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睡蓮 ーミニラテ姫誕生祭限定のアレ編ー

六月六日。

この日はアニメ“女の娘爆熱アイドル☆ミニラテ姫”の主人公・ミニラテ姫の誕生日だ。

そして偶然にも、ミニラテ姫の声を担当する声優も同じ六月六日生まれで、この日七歳になった。


そして織田家では、珍しく休日に出かけることもなく、家でごろごろしながらのんびりと過ごしていた。

使用人の白石は前日から帰省しており、五日間は織田家に居ない。

白石が帰省中、母上は三日間の謎の泊まり込みで不在だ。

相変わらず、とんでもない親っぷりである。


優樹:『なんで三日間もお泊りするの?』


輝:『最新医療技術の研修で京都に行ってるのさ。お土産あるらしいぞ。京都限定の巨大ミニラテ姫ストラップ買うって言ってた』


優樹:『やったぁー』


輝:『これなら、毎月どこかへ行ってもらえば全国のミニラテ姫を揃えられるのう!』


優樹:『そういうこと言ったらいけないんだよ。お母さま、頑張ってるんだからさ』


輝:『…っう……確かに』


優樹:『蟹!』


輝:『蟹のせんべい食べる?』


優樹:『食べる!』


輝:『今日の十時のおやつタ~イム!』


優樹:『今日の三時のおやつ何?』


輝:『バキュラの歯だよ』


優樹:『バキュラの歯って食べれるの?』


輝:『ああ、甘いんだ。楽しみにしていてくれ』


優樹:『バキュラの歯、抜いてきたの?』


輝:『毎日一万本抜けて、全国の店に並べられてるんだって』


優樹:『きったなぁ~い!』


輝と優樹はバキュラの歯を笑いながら話し、母上が用意した蟹のせんべいを開けて食べた。


優樹:『僕、おせんべい大好き』


輝:『おせんべい私も好きだ』


優樹:『お兄ちゃんは何好き?』


輝:『ミニラテ姫』


優樹:『僕もすき。今日、ミニラテ姫の誕生日だよ。まさか同じアニメ観てるとは思わなかった』


輝:『あの意味分からないエンディング50回くらい聴いたのだが、何度聴いても良いな』


優樹:『それ僕も何回も聴いたよ。もういやだもういやだって叫んでるのが面白かった』


輝:『鳥みたいな声のやつな』


優樹:『そう!あとさ、題名も飛び散り脳みそ爆弾でさ、飛び散りってところポイント高いよね』


輝:『何点?』


優樹:『二点!』


輝:『低すぎぃー。私の顔は何点?』


優樹:『えーっとね、零点!』


輝:『ぶはははっ!(笑)無垢すぎて点数では測れぬということか』


子供は正直なのであ~る。

輝は傷つくどころか、零点なのに一人で喜んで都合よく解釈していた。


輝:『あ、そうそう、お母さまがミニラテ姫の巨大シールを六箱も買ってくれたぞ。ミニラテ姫誕生祭限定の商品で、もうゲットできない幻の商品らしい。これ、一日につき一人一箱まで開けていいみたい。今日は、いつ開封する?』


優樹:『今がいい!今すぐ開けたい!』


輝:『優樹、先に選んでいいよ』


優樹:『ありがとう。どれにしようかなぁ』


ちゃんとお礼が言える優樹、えらい!

そして、優樹は真剣な顔で六箱を見比べ始めた。


優樹:『これにする!』


優樹は嬉しそうに箱を抱き締めた。

輝は残った五箱を見比べた。

どれも同じ箱に見える。

だが、こういう時は何となく当たりそうな気がする箱というものがある。


輝:『これだな』


輝は真ん中に置かれていた箱を手に取った。


優樹:『開けよう』


輝:『せーので同時に開けよう』


優樹は待ちきれない様子で箱の封を開けた。

中にはミニラテ姫の巨大シールが入った袋が五袋入っている。

巨大シールは全十種類で、更にシークレットが一種類存在する。

もちろん、輝と優樹のお目当てはそのシークレットだ。


輝・優樹:『せーの』


優樹:『何が出た?』


輝:『げぇ………ちっせぇちんこ出た…。ちんこにちんこって書いてある』


優樹:『最低なシール!』


輝:『これ一つで五百円だぞ。優樹は何出た?』


優樹:『水着バージョンのミニラテ姫が出たよ』


輝:『いいなぁ』


優樹:『次、いこう』


輝・優樹:『せーの』


優樹:『……おしりだ……。これやだぁ……。ふぇぇぇん!』


輝:『優樹、落ち着いて。まだまだ希望が残ってる。私は二連続でちんこ引いたぞ』


優樹:『ふぇぇぇぇぇん!全部ミニラテ姫にしてほしかった!』


あまりにも嬉しくないシールを引いてしまった優樹は、その場で泣き出してしまった。

受け入れがたい現実だ。

輝は連続で、ちんこを引いてしまい、静かに天を仰いだ。

絶望である。

二連続ちんこの衝撃は大きい。

シールは三十センチ近い巨大サイズだ。

そのため、尻やちんこのシールを引いてしまった時の破壊力は凄まじい。

壁に貼っても地獄。

机に飾っても地獄。

間違いなく最低最悪の商品である。


輝はタオルで優樹の涙をふき取り、氣を取り直して次の袋を開けた。

被っても嬉しいシール作れよと心底、怒りを感じた商品であった。


氣を取り直して、次の封を開けた。


輝・優樹:『せーの』


優樹:『あっ!メイドのミニラテ姫だ!』


輝:『同じだ!私もメイドのミニラテ姫出たぞ』


優樹:『お揃いだね』


さっきまでの絶望が嘘のようだ。


輝:『次行こ』


輝・優樹:『せーの』


優樹:『あっ!通常のミニラテ姫だ!』


輝:『私は水着だ』


優樹:『僕が最初に引いたやつ』


輝:『そう、そう。優樹が最初に引いたやつ』


優樹:『次~』


輝・優樹:『せーの』


輝:『地雷系ミニラテ姫だ』


優樹:『可愛い』


輝:『優樹、何出た?』


優樹:『着物のミニラテ姫が出たよ』


輝:『綺麗な着物だな』


優樹:『シークレット出なかったね』


輝:『明日•明後日で、きっと出るさ』


優樹:『出るかなぁ』


この時点で残るシールは、あと四種類。

通常シールが三種類。

そして、未だ正体を見せないシークレットが一種類。

コンプリートは目前に見えて、まだ遠いとさ。

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