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睡蓮 ーお菓子屋さん編ー

輝、亨、翔、美月が並んでお菓子屋さんへレッツゴーした。


美月:『どんなお菓子があるか楽しみだね』


亨:『楽しみ~~~!』


翔:『十円のお菓子三十個買おうかな』


輝:『ちゃんと計算できるように、そろばん持ってきたぞ』


そんな話をしながら歩いているうちに駄菓子屋に到着した。

店の前に置かれていた小さな買い物かごを手に取り、それぞれお菓子選びがスタートした。


最初に美月が手に取ったのは、バキュラの肉球型キャンディー(シール付き)。

値段は十円とお手頃価格となっており、バキュラのお家を建てるバキュラ住宅基金への寄付金である。

バキュラの肉球型キャンディーはお礼にもらえるシステムなのだ。


亨は、人気アニメのキャラクターがパッケージに描かれたポテトスナックをかごに入れた。

手が止まらないピザ味で、立体シール付きの百円。


翔は、チョコレート菓子を見つけて嬉しそうに手に取った。

なんと、五十円だ。

十円三十個のロマンは一瞬で砕け散った。


そして輝は、梅がくっついたパリパリ触感ののりを選んだ。

おっちゃんか!


四人とも好みが違い、かごの中身は最初からバラバラだった。


亨:『ねぇねぇ、輝』


輝:『え?』


亨:『ミニラテ姫の闇おせんべいってさ、美味しい?』


輝:『ああ、癖になる味さ』


亨:『へぇ』


輝は後ろを向いてニヤニヤ笑っていた。


輝:(ぷっふふふふ……。あの闇せんべいは運転手も目が覚める程の……)


悪い顔をしている。


美月:『お買い物楽しいね』


亨:『迷っちゃう』


翔:『十円のお菓子こんなにあるのかぁ。お菓子の中で一番好きな五十円のチョコいきなり目に入っちゃって三十個の夢砕け散っちゃったよ。チョコは外せないんだよなぁ』


輝:『好きなのが一番いいよ』


翔は更にチョコレートコーナーへ向かった。

すると、チョコの大福を発見。

氣付けば、かごの中はチョコだらけになりつつあった。


一方、美月もチョコレート売り場で足を止めていた。


美月:『わぁ、このチョコビスケット、月の形してる!』


キラキラした包み紙のキャンディーを見つけて目を輝かせている。

さらに隣には花の形をしたラムネも並んでいた。


美月:『かわいい~!』


かわいいお菓子を見るたびに、かごの中へ入れていく。


その頃、亨はスナック菓子コーナーを巡回中だった。


亨:『これもシール付き!?こっちもかっこいい!』


お菓子そのものより、おまけのシールに夢中である。

どのキャラクターを選ぶか真剣な顔で悩み始めた。


そして輝。

輝は、なぜか乾き物コーナーの前で立ち止まっていた。


輝:『茎わかめとはなんぞや』


小学生らしからぬ渋いチョイスである。

さらにおしゃぶり昆布を手に取った。


四人とも時間を忘れて、思い思いにお菓子選びを楽しんでいた。

氣が付けば、四人のかごはすっかりお菓子でいっぱいになっていた。


美月:『うーん……、あと十円分だけ買えるなぁ』


亨:『俺、三百円ぴったり!』


翔:『えっ、もう!?』


亨は得意げにかごの中を見せた。

シール付きのポテトスナック、シール付きのチョコ、そしてミニラテ姫のシール付きの闇おせんべい、バキュラのシール付ガムを四つ。

見事に三百円である。


輝:『すごいな』


亨:『えへへ』


翔は真剣な顔で計算を始めた。


翔:『あ……、あれれ?二百九十円?あれー?今度は三百十円?』


美月:『増えたり減ったりしてるよ?』


翔:『どうしよう……』


美月:『同じ十円のキャンディーが二個入ってるよ』


翔:『ありがとう』


翔は十円キャンディーを1個戻して三百円ぴったり調整した。

そして美月も最後に十円のラムネを追加し、三百円ぴったりとなった。


輝は、そろばんをパチパチ弾きながら確認していた。


輝:『全員三百円ちょうどだな』


四人はレジへ向かった。


亨:『お願いしまーす』


店のおばあちゃんは慣れた手つきでお菓子を数えていく。

四人は、それぞれ財布からお金を取り出して、会計を済ませた。

そして、お菓子が入った袋を持って歩きだした。


美月:『ありがとうございました』


会計を終え、お菓子が入った袋を受け取る。

店のドアを開けると、午後の風がふわりと吹いた。


美月:『いっぱい買えたね!』


亨:『うん、い~っぱい買った!』


翔:『大満足!』


輝:『実は十円のお菓子十個買ったんだ』


美月:『どんなお菓子買ったの?』


輝:『バキュラの歯、バキュラの飴、バキュラの足跡チョコ、バキュラの頭芋けんぴ一本だけ入り、バキュラの目玉ゼリー、バキュラの舌グミ、バキュラの鼻くそ黒砂糖、バキュラの耳ガム、バキュラの腹饅頭、バキュラの尻マシュマロだ。全部シールつきさ』


亨:『バキュラの歯って何?』


輝:『チョコだよ』


亨:『本物の歯が入ってるかと思った』


四人は笑いながら駄菓子屋を後にした。


翔:『亨、あれ、渡さなきゃ……』


亨:『うん、渡そう』


亨と翔が美月にあるものを渡した。

それは美月が破り捨てた遠足のプリントがセロハンテープで止められたものである。


名前を記入する枠に美月の名前が書かれていた。


翔:『美月ちゃん、その……、班決めの時は、ごめんね』


亨:『一緒に遠足に行こう』


美月:『うんっ!!!』


翔:『班長は俺で副班長は亨でいいよな?』


輝:『よかったね、美月』


美月:『うん……ふっ……うっ…うぅっ……』


美月は嬉しくなり、泣きながら受け取った。


それを見た輝はつられて涙が溢れ、上を向いて流さぬように耐えた。


これで明日四人揃って遠足へ行ける、誰もがそう思いながら帰宅した。

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