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31:海外へ行こう




『……承認。…ユートピア・エンドをプレイしている全てのプレイヤーへお知らせします。とあるプレイヤーがユニーククエスト【二代目への道】を正式に受注、進行しました。このプレイヤーは常人には辿り着けない境地へ走り続ける鍛冶師の二代目です。それに伴い、塔のとある場所に特別な転職本(ジョブチェンジブック)をドロップするゴースト系モンスターとごく稀にエンカウントするようになりました。このアイテムは数に制限があり、残り6個です。プレイヤーの皆さんは獲得できるように各地に散らばっているヒントを集める事を強く推奨します。以上、ユートピア・エンド運営より』



全世界に唐突に流れた謎のアナウンス。世間の反応は疑心と無反応が9割、残りの1割は当該人物の捜索や考察と多種多様だった。ギルドはすぐさま対象のエリアを捜索する先遣隊を塔へ派遣し、仮称『二代目』の情報収集を御庭番とお抱えの公安へ依頼を開始したのだった。




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まじで絶句した。僕はどんな確率引いたんだよ……これ、今後の僕の運が非常に心配になるレベルにはえぐい気がするんだけど……え? 鍛冶師の轟炎の付与率ってごく稀だよな? なんでどっちも付与されてんの?


とりあえず深呼吸して、一旦こいつらのことは考えない事にしよう……まずは天井のこと謝んないと。それに床も瓦礫とかでぐっちゃぐちゃだしサッと片付けて風呂入ろう風呂。


なんだかんだ10分程度で片付いたので汗まみれの服とかをばっくにしまい、風呂入ってケアして歯磨いて髪乾かして部屋を出る。頑張りすぎたのか手首や腰が妙に痛かったので湿布を何枚か貼りバキバキの身体を解しながら下の階へ降りる。



事務所の方に行くと係の人たちやお抱えのホルダー達が慌ただしくフロアを行き来している。……やっぱ僕のせいだよなぁ、早く謝んないと。


「あの〜……鍛冶場を使用してた者なんですけど……」


「えっ!? すみません後でいいですかっ!? 今職員全員手が離せないのでっ!! お急ぎならそこのタブレットにおねがいします!!」


えっ……もしかして大事になってる!? やべぇカードとかホテルに置いてきたし今ここで支払いしてくれって言われたらどうしよう…! ソワソワしつつもタブレットに内容を入力して送信した。しかし本当に忙しそうだ……それになんか空気がピリついてるし。


それから30分経っても忙しさが収まるどころかさらに人が入り乱れて若干カオスになってきた。待ってる間職員や招集されたであろうホルダー達の会話に聞き耳を立てていたが、どうやら僕がやらかした天井破壊の事じゃなくてなにか別のトラブルがあったらしい。


おそらく今日はもう対応も回らなそうっぽいので蹉跎さんにメールを飛ばしておく。それと鍛冶場に戻って最低限の応急処置をしておいたのでまぁ一旦は大丈夫かな……


ギルドを出て帰路に着く。さて、この後はどうしようか……性能試しにでも行きたいけど眠いんだよなぁ……まぁ一旦戻ってから考えるかぁ。


部屋に戻ってベッドに寝転んでいたらいつの間にか寝ていたようで、目を開けたらすっかり夜になっていた。はぁ、なんだか全然スッキリとしないなぁ……スマホを覗くと蹉跎さんからの返信が来ていた。忙しい中返してくれたのか……内容は全然気にしないでとのことだ。全部こっちでやっておくからお金も大丈夫だそうで、なんか申し訳ないなぁ。次にあったら何か手土産でも渡しておこう。


とりあえず一安心。他には……ん?何だこのニュース?? 『謎のアナウンス!! 【二代目の道】とは!?』だと? ……ってこれ僕の事じゃないか!? は?なんで開示されてんの!?誰にも話してないから絶対に第三者が知れる訳ないのに……!!


ニュースの記事を読んでみるとどうやらかなりぼかされて公表されたようで、現状鍛冶師という事しかわかっていないらしい。とりあえず今は僕に疑いの目を向けられることは多くは無さそうだがそれほど警戒しなくても大丈夫そうだ。せいぜい身内から少し尋ねられるくらいか?うーんでもバラしたらバラしたで余計に面倒くさくなりそうな感じが……一旦は心の中で留めといておくか。


しっかしまさか公表するなんて……なんて悪辣な事しやがるんだよ。ゲームの時はこんな事なかった……いや、あの時は僕しかプレイしてなかったから発表されたところで特に誰も反応することもなかったからアナウンスされなかったのか?元々合った仕様なのかどうかも分からんしなぁ……はぁ。


今は悩んでても仕方ないか、シャワーでも浴びて気分をリセットしますか。どうせ今から何もすることないしもう今日はパーッと休もう。どうせならルームサービスでも頼んで豪遊してやろう。




……そんな訳で豪遊して身体とメンタルをしっかり回復させ、翌日。『塔』に向かおうとしたら、16階層の攻略開始と同じくらい……いや、それ以上の人が溢れていた。自動ドアから出られないレベルの人口密度のようで、ホテルマンの人達もかなり焦っているようだ。なんでこんな急に人が増えたんだ?


ニュースを確認してみると、ギルド主導の17階層攻略組と昨日のアナウンスで開示された転職本(ジョブチェンジブック)をドロップするモンスターを探しに来た一般のホルダーやクランの人間でごった返しているっぽい。なるほどなぁ……これは当分入場すら出来ないなぁ。肩をガクッと落としロビーの談話スペースに腰を下ろす。


「はぁ……今日もなんも出来なそうな雰囲気になりそう…」


ポソッと呟きもう一度スマホを覗く。特に連絡もなく完全にやる事がないときた。これはもう完全に手詰まりな状況になってる……まじで何しよう?


「とりあえず部屋に戻るか……はぁ」


ため息を吐きながらトボトボ歩いていくと、降りてきたエレベーターの中から美鈴と姉ちゃんが出てきた。なんかえらく焦ってる感じがする……


「あっ見つけた!!!! 彼方暇?暇だよね!?」


「う、うん暇だけど……どったの??なんかあった?」


「理由は後っ!!! 今すぐ荷物まとめて屋上まで来てっ!!!!」


「はい……??」


「ほら早く早くっ!! ウチも手伝うから!!!」


「ちょっ……!? 姉ちゃん!?どういう事!?」


「結論だけ言うなら今からロシアに行くよっ!! 後15分でヘリ来るから!!!」


「……へ?」





読んでくれてありがとございます。

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