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異世界殺菌をする町医者  作者: 虹色水晶
異世界から日本に戻れば斬新な小説。なぜ誰も書かないのだろう?
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揺るがぬ忠義心

「ともかく人間共の中には我ら魔の軍勢に挑もうとする勇猛果敢な連中が未だ大量に残っていた。正直奴らを見くびっていたよ。人間なぞ腐敗した精神しか持たない、取るに足らん存在だと思っていたが。奴らに対抗するため取り急ぎこの魔王城に戦力を集めている」


「少々お尋ねしてもよろしいでしょうか?」


「なんだスケルトンジェネラル三号?」


「私の視界の右下にさっきから流れている、


『ギルドチャット

マスダサトシ:あーいやだなぁもう異世界に召喚されて大魔王様だー(*´▽`*)

大魔王様スゴーイ流石ですわ大魔王様って折角の大魔王ライフ満喫してたのになぁ流行に合わせて骸骨魔王になって無敵のエンジェイデヴィルキングってなにあいつら聖属性とか打突武器とか満載じゃん俺袋叩きにされたら簡単に死んじゃうよいやアンデットだからもう死んでるけどさこの世界で死んだらどうなるの?生き返れるの?ってか誰が蘇生魔法かけてくれんの?リザお願いしますって言って駆けつけてくれるような奇特な人がこの世界にいんの?てかアンデッドで聖属性弱点じゃね?リザ喰らったららダメージじゃね?俺死んだらアウトじゃね?もうしんでっけどさ部下のみんなでなんとかしてよ戦いたくないでござる』


・・・・なんですかこれは?」


「ああそれか。それは大魔王様の心の声だ」


 トヨヒサルスは説明した。


「心の声、でございますか?」


「我ら魔の者は大魔王と契約することに特別な恩寵ギフトの力を手にする事ができる。これはその一つだ。世界中のどこにいても大魔王様の声を聴くことができるのだ。どうだ。すごいであろう?」


「なるほど。ところで、私達の声は大魔王様に届かないのですか?」


「いや。大魔王様の心の声が聞こえるだけだ。我らの心は聞こえないぞ。それと注意点が一つ」


「なんでしょうか」


「『マスダサトシ』というのは大魔王様の本当の名だ。だがみだりに口にしてはならない」


 トヨヒサルスは両断された机から、一冊の黒い本を取り出した。


「これは『デスブック』と呼べる魔法の書物だ。ただし使い捨て」


「デスブック?」


「この書物に人間の名前を書くと、六十パーセント確率で相手を即死させる事ができるのだ。ただし効果対象は人間のみ」


「人間のみ?」


「試しに私の名前を書いてみろ」


 言ってトヨヒサルスは羽ペンとインク。そしてデスブックをスケルトンジェネラル三号に渡した。


「本当によろしいのですか?」


「安心しろ。我々上級魔族は絶対に死なない」


「では遠慮なく」


 さらさらっ、『トヨヒサルス』とデスブックに記した。


「どぐあああっ!!!」


 派手に後方に吹き飛び、壁にひび割れを造るトヨヒサルス。


「あ、生きておられますか?」


「ふ、ふう。絶対に死なないとわかっていてもやるものではないな。今度からはやめておこう。ところでそのデスブックだが」


「はい。おや?」


 スケルトンジェネラル三号が使ったデスブックは『No effect』の文字を残し、この世から消滅してしまった。


「デスブックとやらが消えてしまいましたが?」


「さっき言っただろう。使い捨てのアイテムだと。それにこれは人間にしか通じん」


「はい。しかしこれに名前を書いても無意味ならば別に大魔王様の名前を呼んでも問題ないのでは?」


「いや魔王様は繊細な御方だしな。それに万一という事もあるし。故に本名のマスダサトシではなく、魔王マイルズ様とお呼びするのだ」


「承知いたしました」

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