第3部 流浪のヨーロッパ編 VOL24「異国でのどん兵衛にカンゲキ」 (2004年)
ー流浪のヨーロッパ編 VOL24ー
「異国でのどん兵衛にカンゲキ」
フィレンツェ~グロセット 2004年11月
ー前回からの続きー
ドライブは続く。
のどかな丘の広がるトスカーナ地方で
見事な夕陽を見つめる。
半分開けた窓から入ってくる風は
少し冷たいけど、雪が積もってたドイツの
ミュンヘンからオーストリアの
インスブルック、そしてイタリアへと
すでに500キロ以上も南下してきてるだけ
やっぱり暖かく感じるなあ。
さあ今日はどこに泊まろうか?
グロセットという海にやや近い町に向かう。
夕方までに着けばと思っていたのに
もうとっぷりと日が暮れてしまった。
2人ともすごく疲れてはいるけど
せっかく海に近い所まで来てるんだから
港町に行ったらイイ感じなんじゃないかな
と思ってドライバーの宮本君に提案してみる。
グロセットを越えて海へ向かう。
10キロほど先なだけなのに道がとにかく
わかりにくくてナンギする。
何度かひとに訊いてもこんな観光地でもない
ところには英語を話せる人はいなくて
さっぱり言ってることがわからない。
やっと着いたところは海水浴場で
オフシーズンの今は閑散としている。
車を降りて波の音を聴きながら
キレイな半月を眺める。
俺は海に来たというだけでそれなりに
満足したけど、普段穏やかな宮本君は
あまりに緊張感続く運転でストレスがピークに
達してるようですごくイラついている。
素直にグロセットで宿を
探すべきやったかなあ。
運転を替わって近くで宿を探すけど
全然ないのでグロセット付近まで戻り、
モーテル(モーターホテルの略語)を
見つけて泊まることにする。
部屋に入るともうほんっとにヘトヘトで
ベッドにどさあっとひっくり返る。
宮本君がようやくふわあーっと
やさしい表情を見せて
「もーう道は全然わからんし、
ことばは通じないし、真っ暗やし、
腹ペコやし、疲れるしですごく
イライラしてしまっててゴメンねえ。」
と謝ってくる。
緊迫した状況が続いたらやっぱり
誰でもそうなるんやろなあ。
すごく疲れてるのに安直に海に行こうなんて
言ってわるかったかなあと反省する。
オヤジさんがすごく感じいい人だし、
ドライブインも兼ねてる宿なので、
これはカップ麺のために熱湯が欲しいと
頼めば絶対もらえると思って
トライすると簡単にOKしてくれた。
しゅぼぼぼぼおおっ。
コーヒーを入れるようなマシンから
白い湯気とともにステンレスのカップに
熱湯が注がれる。
「やったああああ!!!
ついに、ついにヨーロッパ
初カップ麺やあああ!!!」
麺類が大好きで普段ほぼ毎日うどんか
ラーメンを食べる俺にとっては
海外旅行先での麺類ゼロで
(ヨーロッパではスパゲティを食べれるけど)
毎日パンの生活はかああああーなりキビシイ。
ただのカップ麺がとにかくやたらとウマイ!
2人でゴキゲンさんでどん兵衛を食べながら
「喜びのどん兵衛オペラ」を歌ったのは
言うまでもない。
(「どん兵衛オペラ」って何?
→Vol21「どん兵衛オペラ誕生」
を読んでね)
「♬やっと食べれたんだよおー、
アベマリーーアあー。
どおーしてこんなにオイシイのおーー、
天ぷらどん兵衛ええーーー。」




