第3部 流浪のヨーロッパ編 VOL37「ハダカのゴアイサツ」 (2004年)
ー流浪のヨーロッパ編VOL37ー
「ハダカのゴアイサツ」
ナポリ〜カプリ島 2004年11月
フェリーでカプリ島へ。
日本を出る前に宮本君に今回の旅行で
行きたい場所を挙げてもらった中でも
いちばん重要だったのがこの島にある
「青の洞窟」だ。
あまりにも有名なこの洞窟に入るためだけに
ナポリに来る人もいるのではないか
とさえ思える。
やっぱり若い日本人も数組乗っている。
出航までもうしばらく時間があるんで
ひとりで船の中の階段を昇って
奥へ進んでいくと隣に停泊している船の窓に
チラチラ動くものが目に入る。
なんやろう?
見ると、遠足に行くのか体操服姿の
中学生らしい団体が乗っていて、
やんちゃそうな男の子3人くらいが
手を振っている。
ん? もしかして俺にか?
手を振り返すとなんだかものすごく
盛り上がって、2つの窓に10数人も
集まってきて皆ニコニコしながら
一生懸命手を振ってくる。
俺がまた振り返すと皆おもしろいように
大喜びする。
イタリア人の子どもにはサングラスをかけてる
東洋人は何を考えてるのかさっぱり
見当もつかない不思議なキョーミ深い人にでも
見えるんやろか?
日本でハンサムでもベッピンでもなんでもない
フツーのガイジンが人気者になるのと
同じことなのかな?
2、3度手を振り返して、キリがなさそうなんで
宮本君のところへ戻って報告する。
「アイサツにオシリ出したろかと思ったけど
相手はまだ中学生やろし、日本人って皆
そんなことするんかと思われたら
ちょっとマズイかなと思ってやめといたよ。
まあ俺も良識あるオトナやからねえ。」
宮本君が
「いやあー外国ではやっぱりマズイよおー。」
と笑いながら言う。
彼は俺がジョーダンを言ってるのではない
ことを知っているのだ。
(ここでまたまた脱線回想)
ふと長野でのことを想い出す。
この数年前の夏に長野のロッジで
関東、関西などから30人ほどのバイク仲間で
集まって1泊した。
宮本君も岐阜から参加していた。
俺より1つ年上がひとり以外
ほとんど5~20才近く年下のメンバーだ。
夜は2組に分かれて打ち上げ花火で打ち合いを
しようと独断でアホなことを企画して、
大阪の「いつもの」花火の安売りの店で
2万円分!を買って持っていった。
朝、TL1000Sの小さい後部座席に荷物の上に
山盛りの花火をなあ~んとか無理やり積んで
関西メンバーの集合場所へ行くと、
「な、な、なんですか、それえーっ!!」
「高速道路でコケて火花が散って引火したら
ちゅどおおーーーん!って爆死やな!!」
と皆あきれたり、大笑いしたり。
夜、乗鞍高原ー。
山火事を起こさないように広い場所を選ぶ。
「よっしゃあー! 関東組 対
関西&中部&四国組 でショーブやあ!」
と大量の花火の束を取り出しながら
俺が言うとそーゆーヤバンなことを
やったことない皆は
「ええええっ!? う、打ち合い!?」
と驚いてビビッていたけど、
チョーシ乗り5、6人で早速2組に分かれて
「アブナあーイ!」 しゅぱあーっ!!と
打ち上げ花火でタタカイを始めると
興味を持ち始めたのかやがて皆参加しだして
ヒャッホーッ!と大盛り上がりに。
さすが20代は特に順応が早い。
(ちなみに俺は当時42、3才?)
エスカレートしてきてついに5mほどにまで
近づいて打ち合って
Tシャツに穴があいたり、焦げたり、
手に火傷したりもうムチャクチャ。
翌朝もちろん皆で花火ゴミを徹底回収。
(2、3年後の「第2戦」ではやっぱり
アブナイからヘルメット着用を推奨して対戦)
昼には20人ほどで川や滝を目の前にしながら
露天風呂に入れる有名な白骨温泉に行った。
天気はよく、風が気持ち良くて湯船の外で
皆で眼下の景色を眺めていると、
50mほど離れた吊り橋の上から若い女の子
2人が手を振ってきた。
それに気付くと皆慌てて
「うわあー!」
と叫んでタオルを股間に当てたまま
走って白い湯の中に飛び込んだ。
なんで皆そんなに必死やねん?
たかがハダカやないの。
解放感が大好きな俺は自他共に認める
「裸族」である。
川でスッポンポンやパンツ1枚で泳いだり
ハダカに対する羞恥心はあまりないのかも。
学生時代、器械体操をしていて
間近でレオタード姿も見慣れていたし、
スイミングコーチをしてた時は
競技用水着で体の線がクッキリ見える
女のコーチらと授業のあとに一緒に
小さい湯舟でくっついて浸かったり
フツーに「混浴」をする環境だった。
(高速道路でバイクでオシリを丸出しにして
立ち上がって友達を追い越して
笑わせたりするんで「空飛ぶオシリ」とも
呼ばれている。)
せっかく手を振ってくれてるのに
シツレイやんか。
タオルも持たない俺はひとりそのまま
吊り橋の2人のレディに向かって、
立ってスッポンポンのまま大声で
両手を振ってゴアイサツした。
「こんにちはあー!」
彼女らもニコニコしながらまた
「こんにちはー!」
と明るく手を大きく振り返してくれた。
皆は湯船の中で
「さっすが裸族やなあーっ!!」
とゲラゲラ大笑いしていた。
(「究極のバスドライビング」に続く)




