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異世界転移物語〜傍若無人なおっさんの成り上がり〜  作者: ゴディバン
第二章 文化と社会
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36話 街道の者たち2

 俺は彼らに選択を迫ったのであった。


 「さあ、選べ」


 彼らは成人9名で相談をしているようだ。だが相談というより意思確認とも取れる時間で、リーダーが返答をしてきた。


 「我々は全員アナタ様に忠誠を誓い、従います。そして姉妹は従者として一生涯を賭してアナタ様の側で尽くします。」


 「そうか。わかった。ちょっと聞きたいんだが、お前らは街に行って冒険者の登録を行い、その稼ぎで食べて行くことは考えなかったのか?」


 「私たち森の民は、この居住区つまり森以外で糧を得る手段がありません。街や村に入り対価を支払って物資などを購入することは出来ますが、居住する事は出来ないのです。特別な許可や貴族の後ろ盾が無い限り、我々はギルドに所属することも出来ません。」


 「するとお前らは他の人族から差別されてるってことか?」


 「はい。そう考えて頂いて問題ありません。」


 「あと、なぜ無罪放免を選択しなかった?」


 「私たちには、もう自力で生活行う事が困難です。森の恵みを得ようにも子供を守りながら魔物と戦う必要があります。以前までなら何とかなっていたでしょう。しかし、今では強い魔物が現れて大人でも勝つことが困難になっております。しかも住むところも失い、疲労で衰弱し、満足に力も出せません。誰かの庇護下に入らぬ限り、我々にこの先、光は無いでしょう。」


 「アルカ、最近出現する魔物ってそんなに強いのか?」


 「うん。強いよ。見た事のない魔物もいるよ」


 俺はアルカも強い魔物が出現して素材を取りに行けなくなった。と言ってたのを思い出す。この森に何か変化が起こっているのだろうか?今は考えても仕方が無いと思い、彼らにお金を渡して草木の宿へ向かうように伝えた。


 「俺達は今から南部の山岳地帯へ採掘に向かう。リーダーのお前に食費と滞在費として小金貨を50枚渡しておく。20人で5日は朝夕食事付きで滞在できるだろう。俺達はそれまでに戻るから、宿で待ってろ」


 「あ、ありがとうございます。」


 「お前らに関する細かいことは俺が戻ってから決める。いいな?」


 「はい。草木の宿へ向かい、アナタ様のお帰りをお待ちしております。お名前を伺っても宜しいでしょうか?」


 「俺はテセウス、このオーガはシロ、そしてこの少女はアルカだ」


 「では、テセウス様。どうかご無事で」


 「うふふ。テセウスったら。アタシの事を少女だなんて。」


 俺達はエルフの集団と別れて、山岳地帯へ再び進みだした。麓の森林で開けた場所を見つけ、そこに魔道具のテントを2つ張る。シロに周囲に食べられそうな食材を探しに向かわせる。果実やキノコを採取しているようだ。


 焚火セットで火を確保し、調理器具セットを出す。調理器具セットには食器まで含まれている旅の必須アイテムだ。調味料セットもちゃんと購入している。この世界でも塩や胡椒、ハーブなどは普通の価格で流通しているみたいだ。


 「アルカ、今日は俺が料理を作るから俺の好みを覚えてて欲しい。」


 「うん。分かった。頑張るね。」


 魔道具鞄から色々な食材を出して下ごしらえをする。俺は一人暮らしが長いので自炊が出来る。街の市場で不思議な食材を見かけたが、今回は無難に日本と同じと思われる物を選んでいる。


 ウォーターの魔法で鍋に少量の水を入れて、トマトソースを作る。ソースは小皿に取り分ける。そして鍋を洗い、再び水を入れる。麦と玉ねぎとにんにくを少量、キノコ、トマト、ハーブを入れて塩胡椒で味を調え煮込んでスープを作る。フライパンを熱して獣脂を引き、カットした鶏肉を塩胡椒で炒める。

 カリッと表面に焦げ目が付いたら、チーズを乗せて少し焼き、小皿のトマトソースをかける。そして、テーブルに小麦のパンとワインを出し、焼いた鶏肉を皿に乗せる。麦のトマトスープを皿に入れ、今夜の食事の準備を終えた。


 シロとアルカを呼び、夕食を始める。


 「調味料の種類が少ないからシンプルな味付けになってるけど、まあ、悪くない味だと思う」


 『主殿、美味しそうです。』


 「テセウス、器用だね。美味しそう」


 俺達は食事をしながら、明日の採掘について打ち合わせをした。

 二人とも味には非常に満足しているようだった。


 「アルカ、ミスリル銀って1日でどの程度を採掘出来るんだ?」


 「えっとね、銀鉱石の状態で取れるから、そのままじゃ駄目なの。含有量の多い鉱石を選んで持ち帰り、破砕選別をして石と銀に分けて精製炉でミスリル銀を取り出すの。そして精錬して純度を高めるの。」


 「そ、そっか。よく分らんが鉱石を沢山持って帰ったらいいんだな?」


 「まあ、簡単に言うとそうかな。」


 アルカは鍛冶師なんだなと思った瞬間だった。何を言っているのか専門的で分からなかった。


 「概算で構わないから1日でどの程度のミスリルが採れる?」


 「鉱石の含有率で相当な幅があるけど1kgから1000kgかな?」


 「うえっ? 1kgから1000kgだって!? それは幅がありすぎるだろ」


 「うん。鉱石次第だからね。」


 「その鉱石は見て含有率が分かるのか?」


 「誰でも分かるよ。色が違うからね。白っぽいほど含有率の高い鉱石だよ。」


 「なるほど、宝探しみたいなものだな」


 俺達は明日の打ち合わせを終え、それぞれテントに入り休むことにした。


 俺とアルカは一緒にテントへ入り、就寝の準備をする。ランプの魔道具へ魔力を注ぎ、明かりを灯す。魔道具シャワーのタンクにウォーターの魔法で充水する。


 防音の効果は一方通行になっている。外の音は聞こえるが中の音は外へは聞こえない。つまりだ、中で"むふふ"な事をしても周囲にバレる事がない。俺がこのテントを即買いした理由だった。


 俺はシャワーで水浴びをした。この世界にも石鹸はある。香りは花のエキスだろうか?ほんのりとしたいい香りだ。


 俺がシャワーを終えて体を拭いていると、アルカが脱ぐので水浴びの間は、後ろを向いて欲しいと言った。


 「アルカ、ちょっとコッチに来い」


 「え、なに?」


 「俺の目の前で服を脱ぐんだ」


 「今日は汗をかいてるから…。…さ、先に水浴びをしたい」


 「駄目だ」


 「…うん。テセウスがそう言うなら…」


 アルカが俺の目の前に来て、服を脱ぐ。小さくて透き通るような裸体が目の前に現れた。


 「は…恥ずかしい」


 なんとアルカはツルツルだった。やはり思った通り俺的に美少女だった。

 俺はアルカを抱きしめる。

 汗の匂いと彼女の体臭が混じり、興奮する。


 ゴロゴロ…


 アルカの肌は手に吸い付くように、しっとりして心地よい。

 胸は小ぶりだが綺麗な形で柔らかい。


 ゴロゴロ…ゴロゴロ……


 彼女は両手で顔を覆い、真っ赤になって俺の言うことを聞いている。

 俺は我慢出来なくなって




 トイレに駆け込んだ……




 恐らくさっきの食事だろう。アルカとシロは何とも無いようだ。俺が【毒物小耐性】と【中毒小耐性】だからと思う。クロノス神も言っていた。


 この世界は衛生事情が悪いと……


 シロが採ったキノコか市場で買った鶏肉が悪かったのだろう。俺は朝までベッドと簡易トイレを往復した。そして違う意味で寝不足となった俺は、朝方に腹痛が治まった。一晩中、アルカが心配して付き添っていた。トイレまで付き添われるのは恥ずかしかった。


 日が昇り、朝が来て、俺達はテントから出る。

 シロは既にテントから出て出発の準備をしている。


 「「シロ、おはよう」」


 『主殿、アルカ殿。おはようございます』


 朝食は小麦のパンにチーズを乗せ、火で焙る。

 簡単な野菜スープを作り、朝食を取り終える。


 「さあ、山に入って鉱石を探すぞ」


 『はい!』 「うん!」


 俺達は、野営の支度を片付けて山に入った。


─────────────────────

<所持品>

リュック

 拾った服×1 ウエストポーチ

魔道具鞄(低)

 回復薬(大)×1個 

 回復薬(中)×4個

 回復薬(小)×10個 

 黒皮の鎧×2個

 生成色のズボン×4枚 

 藍色の上着×4枚

魔道具鞄(中)

 魔道具のテント(2人用)×2張

 焚火セット×1式

 調理器具セット×1式

 調味料セット×1式

 解体道具セット×1式

 魔道具のランプ×2台

 採掘道具×1式

所持金:金貨0枚 小金貨5枚 銀貨×9枚

    (アルカの所持金は除く)

─────────────────────


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■□■□異世界転移で魔王になったよ。~極悪非道な物語~□■□■
サブのこちらも良ければお読みください。
こちらは軽いテンポと設定で進みます。
徐々に本作とサブが関連します。
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