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33:試運転

4,500PVありがとうございます。



「……はい?」


「だから、(わたくし)とお付き合いしていただきたいのです、結婚を前提として」


いやはやここまで疲れが残っていたとは……しっかり食べて寝たはずなんだけどなぁ……深呼吸してもう一度。


「も、もっかい言って貰えマスカ…?」


「ふふ、照れていらっしゃるのね。ではもう一度……カナタさん、私と結婚を前提にお付き合いしていただけますか??」


「……」


き、聞き間違いじゃねぇー!!?なんで!?急に!?てか初対面では?!そこまで惚れられるようなことしましたか僕!??!


「彼方……」


はっ!?殺気!?


「ね、姉ちゃん……?? どうしたのそんな今にも噴火しそうな顔して…?いや、僕もさっぱりなんだよ!」


「この……スケベめ。わたしと美鈴ちゃんという人がいながらなんていやらしい……ぐすっ」


「酷い言いがかりだ……」




閑話休題……




「……で、えーと本題はなんでしたっけ?」


あれから小一時間姉ちゃんに詰められたがひたすら平謝りするしか無かった。だってマジで身に覚えがないんだからな……元凶のジーナさんはくすくす笑っていらっしゃった。いや、アンタのせいだけど!?って言いそうになったが雰囲気がぶち壊れそうだったのでなんとか我慢した。


「サンクトペテルブルクで大量に発生している異獣の駆除について…でしたね。こちらをご覧下さい」


ジーナさんが指をパチンッ、と鳴らすと空中に正方体のモニターが出てきた。おぉ、近未来的。


「現在の進行ペースですとあと1ヶ月程度でここのギルドも飲み込まれるようです。こちら側は如何せん戦力が足りず日に日に押し込まれて、今は最前線の維持のみを行っている…と言った状況です」


考えてた以上に押し込まれてるな……しかしなんでこんなにホルダーの数が足りてないんだ?ロシアなんだからもっと沢山居るもんだと思ってたけど。


「ねぇ、ジーナさん…でよかった?」


「ジーナでいいですよ、アマネさんもカナタさんも。」


「ありがとう…わたしも雨音って呼び捨てでいいよ。で、なんだけどそちらの戦力はここまで足りていないの?」


「足りていない、のではなく…精一杯なんです。現在、我がロシアのホルダーの総数は1万にも満たないのです」


「あ……そうか。確か……」


「はい、我がロシアは『塔』の『階層転移(フロアディザスター)』の被害が多く、そこで大半のホルダーが命を落とし……今ではホルダー以外の人口も6,000万を切ったんです」


階層転移(フロアディザスター)』ねぇ、初めて聴いた単語に若干困惑しているがまぁ大体の予想はつく。しかしゲーム時代のストーリーや裏設定でもそんな事無かったはずなんだけどなぁ……


「『階層転移(フロアディザスター)』って確かあれよね、局地的な魔力の集中で階層そのものが現実世界に発生しちゃうってやつだったよね」


お、やっぱ当たってたか。


「その通りです。あまり公にはなっていませんが今回のを含めて7回、それもロシアのごく限られた地点でのみ……」


「7回!? 確かギルドの報告会では2回って言ってなかったっけ!?」


「……的はずれな憶測や民衆の混乱が起こらぬように情報を極限まで統制せよと貴女の叔父…いや『修羅』様と『皇帝』様から直々に言われたのです」


「っ……もうあの人はわたしの叔父でもなんでもないです」


……なんか姉ちゃんも色々あったんだなぁこの1年で。まぁ僕からしまらまだ実質半年も経ってないんだけど。




それから3時間半程今後についての対策をロシアのギルド役員達も交えて話し合った。僕の出番はほぼ無かったけども、確かに濃密で有意義な会議だったのではないだろうか。姉ちゃんもいつもはおっとりしてるけどこういう真面目な場所ではしっかりしてるんだから。


僕らが向かう日程も10日後に決まり、それまでの間は各自で準備して欲しいとの事。そこら辺はギルドがサポートしてくれるそうだし、鍛冶場の場所だけ聞いとかないとなぁ。


「さて……カナタさん、これからデートしませんか?」


「……えっ?」


ジーナさんがそう言って急に手を握ってきた。そういや忘れてたどうしよう……こんな急に真っ直ぐな好意を向けられた事ないからホントにパニックになりそうだ。し、しかし……


「あ、えーとジーナさん?」


「ふふっ、ジーナ、と呼んでくださいな。私の方が年下なんですから」


「えっそうなんすか!?」


「ええ、私こう見えてもまだ15なんですから」


よ、余計にブレーキがっ!!未成年に手を出すのは流石に……


「愛に歳の差なんて関係ないのですから、ね?」


「……なしよ、なしったらなし」


姉ちゃんが間にグイッと挟まってくる。何を怒ってるのか頬を膨らませて僕の二の腕をつねってくる。い、痛い痛い痛いっ!!


「彼方はわたしの」


「……あら、妬いてるんですね」


おぉ……火花が飛び散ってら。それはそうと今が逃げるチャンスッ……!! 『気配遮断』『静音』『隠密歩法』発動…!!出来れば『影移動』使えれば良かったんだけども、あれ顔見知りのとこにしか出来なくなったからだいぶ使いにくくなったんだよなぁ。


そそくさとエレベーターに乗り込みとりあえずひと息つけた。はー緊張した……しかしなんで僕なんかに矢印向けるんだ…?不思議な人だったなぁ。どのみちまた会う事になるだろうしある程度落ち着いたら話くらいは聞いてあげないと。降りたらなにしようかな……あ、そうだアイツらの試運転でもしてみようかな。確かここって身体動かせる施設かなんか併設されてたはずだし丁度いいや。





という訳で、下に降りて来てギルドの職員に件の施設が空いてるか聞いてみた所、なんと偶然直前にキャンセルが出たらしく丁度空いているとの事だった。


広さはだいたい公立高校のグラウンドくらいで高さも何処かの野球ができそうなドームくらいあるっぽい。試しにワッ、と大声を出してみるとまぁ反響するのなんの。


「それじゃ、早速始めるか」


まず取り出したのは瑠璃立羽(ルリタテハ)。……そういや見た目の割に随分軽いな。別にそんな軽くなるようなことしてないんだけど、ま、いいか。手元のリモコンで簡易ターゲットを生成し、瑠璃立羽(ルリタテハ)を構える。確か説明にはTECが高い程基礎攻撃力が上がるんだったけか? とりあえず照準を合わせて……ここっ!!


凝縮された魔力の弾丸が気持ちのいい音を鳴らして眼前のターゲットをブチ抜く。反動が強すぎで背中から地面に激突してしまう。うぐっ……!!? あがっ……い、痛過ぎんかね!? これはしばらく動けんわ……ま、まずは呼吸を整えて……!!


……



ふぅ…な、なんとか起き上がれるくらいにはマシにはなったかな。しかしここまで暴れ馬とは思わなんだ。それに……


必死に現実から目を背けてたのだが、もうこれは受け入れるしかない。ターゲットは確かにブチ抜いた。ブチ抜いたのはいいのだが、またもや壁を跡形もなくぶっ壊してしまった……はぁ、こいつは扱い方しっかり覚えないといけないなぁ。


最低限の応急処置をし、職員の人に事情を説明してとにかく謝った。若干引かれてたが許しては貰えたので一安心ではある。ほんじゃま次は、尖翅藍閃(ヘレナモルフォ)の番だ。先程と同じようにターゲットを生成し、構えて、放つ。


反動は特になくバススッ、と軽めの音を鳴らしターゲットを破壊する。この感触あれだ、ネイルガンみたいだ。威力も申し分ない範囲で普段使いするならこっちかな。えーっと説明文は……ほう、MPの最大量でヒット数が変化して消費で貫通弾か。


一発の弾丸生成でのMPの減り方はどちらも大体50くらいか。今の僕のMP最大量は3600……メインで使うならもうちょい欲しいな。ここら辺はアーティファクトとかで底上げしておかないと。よしっ、こいつらの検証は一旦終わりでいいや、最後は……いやもういいや。


とりあえずの方針はMPの増強かな。ステの伸ばし方はそれでいいとして武器の種類も増やしたいな……斧は先輩が持ってったし、現状は盾と黒織姫と銃だけだし…それに今後銃がメインの武器になるなら今の技能(スキル)が持ち腐れになるからそれの対策もか……!! ま、それはもう思いついてんだけどね。


よしそれじゃ帰るか、明日は鍛冶場貸してもーらおっと。






……その後、修練場から出てきたところを姉ちゃんと美鈴とジーナさんに抑えられ寝る間も惜しんで徹底的に詰められた。具体的にはデートの予定とかを(僕の都合とか予定とか全無視)とにかく(勝手に)決めさせられた。それは流石にと声を上げたら3人からバチボコに睨まれたのでもう僕に人権は無いようです♡


タステケ……





読んでくれてありがとうございます。


メイン組の身長と髪色をここで吐いときます。


・紅時彼方

身長…171cm

髪色…赤みがかった黒(大学デビューの時に染めてみた。色落ちして来たけどめんどいからそのままにしている)


・兎ヶ崎雨音

身長…188cm

髪色…ホワイトシルバー


・羽曳野美鈴

身長…166cm

髪色…黒茶


・ジーナ

身長…161cm

髪色…真っ白


・八千代峯吉

身長…159cm(茶化すとキレる)

髪色…金髪っぽい茶


・ユリウス

身長…180cm

髪色…金

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