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異世界転移物語〜傍若無人なおっさんの成り上がり〜  作者: ゴディバン
第二章 文化と社会
37/72

37話 山岳地帯の住人

 俺達は山麓の森林から入り鉱石のある場所を目指して進む。アルカがこの山岳地域の中腹からは、魔物が多く危険だと伝えてきた。警戒しながら先を進み、採掘が可能な場所を探す。ミスリル鉱石は、魔力が多く含まれる場所で、岩石が多く出土する場所に多いらしい。


 先に進み歩いていると、辺りが森林から岩石が多くなってきた。とその時、シロが前方にキーラーアント出現と叫んだ。


 俺はキラーアントを視認して【鑑定能力】を念じる。


━━━━━━ステータス━━━━━━

種族:キラーアント

階位:***


体力:18

魔力:7

技力:4

膂力:27

速力:15

心力:4


弱点──────────

火属性 腹部 触覚

━━━━━━━━━━━━━━━━━


 あまり強くない事に安堵する。しかし、シロとアルカの表情が強張っている。俺は鑑定したけど弱いから大丈夫と伝えたのだが、二人の表情がすぐれない。


 島でのポチの話を思い出した。ヤツらは群れるとヤバイ…。キラーアントを視認して【周囲探索】を念じた。おおよそ1000匹はいるだろうか、辺り一面にキラーアントが存在する事が認識出来た。


 キラーアントはまだ動いていない。俺は二人に静かに撤退をするように指示して、ゆっくりと後方へ進んだ。数百メートルは下がっただろうか、ヤツらの姿が見えなくなったのでキラーアントを意識してもう一度【周囲探索】を念じた。反応は大丈夫だった。どうやら俺達はキラーアントの縄張りに入り込んだみたいだった。


 俺はふと思いついた。


 水の魔法が簡単に使えた。簡単な応用も出来た。ヤツらの弱点である、火の魔法も使えるのではないかと。


 ヤツらのステータスを取得している。これは貴重な情報だ。縄張りは森林部分から進んだ岩石地帯が中心だろう。そのエリアなら火を使っても山火事の心配は無い。


 少し時間を取って、火の魔法や他の魔法が使えるか検証を行うことにした。


 「今朝の野営地まで一時撤退する。少し試したいことが有る」


 『わかりました』


 「試したい事って?」


 「まあ、野営地まで戻ってからだ」


 俺達は今朝の野営地まで戻ってきた。今日は、ここでもう1日野営して明日に出発すると伝えた。二人にテント設営や昼食の準備をお願いして、俺は少し離れた開けた場所に移動する。そして他の魔法と魔法の規則性を検証する。

 

 「まずは、火の魔法が使えることからだな」

 「#火よ出でよ:ファイヤー」


 目前に火球が出現する。適正に問題は無い。イメージをしっかりと持てば大丈夫だ。

 次に風の魔法を試してみる。


 「#風よ出でよ:ウィンドウズ」


 どこかから、パソコンの起動音が聞こえた気がした。


 「あれ?風が出ないな? あ、風はウィンドか!」


 「#風よ出でよ:ウィンド」


 うん。涼しい。風が吹いた。次は土の魔法を試した。


 「#土よ出でよ:……」


 土って何?


 ロック?は、岩か。アース?これは地球じゃないのか?クレイ?これは粘土だったな。マッド?は、泥か?俺は取りあえずイメージが定まらないので、土の魔法は諦めた。


 水・火・風の3属性の魔法で検証を進めることにした。


 キラーアントの群れを切り抜けるには火の魔法が必須だ。コイツを重点的に調べよう。


 「♯火よ貫け:ファイヤージャベリン」


 火槍が目前の木に刺さり、炎上した。俺は焦って水の魔法で消す。


 「♯水よ出でよ:ウォーター」


 目の前で水球が漂っている…


 「あれ?ヤバイ消さなきゃ!」

 「♯水よ貫け:ウォータージャベリン」


 目前の木に水槍が飛び、木を破壊しながら消火した。


 『主殿!大丈夫ですか?』


 シロが木の破壊音にビックリして飛んできた。


 「ごめん。ちょっと魔法を失敗した。何ともないから気にするな」


 シロは不思議そうな表情をしながら設営準備へ戻って行った。


 「こりゃ制御が難しいな。詠唱は日本語とかで好きな言葉じゃダメなのか?水の魔法で試すか…」

 「♯氷よ弾丸になれ:アイスブレット」


 氷の弾丸が勢いよく飛んでいった。


 「おお!いけるな。アッチの岩を標的にして次は炎で試すか!」

 「♯火よ弾丸になれ:ファイヤーバレット」


 岩に向かって小さな火の弾丸が飛んでいった。しかし威力は不十分だ。火は現象という非物質のイメージが邪魔をしているのか、質量が無い感じだった。


 「うーん。難しいな。火が単体で衝突しても飛び散るだけだしな」

 「重く硬く高温の物ってないか? あるな… ドリル刃で耐熱素材であり超合金のタングステン鋼…」

 「タングステンって融点が金属最高だったな。よし、これが溶ける寸前まで高温になって超高速回転するドリル刃をイメージするんだ…」


 「1本幾らするんだろ… うわぁ…高そうだな…」

 「ダメだ、変なイメージが混じる。異世界のファンタジーが無料で用意してくれるφ20でタングステン鋼のドリル刃や!」(※φは直径(mm)を表します)


 「#火よ硬質の熱となり回り飛べ:メタルブレット」


 直径2cmで長さ20cmの金属棒が岩に向かって回転して飛び、貫通した。


 「うおっ!これは威力が凄いな!」


 岩に近づき貫通痕を見る。穴の周囲は溶けている。タングステンの融点が岩の溶ける温度(軟化点)を上回っているようだ。

  

 「これで蟻どもを殲滅出来るな!ちょっと詠唱が中二病なのが欠点やけど…」

 「これを一度に大量に発射できるかな?イメージは超大量のドリル刃が無料で…」

 「#多くの火よ硬質の熱となり回り飛べ:メタルバラージ」


 高速回転する高温の金属棒が頭上に大量に出現した、その数おおよそ数千本。

 その金属棒は岩に高速で飛翔して跡形も無く粉砕消滅させたのであった。

 俺はその光景を見ながら、意識を失った。


……………

…………

………

……

<大丈夫かね? あまり無茶な魔法を実行してはいけないよ>


「んぁ… あれ? ここは?」


<島以来だね。クロノスだよ>


「あれ?神さんか? 俺は死んだのか?」


<正確にはまだ生きてるよ。>


「正確にはって?」


<君は私が与えた魔力の限界を遙かに超える事象を発動させたからね。君の身体は消滅する寸前なんだよ。>


「え?なにそれ?」


<ちゃんと説明をしなかった私にも落ち度はある。今回に限り、身体の修復と魔力の増強をしてあげる。まさか地球の希少金属を大量に召喚して発動させるなんて思ってもいなかったからね。>


「と言う事は、本当は死んでたって事なのか?」


<ああ、そうだよ。あり得ない量の魔力を消費したからね。私の助けが無いと一瞬で蒸発してたんだよ。>


「なにそれ、こわい」


<この世界に存在しない希少金属を地球から呼び寄せたんだ。それも何トンって質量をね。私が異常な魔力波を察知したから助かったんだよ?その魔法はもう二度とは使えないけどね。地球とこの世界に干渉が起きるからね>


「あ…あぁ…、わかった」


<その代わり、この世界で存在する優れた金属を教えてあげる。"オリハルコン"って言うんだけど、タングステンと同じって考えてくれていいよ。本当はもっと優れているけどね。>


「そのオリハルコンで、さっきの魔法は使えるのか?」


<所有量に応じて使用回数は変わるけど、数回は使える程度の魔力を与えてあげるよ。>


「マジっすか! ありがとうございます」


<その代わり、対価として石斧は返してもらうよ。>

 

「え?そうなの? これ気に入ってたのに…」


<これ以上の君への力入れは、様々なバランスが崩れるからね>


「何個か質問してもいいか?」


<少しだけならいいよ>


「地球から物質召喚するのは可能って事だから、他の物を少量召喚するってのは大丈夫なのか?」


<君の魔力に制限を掛けたんだ。もう地球の物質を一切召喚出来ないよ。>


「そっか。わかった。あと、この世界で魔法は自分で考えて創造するものなのか?」


<それは答えられない。>


「じゃあこの世界の物質を召喚するのは問題無いのか?」


<それはどちらとも言えない。今は答えれないし、これからも答えられない。>


「そっか。あと毒物や中毒の耐性って強く出来るのか?」


<それは可能だよ。慣れで耐性が付くからね。>


「才能って努力で入手出来るものとかあるのか?」


<沢山あるよ。天性の物は不可能だけどね。>


「普通は魔力を使い切ったら死ぬのか?」


<気絶するだけだよ。今回のは異常現象だから例外だよ。>

<そろそろ時間だ、これから気を付けるんだよ>


「あ、待って…最後に…もう一つチートくだ…さ……


最後の頼みがクロノス神に聞こえたのかどうかは不明だったが俺は意識が戻った。


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■□■□異世界転移で魔王になったよ。~極悪非道な物語~□■□■
サブのこちらも良ければお読みください。
こちらは軽いテンポと設定で進みます。
徐々に本作とサブが関連します。
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