳(チン・ユエ)だ。彼は階下にいる。おそらく一階のカウンターの前を通りかかって、顔を上げた時に二階の書棚の間にいる林瓶が見えたのだ。

 林瓶の手が止まった。指先に挟んだ針が宙で止まる。彼はうつむいた。針先が指腹に刺さっていた。血の粒が滲む。小さい一粒で、灰色がかった光の中ではひときわ目立った。痛い。だがひどくはない。彼は歯を食いしばって動かなかった。

 「お前も来てたのか?」秦岳の声が再び上がってくる。口調には少し驚きが混じっているが、熱意はない。敵意もない。ただ知り合いに会ったから声をかけただけだ。

 林瓶は深く息を吸った。

 針を指から抜き、袖口で血の粒を拭いた。そして体をわずかに傾け、手元の本を体で隠した。半身を乗り出して階下を見る。秦岳は一階の階段口の近くに立っている。手にも二冊の本を持っている。おそらく返却に来たのだ。

 林瓶は笑った。声はできるだけ自然に。「秦師兄、返却ですか?」

 「正月だ。蘇師妹の代わりに二冊返しに来た。」秦岳は手にした本を軽く掲げ、普通の口調で言った。「彼女は帰省した。行く前に俺に押し付けたんだ。」

 林瓶は小さく笑った。心臓はまだ喉元にある。だが顔には笑みを貼り付けていた。

 秦岳は長く留まらなかった。彼はカウンターの前に歩み寄り、手にした本を置き、曹元と二言三言交わした。それから振り返って二階を一瞥した。林瓶を見ているのではない。窓の外を見ている。そして「先に失礼する」と言い、扉を押して外へ出た。

 扉が閉まる音がした。カチッという軽い音。

 林瓶はその場に立ち、その音が消えるのを聞いていた。

 そしてうつむいて、再び針を通した。

――

 二針目を背に通すとき、指はさっきより少し落ち着いていた。三針目。四針目。彼は綿糸を一針一針通し、向こう側で引き締め、また戻し、裏表紙の面で結び目を作った。糸の端を刃で切った。針を内袋に戻し、残った半巻きの綿糸も一緒にしまった。

 それから本を裏返し、裏表紙の面に『南荒逸事』の裏表紙の古紙を貼り付けた。同じ工程だ。位置を合わせ、糸を通し、結び、切る。裏表紙は表紙よりやりやすい。背の厚みに合わせる必要がなく、直接貼り付けるだけでいい。

 彼は指の血をきれいに拭いた。よく見なければ分からない。そして苔痕録を二冊の雑書の間に挟み、腕で抱えた。古い表紙は丸めて内袋に押し込み、胸に当て、針や糸や小刀と一緒にした。

 彼は向きを変え、階段口へ歩いた。窓辺を通り過ぎる時、灰色の袍の弟子は顔を上げなかった。

 林瓶は階段を下りた。足取りは速からず遅からず。

 一階の貸出カウンターでは、曹元が一冊の本を棚に戻しているところだった。林瓶が下りてくるのを見て、彼はカウンターの後ろに戻り腰を下ろした。

 林瓶は三冊の本をカウンターに置いた。表紙を換えた本は、他の二冊の下に重ねてある。表紙は下向きで、クリーム色の古紙が彼の手のひら側に密着しており、何も分からない。

 曹元は座り、筆を取った。「何冊?」

 「三冊。」林瓶は『江南風物考』ともう一冊の雑書を開いて、書名を見せた。

 曹元は一番下の本を開かなかった。登録簿に書名を記し、三冊の本をもう一度見ることもなく、筆を置いた。「よし。」

 林瓶は三冊の本を手に取り、腕に挟み、向きを変え、扉を押した。

 冷たい風が顔を叩いた。

 彼は外に出た。十数歩歩いてから、背中が冷たいことに気づいた。冷や汗で、下着が背中に貼りついている。冷たい。風が吹き抜け、彼は震えたが、足は止めず、振り返りもしなかった。

 彼は宿舎に戻り、扉を閉め、鍵をかけた。

 張遠はいない。部屋には誰もいない。

 彼は三冊の本を机の上に置いた。それから数息立ち、うつむいてその本を見つめた。灰青色だった表紙が、クリーム色に変わっている。あまりに普通で、隣の二冊の雑書と一緒にあっても、誰も二度見しないだろう。

 彼は手を伸ばし、それを抜き取り、開いた。

 第一頁。黄ばんだ紙面。ぎっしりと並んだ文字が、一文字一文字そこに並んでいる。簡体字だ。

 彼は長い間、それを見つめていた。

 そして本を閉じ、枕の下に置いた。手のひらを枕の上に載せ、本が枕越しに伝える輪郭をしばらく感じていた。硬い、矩形の、一冊の古本がそこに横たわっている。

 窓の外から、ぽつんと一発、音がした。いくつもの庭を隔てて、遠くで、パチッ——何かが弾けるような音。次に二発目。三発目。爆竹を試している者がいるらしい。どこかの部屋の弟子が買ってきて、我慢できずに鳴らしているのだろう。

 林瓶はベッドの端に座り、遠く近くから断続的に聞こえてくる爆竹の音に耳を傾けていた。

 年が近づいてきている。

 彼は指を裏返して見た。指先に小さな針穴が一つ。小さな赤い点。よく見なければ分からない。刺された時、彼は声を上げなかった。今、それを見て、彼はむしろ笑った。

 「做賊心虚(ぞくしんきょ)」——盗人心得。この言葉を、彼は身に染みて味わっていた。

 だが、手に入った。

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