シマヅゥ=トヨヒサ ルス 鎧を着た巨人を造った結果
「話を戻そう。スケルトンジェネラル三号。お前の剣を見せてくれ。あ、今度は切りつけなくていいからな?」
今度は若干警戒しつつトヨヒサルスは言った。
スケルトンジェネラル三号は自分の剣を抜き、横にしてトヨヒサルスに見せた。
「微弱ながら何らかの力を感じるな」
「はい。アダマンタイト製です」
「天然魔法金属の魔力剣か。なるほどな。よくわかった。しまっていいぞ」
スケルトンジェネラル三号はアダマンタイト製の剣をしまった。
「私は純粋魔族でな。他の魔物とは少々この世界での在り様が違う。さっきから言っているように下等な人間共のような肉体を持たない、純粋な精神生命体なのだ。故に基本的に物理的攻撃を受けない」
「ですが例外があるのですね?」
「そうだ。魔力を帯びた武器。あるいは魔力による攻撃は我々純粋魔族に対し非常に有効だ。人間と我々との戦争は数百年前から続いているが、お前が人間達の司令官や、王なら、我々魔族に対抗するためにどういう戦略をとる?」
「魔法を使える者を増やすのが最良かと」
スケルトンジェネラル三号は即答した。
「そうだ。数百年前に設立されたのが魔法学科であり、人間の国各地に点在する魔術協会だ。だがな」
ククク、とトヨヒサルスは笑みを浮かべた。
「現在では設立当初の理念は失われ、魔法学科は貴族の子息が民衆の血税を浪費して遊興にふける歓楽の場と化し、魔術協会は机上の空論だけは立派な連中の天下り先として卒業先の便利な受け皿になっている。実に我々にとって好ましい事だと思ないか?」
「国民が重税にあえいで役に立たぬ者達を養っている?」
「そうだ。強力な魔法を使える者ほど安穏とした場所で暮らし、そうでないものほど危険な戦地に送られる。素晴らしいシステムだ。この制度を整えてくれた愚かな人間達に感謝しなければならない」
そこまで言って、急に真面目な顔になった。
「と、思ったのだが、あくまで安全な内地に行ってダラダラ過ごしたいとか、宮廷魔術師になって楽がしたいだとか、ひたすら自分より弱い相手を探して攻撃魔法を撃ちまくりたいだとか、そういう連中ばかりではなかったらしい」
「と、おっしゃりますと?」
「行きがけの駄賃のつもりで投入した鋼鉄の鎧を着せた巨人に魔法学校を攻撃させたんだ。そしたら入学したての訓練制共が
『鉄は熱に弱いんだ。小学生レベルの知識だぜ!!』
と、言いながらファイアボルトを連発してきやがってな」
「それで全滅したんですね」
「上級生は片っ端から転移魔法で逃げたんだがな。違う意味で見物だったぞ」
「よくご無事でしたね」
「私は人間に化けれるからな。自分で変化の魔法を解くか瀕死の状態にならない限り普通に人間の街を歩ける。歩いて敗走したぞ」




