28:電流
「は〜美味しかったっ!!!」
「うん、いっぱい食べちゃった」
確かに美味かった……塔で採れた食物系の素材をああも調理できるとは……特にお肉や魚なんてゲームの時は産業廃棄物以下のアイテムだったのに、ここまで水準を上げて来るとは思いもしなかった。
「さて……僕と美鈴はホテルに戻るけど、姉ちゃんはどうすんの? ホテルとか予約してんの?」
「ううん、美鈴ちゃんのお部屋に止めてもらう。いいよね?」
「もちろんですっ!! ウチも雨音さんともっとお話したいし!!」
「さいですか……」
ホテルに戻りロビーで別れて部屋に帰る。大浴場で身体をザバーっと洗い風呂に浸かる。ほぅ……極楽だなぁ。あーダメだ寝ちゃう……よし、もういいかな。
パパっと身体拭いてスキンケアしてドライヤーで髪乾かして寝る準備万端になったところで……すっかり忘れてたステータスのチェックを始めようか。丸々1ヶ月開いてなかったんでどういう変化が起こってるのか……あとついでにボスがドロップした素材類もチェックしておかないと。
まずはステータス……
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Name:カナタ
Lv:80
出身:放浪者
job:武芸者
subjob:鍛冶師
HP:2200(+620)
MP:2500(+1100)
STR:3000(+800)
STM:2400(+1300)
TEC:5000(+1200)
AGI:3300(+980)
VIT:2000(+350)
LUC:4600(+1050)
〈技能〉
・バイパースラッシュ
・剣舞・烈風
・剣舞・突風
・衝振脚閃
・抜刀「綴」
・ギアアップスティンガー(New)
・重刃・狂桜無尽
・刻印撃・六芒星
・刻印撃・十字架(New)
・堕落の剣Lv.3
・焃血支配術Lv.4
↳焃血剣
↳焃血槍(New)
・カウンターリベルLv.Max
・インフィニットジャンパーLv.3
・ディメンショナルムーブメント Lv.Max
・リベンジレイズ(New)
・クリムゾンアンブレイカブル
・プライマルアーツ閃
・デストラクションオーバーブレイクLv.3
・轟水流舞Lv.3
・ファントムブリンク
・瞬光視界Lv.3
《特殊技能》
・多彩極技
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まぁ、特段劇的な変化がある訳じゃなかったけどとりあえずはこんなもんでいいかな。さて次は……ん?
[進行中のクエスト]
・ユニーククエスト:2代目の道(New)
↳現人神にして伝説の鍛冶師『アマトス』の情報の取得[1/6]
報酬:subjobが『2代目アマトス』へ変化。究極技能〈鍛冶神の大権能〉獲得、及び『アマトスのハンマー』の全機能解放。
Name:アマトスのハンマー
Rank: B(成長型)
説明:原初の鍛冶師「アマトス」が全盛期の時代に使っていたハンマー。B以上の武器防具を作る度にプレイヤーに経験値が入る。後304回使うとRankが上がる。(最高Rankまで残り9804回)
・鍛冶神の権能[1/6]
①武器の制作完了時、超低確率で武器に〈鍛冶師の轟炎〉を永続付与する。
〈鍛冶師の轟炎〉
・通常攻撃及びスキル使用時、確率で神炎属性を付与する。
神炎属性…通常の炎属性攻撃とは異なり、属性相性が存在しない。対象に除去不可能の永続的な『炎傷』状態を付与、使用者のHPとMPを最大量の5%回復する。
な、なんだこれっ……!? ヤバそうな代物とは思ってたけどまさかここまで物凄いとは思ってなかったな……しかも『アマトス』って確か、どんだけゲーム内の文献とか調べても名前以外の詳細が分からなかったNPCじゃないか。ここでその設定を持ってくるのかっ……!
それに詳細の内容が一切分からんときた……ユートピア・エンドの設定って確か神様とかの概念が廃れきってた世界だったし、そもそもNPCにそういう類の質問をしても反応も無かったからすっかり裏設定だと思い込んでたが……
……あっ、まさかアプデか? オフライン版のアップデートの時に本来実装するはずだった設定とか仕様とか全部突っ込んだのかもしれん……たしかにそれならイマジナリーパピヨンの挙動とかにも色々納得はいくのだが……事前告知の文面にはそんな事一切書かれてなかったし、どうなってんだ??
むむむ…そうなってくると改めてゲーム版の方にログインしてみるしかないかな。でも肝心のゲーム機とソフトがなぁ、ゲーム機は何とかなるけど如何せんソフトの方が絶版になってるし、入手はキッツイんだろうけど……一応漁ってみるか。
さて、次はドロップ品だけど……まぁ全員確定で貰えそうなやつばっかだなぁ。鱗粉も翅片も見た事あるやつだし、けど唯一見たことないのがこの[夢蝶の炉心]ってやつ。テキストは……
Name:夢蝶の炉心
Rank:S
説明:イマジナリーパピヨンの心臓部。空気中から微量の魔力を吸収し、溜め込む性質をもつ。
ほぅ……魔力を溜め込む、ねぇ。色々と悪用できそうな仕様だけど、はてさてどう使うか……
溜め込むなら〈閃撃〉の簡易化とか考えるけど、もっと上手に使えると思うんだよなぁ……むむむ、手榴弾とか思ったけど威力範囲は凄いだろうけど使い捨てになるだろうし、溜め込む…… 〈閃撃〉……どうやって放つか……あっ、あぁぁぁ!!!!!
僕の脳内にビビビッと電撃が走る。現状あくまで机上の空論だか行けるのでは!?ゲームじゃ出来なかった……つまり、ユートピア・エンドのAIとシステムを超えるという僕自身の戦いになる。……しっかしこればっかりはやって見ないと分からない。アイテムを無駄にするかシステムを凌駕するか……結構な博打になりそうだけど、ちょっとワクワクもしてる。
数分唸って考えをまとめる。鉱石類はどうとでもなるから、後は創造力での戦いのみ。ふふふ……やる気がもりもり湧いてきた。よっし、明日に備えて寝ますかっ!!! 見とけよ『ユートピア・エンド』!!! 明日大笑いしてるのはこの僕だっ!! ふははははは!!!!
△
「雨音さんって、彼方といつ出会ったの??」
「たしか……彼方が5歳の時だったはず。ちっちゃくて可愛かった。ほら、これその時の写真」
「キャーッ!!!可愛いーーっ!!! お目目くりっくりじゃーん!!!」
「ふふふ、更にこんなのも」
「あーっ!!!これ峯吉さん!? 一緒にソリで遊んでるー!!!」
「この時ね、彼方はあんまり表情が出なかったから、わたしと峯吉くんでいーっぱい一緒に遊んで笑わせようとしてたの。懐かしいなぁ」
「へぇ〜そうなんだ。彼方って子供の頃から大人しかったんですか? 今も割と大人しめって感じするけど……」
「初めて会った時は何だかお人形みたいに静かな感じだったの。ずっと空をボーッと眺めてるか、部屋の隅で座ってるだけだった」
「……もしかして、何かあったんですか?」
「うん、でもわたしも知らないの。彼方本人もその時の事覚えてないらしくて。でもそこであった何かで彼方はご両親を亡くしたの」
「……」
「そこで、彼方のお母様と兄妹だったわたしの父が引き取って彼方と出会ったって感じ」
「……そんな複雑だったんですね。ごめんなさい、変なこと聞いちゃって」
「いいの、気にしないで。さっ、もう寝ましょ? 美鈴ちゃんももう目を開けてるのしんどいでしょ?」
「は、はい……」
「……ありがとうね、彼方とお友達になってくれて。わたしも、美鈴ちゃんと知り合えてホントに良かった」
「へ、えへへっ……!!」
読んでくれてありがとうございます。




