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【物語】竜の巫女 剣の皇子 24 黎明未だ
どれくらい時間が過ぎたのか……。
やっと窓から夜明けを知らせる弱い光が差し込んできた。
ソロフスは暴れるルチェイを押さえながら、心中で祓詞の詠唱を続けていた。
彼の額と首筋に汗が流れる。
「ルチェイ、大丈夫だから」
そう何度も声もかけ続けた。
窓からの光が穏やかになった頃、ルチェイのちからが弱まった。
ソロフスは彼女の口から布を外し、顔を覗き込んだ。
ルチェイは彼を見ながら涙を流した。
瞳の光が知っているものだったから、ソロフスはルチェイを抱き起こした。
「ごめん。ひどいことをした。ごめん」
彼はそう言うと、少女を抱きしめた。
「ソロフス……」
そう言う彼女の方を見ると、彼女は「ごめんね」とだけ言った。
彼の目から涙がこぼれ「ごめん」謝りながら泣いた。
しばらく抱き合ったまま過ぎた。
「ごめんなさい……ずっとね……あなたの声、聞こえてたの」
「まだね……いろいろ……」そう言うとルチェイは泣いた。
「だめにしたの」
「どうしてか……わからないの」
「なぜ、あのままきえなかったのか」
「もうおもいだしたくないとおもったの」
「どうしたいかわからない」
「つかれた」
ソロフスはそれに「わかった」と、彼女を柔らかく包んだ。
ルチェイはあたたかさに身を預け、瞳を閉じた。
(つづく)




