第3部 流浪のヨーロッパ編 VOL16「コロッセオのイケナイ楽しみ方」 (2004年)
ー流浪のヨーロッパ編 VOL16
「コロッセオのイケナイ楽しみ方」
フィレンツェ 2004年11月
さて、話をフィレンツェに戻そう。
ドミトリーの4人部屋に入ってみると
白人の若い男がいて、ひとなつこく
話しかけてきた。
19才にしてはやけに堂々としてるなあ。
でもぽっちゃりしたほっぺたが少し赤くて
まだやんちゃ小僧の雰囲気が
たっぷり残っている。
オーストラリアを出てもう5ヶ月以上
旅行していて、あちこち廻った途中の
ロンドンでは3ヶ月間レストランで
バイトしてたそうだ。
旅行中に外国でバイトかあ。
うーーん、行動力あるなー。
「キミくらいの年で何ヶ月も旅行に出るって
メルボルンではよくあることなの?」
と訊くと
「そうだよ。」
と実に軽く答える。
まあーったくウラヤマシイ環境やなー。
日本人って遊ばずに働いてばっかりで
ホンマに損してるような気がする。
この旅行では今まで駅、ホテル、レストラン、
観光局の人とか以外と話す機会が
ほとんどなかったし、初めての旅行者同士の
ゆったりした会話ということもあってか
宮本君も俺もちょっとコーフン気味に話す。
自分達の旅行体験を聴いてもらうのは
うれしいものだし、
ひとの体験を聴くのも興味深いものだ。
宮本君が俺の英語がうまいと感心するけど
実はそれはちょっと違う。
俺はガイジンの友達ができて
英語を時々話す環境になってから
もう16年も経つというのに未だに
リスニングが全然ダメなんで
自分から積極的に話して会話の主導権を
握るようにしてるだけなのだ。
聴き手になってしまうとなんの話か
どんどんわからなくなっていってしまう。
聴く方が簡単というひとが多いけど
ほんとになんで俺はアカンのやろう?
悩みなんです。
シャワーを終えてもう1人同じく
オーストラリア人が部屋に入ってきた。
ハンサムな彼は無愛想というわけではないけど
その落ち着いたすごくクールな目を見た瞬間、
コイツはちょっとヤバイヤツかも?と感じる。
しばらく話して彼がエアガンを
持っているのに気付いた。
なんで海外旅行に来てあんなものを
持ってるんやろ?
彼らはお互い別々の国をまわったり、
また合流したり、と臨機応変で
まだ若いのに実に旅慣れている感じだ。
自分の19才の時とはまーったく
比べものにならない。
オーストラリアという国のおおらかさが
子どもを早くから自立させ、
行動的に成長させるんやろか?
「ローマでは夜中にコロッセオのゲートを
乗り越えて入ってすっごく楽しかったよ。
キミ達も行くのならやってみなよ。」
とぽっちゃりホッペがさらっと言う。
「なにイ!!? そんなことしたのお!!?」
あの世界的な観光名所でそんなことして
よく捕まらんもんやなあ!
警報システムとかないんやろか?
まえに行ったけど確かゲートは高さが
2.5か3mくらいあったはず。
外国でもしかしたら大変なリスクを
背負うかもしれないそういう大胆なことを
しようという彼らの発想にも驚いたし、
ナントその時彼ら以外にも同じことをして
入ってきてたヤツがいたというから
さらに驚いた!
まあ個人的には昔から少々イケナイことは
けっこう好きやねんけど。
うーーーーん、コロッセオ、、、、
完全にナメられてるぞっ。




