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異世界ライフは美しい!  作者: 清水悠


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15【休暇一日目】

「 昨日から気になってたんだけど、あなた達って歳はいくつなの?」


召喚されて一夜明け、二人の侍女は約束した時間ピッタリにこの部屋を訪れた


時刻は午前9時

昨日は気がつかなかったが部屋の隅には時計があった


いやね? 一言で時計って言っても私たちが知ってるような丸かったりする時計じゃないのよ


では丸くないかっていうとやっぱり丸いんだけど、縦型なの。大きな古時計の高級版というか、円柱で高さは私の身長くらい

ちょうど胸の高さあたりからてっぺんまではガラス張りになっていて、そのガラスの中には金色の妖精の像が2体、その妖精さんがお互い支え合ってる丸いものがよく見たら時計だった

胸から下の台座部分は陶器なのか材質はよくわからなくて、白をベースに金刺繍の模様が張り巡らされたメチャメチャ手の込んだ造りになっている


普通気がつかないでしょ、コレが時計だなんて


今朝は早起きしたのに、この時計を隅々まで見ていたらあっという間に時間が過ぎた


侍女さんたちが来る前に、自分の身だしなみと部屋を簡単に整え、窓を開けて空気を入れ換えた

テラスに出て手摺から下を覗いてみると、手入れの行き届いた城の庭園が一望できた


はぁ〜〜〜

お城だわ〜

ほんとお城ね〜〜


なんて一人でほのぼのしていたらサラとターニャが来る時間になってしまった


二人は部屋の中や浴室などの全ての掃除が終わっていることと、私が身だしなみを整えてしまってることに対し、侍女のお仕事がないとかなりご立腹だったけどそれをなんとか宥めた


運んできてくれた朝食を今度こそテラスで三人で食べる。そして今度こそ!彼女たちが魔法で料理を出すところを真近で見ることが出来た


イエスッ!

テラスでモーニング!!


メニューはワンプレート

ツナと玉子のニ種類のサンドウィッチ

グリルした茄子?みたいな野菜とブロッコリー、スライス玉ねぎのマリネ

大豆?をトマトソースで煮込んだ物にクリームチーズを角切りで入れたもの

そして、しっとりと軟らかく下茹でしたささみらしきお肉の、キャラメルみたいな色のトロッとしたソースがけ!ローストして砕いた木の実がかけてある、これが信じられないくらい美味しい!

ココット皿にはマスカットみたいなフルーツ盛り

でも色はピンクグレープフルーツのようで、恐る恐る食べると、酸っぱいけど癖になる味だった


飲み物は、サラがりんごジュースを用意してくれた。すりおろした果肉まで入っていて作りたてなのが分かる。酸化を防ぐためにレモンが入っているようだ


楽しいテラスでの朝食が終わると、今度はターニャが温かい紅茶を入れてくれた


はぁ〜ん、お城のテラスで朝食後の紅茶を嗜むなんて、なんかもう一生分の幸せ使っちゃったんじゃないかって思っちゃう!


ここで会話は冒頭に戻るんだけど、私は昨日は聞きづらかったことを二人に尋ねたのだ


「 私は19歳で、ターニャは13歳です」


あっ!想像どおり二人とも未成年なんだ

それにしても13歳って…


私達の国を基準にして考えると、13歳はまだまだ親の管理下にある年齢だ


ついでに侍女という立場についても聞いてみると、なるほどと思えるシステムとなっていた


この国はラグドール王国という国で、その周囲にはいくつもの国々があるようだ


 その世界中にいる貴族達が、自国の貴族間で近親婚を繰り返さないために『侍女』という名目で娘を派遣させ、様々な国の貴族様と出会いやお見合いをする

そうやって『侍女』でいる間に貴族社会のルールやマナーを身につけることができるという画期的なシステムだ


たまに生家に帰ったり、両親が娘に会いにきたりするのに、各国の中央に位置するラグドール王国は便利で、情報交換や社交場としても都合が良いようだ


「 普通はサラみたいに18歳くらいからラグドールに来るのです。でも私は下に弟や妹が三人もいるから、早く中央に来たかったの」


そう言ってターニャは頬を膨らます


「 お父様もお母様も、下の者の面倒をみなさいってうるさいんですもの」


「 そんなこと言ってターニャ、昨日の夜も泣いてたじゃない」


「 ち、違うわサラ! 私が昨日悲しくなったのは、遠い国からやってきたセナ様はどんなに心細いことだろうって…」


そう言ってしまってからターニャはハッとして私をみた


「 ありがとうターニャ、私は大丈夫よ。もうずいぶん前から親とは離れて暮らしてるし、それに一生の別れってわけじゃないから」


そんな会話をしていると両親の顔が頭に浮かぶ

 実は今回の休暇中に、実家に帰るかどうか迷っていた。 別にどちらでもよいとは思っていたけど、今の状況を考えると、先に連絡しておかなくて良かったと心底思った


「 その事なのですが、セナ様はたった二週間で元の世界に戻られるという噂は本当なのですか!?」


今度はサラが身を乗り出して尋ねてきた


たった二週間て言わないで!

こちらはなんの前触れもなく二週間もこの世界にいる事になったんだから

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