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第3部 流浪のヨーロッパ編 VOL17「熱きフィンガーダンス」 (2004年)

ー流浪のヨーロッパ編 VOL17ー

「熱きフィンガーダンス」   

フィレンツェ   2004年11月


大道芸にはいろいろあってオモシロイ。

曲芸?(ナイフ投げ、人が座った木のイスを

歯だけで支える、

口から火を吹く、砕いたガラスの上に寝る、

台の上に立ってじっと動かずコインを渡すと

ロボットのように動く、など)や

ジャグリング、ブレイクダンス、

アクロバット、指人形、寸劇など。

ヨーロッパでは特に楽器演奏や

歌のパフォ−マンスが多いように思う。


ヴェネツィアとかでもオペラ、ギター、

サックスなどの大道芸を観たけど、

この夜ここフィレンツェで観た

大学生くらいの男2人、女2人の演奏は

とにかくひたすら速弾きの連続で

迫力があって印象深かった。

ヴァイオリン3台とアコーディオン1台で

よく知られている曲を次々と披露してゆく。

情熱的なフレーズを自信に満ちた目で

上体を揺すりながら激しく弾き続ける彼らは

実にカッコいいのだ。

かすかに冷たい夜風が吹く広場の片隅で

立ってビールを飲みながら聴く。

50代くらいのおっちゃんはレンガの壁に

もたれて目をつぶりじっと聴き入っている。

通りすがりの老若男女20人ほどが取り囲む中

テンポの速い曲が続く。

曲に合わせて楽しそうに踊り出す

若い女のひともいる。

20分ほどして演奏は終わった。

惜しみない拍手が響く。


ヨーロッパの人はクラシックが

好きなんやなあ。

日本ではどうもクラシックは堅苦しくて

とっつきにくい音楽のように感じられる気が

するけど、このひと達は子どもの頃から

こうして街中で身近に生の演奏に触れて

慣れ親しんできてるのだろう。

大道芸を立ち止まって観る時は演者の前の

箱や楽器のケースにチップを入れるけど、

たった1ユーロ(当時約140円)くらいで

こんな濃厚な時間を過ごせるのは

ホントにありがたいことだ。

パフォーマンスを終えて観客に写真を

撮られたり、話したりする彼らの表情は

晴れ晴れしく、輝いて見えた。

大道芸ー。

これも憧れる職業?の1つである。

若くして人前で演奏し、自作CDを売る

彼らはこうして自信をつけていき、

やがてはメジャーな世界へと羽ばたくことを

夢見ているのだろうか。

残念ながら日本には元々チップを渡す文化が

ほぼなく、欧米などと大きく違って

ストリートミュージシャンのパフォーマンス

を楽しんだとしてもギターケースなどに

チップを入れるひとはほとんどいない。

海外のあちこちの街でちょいちょいほんとに

たいしたことないミュージシャンでも

かなり多くのチップを稼いでるのを見るたび

「なんであんなヘタクソで気の抜けた

PLAYであたりまえのような顔をして

いっぱいチップもらってんねん!!」

と腹立たしく感じた。

でも日本でも少数ではあるけれど路上で

たまたま出会った音楽を純粋に楽しんで

ごく自然にチップを差し出してくれる

ひともいる。


2010~2011年には阿倍野ハルカスの

前の歩道橋で3、4回と、

京橋の駅の連絡路で1回

バッテリー駆動のアンプを使って

ストリートライヴをやった。

当時のバンドのメンバー

(ギター&ヴォーカル=イギリス人、

ヴォーカル=オーストラリア人、

ドラム=アメリカ人、

ベース&バッキングコーラス=俺)で

ワインやビールを飲みながら

気ままに楽しんでいると20人くらい

集まってきた。

中学生の女の子がじっくり聴いた後、

彼女にとっては大事なお小遣いであろう

500円玉をチップに投げ入れてくれたり、

60代くらいの女のひとが1時間ほど

聴いてて、2千円くらい入れてくれたりで

カンゲキした。


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