第3部 流浪のヨーロッパ編 VOL29「オフシーズンの湖」 (2004年)
ー流浪のヨーロッパ編VOL29ー
「オフシーズンの湖」
グロセット~ローマ 2004年11月
運転を替わろうかと提案しても
宮本君はすっかり海外でのドライブに
ハマってしまったようで
ひたすら積極的に走り続ける。
こうして着いた休憩地点の湖は日本で言うなら
諏訪湖のような広くゆったりしたところ。
オフシーズンの今は土産物屋やカフェなど
ほとんどの店が閉っていて寂しげだ。
1軒だけ開いてるがらんとしたカフェで
俺はいつものカフェラッテ、
宮本君はエスプレッソを注文する。
ウエイトレスが愛想よくてとても可愛らしい。
湖を窓越しに観ながらぼんやりする。
今で17日間の旅行の2/3くらいかあ。
ただ質素なものを食べて街を歩いて
次の目的地へ進んでいくだけの
シンプルな毎日だけど、
この気ままな感覚は日本の社会にいては
なかなか味わえない貴重なものだ。
白い水鳥が数羽湖の上をのどかに飛んでいく。
今この異国で俺らも毎日どっちにでも
好きなところへ行ける。
自由で刺激的な空間に浸ることのできる
この状況の有り難さを噛み締める。
さあ、んじゃぼちぼちローマを目指すかあ。
のんびりしてる間に夕方近くになってきたぞ。
暗くなる前に着きたかったけど、
今日もやっぱり無理かな?
今回の旅行は早朝発ではない列車での移動が
多いせいで街への到着が夕方になってしまい、
目当ての宿が満員だったりでチェックインに
やたらと手間取ってしまうことが多い。
ローマでならいくらでも宿はあるけど、
特に週末でもあるし到着が夜になれば
ロケーションのいい安宿の確保は難しいかも。
到着まであと1時間もかからないような
地点にまで来るとどんどんどんどん
交通量が増えてきた。
渋滞とノロノロ運転が続く。
あちゃー。 夕方のラッシュかあ。
さっきまでののどかな自然の中の道とは
別世界だ。
それにしてもまさかこんなに混むとは。
世界的な大都市の交通量を
甘く見ていたようだ。
もうとっぷりと陽が暮れてしまった。
あーおなかは減るし、疲れるし、
いつになったら宿に入れるんやろなあ。
いくつもの合流地点で横の道から
どんどん車が加わってくる。
なんとなく「すべての道はローマに続く」
ということばを思い出す。
このすごい数のノロノロ運転の車はほとんど
すべてがローマへ向かっているのかなー。
その時このひたすらだらけた空気の中を
「トラブルの魔物」がヒタヒタと
忍び寄ってきているのを知る由もなかった。
(「ボケジジイの襲撃!!」に続く)




