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第3部 流浪のヨーロッパ編 VOL21「どん兵衛オペラ誕生」 (2004年)

ー流浪のヨーロッパ編VOL21ー

「どん兵衛オペラ誕生」  

フィレンツェ   2004年11月


ー前回からの続きー


再び「委員長」登場。

胸の前に両手を持ってきて上体を左右に

揺すりながら歌うのがいかにも

プロっぽい感じだ。

艶やかなソプラノが聴く者の心を

穏やかにしてくれる。

時々「ハードロッカー神父」の激しい

情感に満ちたパイプオルガンの

ソロプレイをはさんで曲は続き、

静と動のバランスのとれた

コンサートは終わった。


ステージに上がってハードロッカー神父に

パイプオルガンを見せてもらう。

「この音はホントにスンゴクよかったよ!」

と言うと神父はそうかそうかと

うなづいてうれしそうだ。

鍵盤が3、4段ある立派なものだけど、

なんでアンプじゃなく、高ーい天井に

豪快に束ねられた金管群から

あんな大きな音を出せるんやろう?

ナゾだ。

俺らと同じようにステージまで

見にきた人が数人いた。


帰り道、満足気分で宮本君と感想を述べ合う。

そして即興の「どん兵衛オペラ」が

誕生したのだった。

いつも海外旅行で日本の味が恋しくて

すごくつらくなるんで、

今回初めてどん兵衛などのカップ麺や

スープ類を日本からいくつも持ってきた。

普段何気なく食べるインスタント食品の

クオリティは諸外国のものに比べてみると

格段に素晴らしいものなのだ。

でもここまでのどの宿でもどおーーーしても

熱湯が手に入らなかった。

いつも手元にあるのにそれを食べられない

そのもどかしい気持ちを

さっきの委員長のマネをして胸の前に

手を持ってきて上体を左右に揺すりながら

ちょっと悲しい表情でこもらせた声で

強弱をつけてオペラっぽく歌ってみた。


「どおーーしてえーーーー!、、、、

アベマリーーーアーー、、、、

いつまでたってもおーーー、、、、

食べられないのおー、、、、

ボク達のどん兵衛えええーーーーーー!!」

宮本君がゲラゲラ大笑いする。

「ワハハハハ!! ナニそれえーーっ!!」


「ハシはあるんだよおーー、、、、

(片手を口の横に持ってきて小声で)

七味もあるんだよおー、、、、

たーだあああ、、、、、、、、

お湯だけがあーーーー

なあーーいいいいいいーーーーーーー!!」

委員長の神妙な歌い方を思い出して歌うと

もうおかしくておかしくて。

ふたりとも半泣きになるほど腹を抱えて

笑って笑ってしばらくそこから

歩けなくなってしまった。


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