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第3部 流浪のヨーロッパ編 VOL19「同室者はヤバいヤツ??」 (2004年)

ー流浪のヨーロッパ編 VOL19ー

「同室者はヤバいヤツ??」   

フィレンツェ   2004年11月


ー前回からの続きー


ユースホステルのホールで宮本君とチーズや

スナックをアテにワインを飲んで

部屋に戻ると、もう真夜中過ぎだというのに

同室の若いオーストラリア人2人はまだ

戻っていない。

宮本君は時差に対応しきれてないのか

緊張してよく眠れないのか毎朝5、6時には

目を覚まして俺が起きるまでじっと

待ってたりシャワーを浴びたりしていたから

今寝てからすぐにあの2人が戻ってきた

物音で起こされて眠れなくなったら

気の毒やなあ。

「どっかに飲みにいってるんやろか?

たぶんあと1時間ほどで戻ってくるから

うるさいかもよ。」

と言って寝た。


カシャーン、、、、カシャーン、、、、。

パタ、パタ、パタ、、、、

「ん、、、、?」

遠くから何かが近づいてくる音で目が覚める。

カシャーン、、、、カシャーン、、、、。

パタ、、、、。

段々音が大きくなってくる。 

なんやろう?

こんな夜中に廊下であんな音を立てるなんて。

ゆっくり近づいてくる気配を感じて

不安になってくる。

もしかしてあれは、、、、。

きっとそうや。

そしてドアのすぐ前でカシャーン!と鳴る。

誰かがカギを開けて入ってくる。

やっぱりあの音は昼に見たエアガンや。

多くの部屋で旅行者が寝てるというのに

なんで真夜中にあんなもん廊下で

撃ってるんや?

まさか酒とドラッグでブッ飛んでるんと

ちゃうやろな。

いや、あの2人なら充分ありうるぞ。

特にクールな目をしていた方の男には

ひと目見た瞬間に静かなのに何か妙に危険な

空気を感じたのだった。

初めてのタイプの緊張感だ。

寝てるフリをしながら薄目を開けて

念のためにいつでも飛び起きれるように

身構える。


映画のシーンのようにくっきりとした2本の

白く細い光が真っ暗な部屋の中を交錯する。

彼らは額にキャンプで使うような

小型のライトを着けていた。

暗闇の中の英語でのヒソヒソ声が余計に

緊張感を煽る。

ひっきりなしに天井を、壁を、光の輪が動く。

下のベッドで宮本君も不安がってるんやろか?

しばらくしてフッと2つのライトが消えた。

ヒソヒソ声はまだ続き、カサカサと音が

鳴っていたけど15分ほどしてようやく

静かになった。

ふううううう、脅かしやがってえ。 

まったくう。

安心して力が抜けると、すごく寝つきのいい

俺はまたすぐに眠ってしまった。


翌朝目覚めて下のベッドを覗くとやっぱり

宮本君はもう起きていた。

外へ出よう、と無言で手で合図する。

彼らを起こさないようにそっとドアを出る。

「いやあ昨日はマイッタよなあ。

何事かと思ってめちゃ緊張したわあ。」

と言うと彼はキョトンとした顔で

「え? 何が?」

と答えるからガクッときた。

てっきり彼も起きていると思ってたけど、

ぐっすり寝ていて何も気付かなかったらしい。

俺にとってはもしかしてナイフか何かを

持ってるジャンキーが部屋に

侵入してきたのか?と思うような

緊迫した空間だった。

朝食から戻ってくると掃除のおばちゃんが

いて、廊下にいくつも落ちてるエアガンの

プラスティックの弾をホーキで掃いていた。

彼らはただのガキなのか?


一体なんなんだ?


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